『異なる人と「対話」する本気のダイバーシティ経営』の要約と感想

『異なる人と「対話」する本気のダイバーシティ経営』の要約と感想

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『異なる人と「対話」する本気のダイバーシティ経営』は、ダイバーシティ経営を進めるための事例やヒントがわかる本です。

 

D&Iとはダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂)のこと。

それぞれの違いを受け容れることが重要なこと自体は多くの人が理解していますが、企業経営にどう取り入れるかで悩む人も多いのではないでしょうか。

 

”本気の”とある通り、理論よりも実践・事例が多めで、

経営者はもちろん、D&Iに関心がある人・管理職の人・人事部門の人にもおすすめです。

★『異なる人と「対話」する本気のダイバーシティ経営』の要約ポイント★

 

・会話と対話の違い

 

・D&Iの浸透には大きく3段階ある

 

・社会変革も企業風土改革も対話から始まる

対話を通じて自分と違う他者を理解する重要性と、それをどう日々の仕事のなかで実践するかのヒントがわかりました。

この記事では『異なる人と「対話」する本気のダイバーシティ経営』の要約と感想を紹介します。

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要約①:会話と対話の違い

 

D&Iを浸透させるには、相互理解するための対話が重要です。

対話を増やすことは、単に会話を増やすことではありません。

 

会話と対話の違いを次のように説明しています。

会話:同化を促進

 

対話:差異を受け入れて新たな価値を生む

会話では「そうそう」、「あるある」と共感しながら、価値観の近い集団を形成するのに役立ちます。

対話では相手を尊重しながら自分の考えも表明します。

定期的にあるあるネタが流行しますよね。

あるある!と言って、「わたしも同じ」と安心したいのかもしれません。

 

D&Iは”調和のとれた不協和音”と例えられています。

それぞれの音を矯正せずに全体として調和がとれた状態です。

 

反対に、多様性がない同質な集団は不協和音がない調和と言えます。

不協和音がないのは、自分の違いをさとられないように押し殺しているのかもしれません。

不協和音がない調和の世界は、不協和音と判定される人を排除した冷たい社会に感じました。

要約②:D&Iの浸透には大きく3段階ある

 

D&Iの浸透には大きく3段階あります。

第1段階:単一組織にマイノリティを差別せず受け入れる

 

第2段階:違いを受け入れる

 

第3段