『失敗の科学』は、失敗との向き合い方・失敗から学習する組織になるために必要なことがわかる本。
失敗は学習や進歩の機会であり、失敗を活かすためにはフィードバックのシステムと率直にミスを認められる心理的安全性が重要です。
失敗から学ぶことでパフォーマンスを上げたい、失敗を隠さない組織にしたいと考えるリーダーにおすすめです。
★ 『失敗の科学』 の要約ポイント★
・失敗を活かせる組織と活かせない組織の違い
・失敗から学習するために必要なもの:フィードバックと心理的安全性
・失敗から学ぶのはなぜ難しいのか?
医療業界、航空業界、司法やスポーツの世界まで、1つ1つの事例が面白く、スリリングな小説のように読めました。
この記事では 『失敗の科学』 の要約を紹介します。
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目次
要約①:失敗を活かせる組織/活かせない組織の違い
失敗を活かせる組織と活かせない組織にはどんな違いがあるでしょうか。
失敗を活かせる組織はオープンループ、活かせない組織はクローズドループの構造があります。
オープンループ:失敗から学ぶ
失敗が適切に対処され、学習の機会や進化がもたらされる。
クローズドループ:失敗から学ばない
失敗に関する情報が放置されたり歪めて解釈されたりして、進歩につながらない。
失敗を活かす/活かさない組織として、航空業界と医療業界を比較しています。
航空業界ではブラックボックス(フライトデータレコーダーとコックピットのボイスレコーダー)をもとに、強い権限を持った独立の調査機関が調査します。
また、高度が許容範囲を超えた場合などヒヤリハットのデータも自動で記録されるようになっています。その際、操縦士は特定されません。
【航空事故の主な原因】
・コックピットの中の上下関係
コックピットの中では操縦士の権限が強く、副操縦士は自分の命がかかっているときさえ、意見を控えめに述べる。
・時間感覚の欠如
集中しているとき(フロー状態のとき)には時間の感覚がなくなり、たとえば燃料切れまでの時間を見誤ってしまう。
失敗を学習に活かす文化が根付いており、航空業界の安全性は急激に向上しました。
一方、医療業界では失敗が明るみに出ない構造があります。
データ収集がされておらず、航空業界のような権限を持つ調査機関もありません。
手術室の中で起きた事故は、医師の「仕方なかった」というひと言で片付けられてしまうことが多く、そのせいか医療事故は10人に1人の確率で起こると言われています。
要約②:失敗から学習するために必要なもの
失敗から学習するために必要なものは、フィードバックと心理的安全性です。
フィードバックがなければ改善はありません。現状とのギャップを認識するために、フィードバックを得られるシステムが必要です。
フィードバックが有効に機能するのは、対象が検証できるものである必要があります。
反証主義:
物理学者カール・ポパーが提唱した「反証可能でなければ科学でない」 という理論
失敗であると検証された、と思っても、人は信念より事実の解釈を変えることもあります。
あるカルト集団のエピソードがインパクト大でした。
「〇月〇日に大洪水が起きて地球が終わる」という教祖の予言が外れても、それは信心深かったおかげと解釈され、信者たちは教祖を疑わなかったそうです。
外れるというフィードバックを受け付けなければ、フィードバックから学ぶことは不可能です。
失敗から学習するためにもう1つ重要なのは、心理的安全性です。
ただ、フィードバックが得られるシステムがあっても、それを運用する人が情報提供をためらうようでは効果的に機能しません。
「私に問題があるかもしれない」と言える環境があれば、改善に必要な情報を集めることができます。
心理的安全性:他人の評価や反応を気にせず、率直に意見を言えること
手術室には明確なヒエラルキーがあり、看護師は医師に意見を強く言えない、言ったとしても採用されないという実態があります。
要約③:失敗から学ぶのはなぜ難しいのか?
失敗からの学習を妨げているものはたくさんあります。
代表的なものは次のとおりです。
・認知的不協和
・世界を単純化しすぎる
・犯人探しバイアス
1つずつ紹介します。
認知的不協和
認知的不協和とは、自分の信念と事実が矛盾している状態です。認知的不協和が起こると、人は不快感やストレスを感じます。
人はたいてい、自分は頭がよくて筋の通った人間だと思っている。自分の判断は正しくて、簡単にだまされたりしないと信じている。だからこそ、その信念に反する事実が出てきたときに、自尊心が脅かされ、おかしなことになってしまう。
認知的不協和を解消するには、自分の間違いを認めるか、事実を無視したり捻じ曲げたりするしかありません。自分の間違いを認めるのは、自分が思ったほど賢くなかったと認めることであり、苦痛が伴います。
認知的不協和から失敗を認められない事例として、誤った有罪判決を下した検察官のエピソードが紹介されています。
DNA鑑定の登場により無罪が証明されても、検察側はなかなか間違いを認めようとしません。
それは、検察官が愚かなのではなく、検察官になるまでの苦労や職業の使命感が認知的不協和を一層強くさせるのです。
しかし、そんな努力の末に刑務所に送り込んだのは無実の人間だった、と後からわかったらどうだろう?何の罪も犯していない人の一生を台無しにした上に、被害者の遺族の心をあらためて傷つけることになったとしたら?きっと胃がねじれるような思いがするだろう。これ以上に脅威的な認知的不協和は想像することすら難しい。
医療現場の失敗を認められない体質も、医者になるまでの苦労と使命感が強い認知的不協和を生むのかもしれません。
世界を単純化しすぎる
仮説は早い段階で検証し、フィードバックをもらうことが効率的な学習につながります。
頭の中でじっくり考えるより、早く外に出してフィードバックをもらったほうが早い。
それは今流行のアジャイル方式にも表れています。
アジャイル:短期間で計画⇒実装⇒テストをくり返す開発手法
しかし、盲点なのは、検証するまでもなくわかっているという思い込みです。
実は、「正しいかどうか試してみる」を実行に移すには、大きな障壁がある。実は我々は知らないうちに、世の中を過度に単純化していることが多い。ついつい「どうせ答えはもうわかっているんだから、わざわざ試す必要もないだろう」と考えてしまうのだ。
自分を過信せず、テストの量にこだわることで単純化の罠から抜け出せます。
犯人探しバイアス
失敗を学習の機会にするには、心理的安全性が重要です。
心理的安全性が脅かされる原因の1つに、犯人探しバイアスがあります。
犯人探しバイアス:
物事の経緯より、誰の責任かを追及することにとらわれる傾向
失敗したら非難されるかもしれない、という状況では、自分の失敗を情報提供しようとは思いません。
自分の失敗を隠す「内因」が認知的不協和だとしたら、「外因」とも言えるのが、非難というプレッシャーだ。非難の衝動は、組織内に強力な負のエネルギーを生む。
誰が悪いかよりも、何が起こったのかに意識を向けることで、学習の機会が生まれます。
複雑な世界から物事を学ぶには、その複雑さと向き合わなければならない。何でも単純に考えてすぐ誰かを非難するのはやめよう。肝心なのは、問題を深く探って、本当に何が起こったのかを突き止めることだ。
その姿勢があれば、隠蔽や自己正当化のない、オープンで誠実な組織文化を構築することができる。
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『失敗の科学』 の次に読むなら?おすすめの本3選
『失敗の科学』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『多様性の科学』
『失敗の科学』の著者の最新作であり、多様性が組織に与えるプラスの影響がわかる本。
画一的な組織の弱さ、自分が正しいと思いこむ怖さもわかります。
参考記事:『多様性の科学』の要約と感想:多様性がなぜ必要なのか?がわかる本
②『失敗の本質』
大東亜戦争での日本軍の失敗の原因を分析することで、日本的な組織の欠点を明確にする本です。
日本軍の失敗の本質をひと言でまとめると、変革に失敗したこと。
心理的安全性が高い組織の対極、戦時中の軍隊から教訓を学べます。
参考記事:『失敗の本質』の要約まとめ:失敗の原因と自己革新組織になるための教訓を解説
③『NOISE』
判断エラーの1つ、ノイズを理解して予防し、判断の質を高めよう!という本。
ノーベル経済学賞をとったダニエル・カーネマン他が書いています。
判断の手続きなど制度をつくる人は必読です!
事例では公務員、裁判官、警察官、経営者、医者などが取り上げられています。
参考記事:『NOISE』の要約まとめ:判断のノイズを減らすには?【ダニエル・カーネマン】
まとめ:失敗から学ぼう
・失敗を活かせる組織はオープンループ、活かせない組織はクローズドループ
・航空業界では失敗を活かし、安全性が向上した
・失敗から学習するために必要なもの:フィードバックと心理的安全性
・人は失敗に直面すると事実ではなく解釈を変えることがある
・情報提供には「私に問題があるかもしれない」と言える環境が必要
・失敗からの学習を妨げる要因:
認知的不協和/世界を単純化しすぎる/犯人探しバイアス
いかに人間が失敗を認めたがらないかがわかり、とても謙虚になることができます。
推理小説のようにストーリーがおもしろいです。
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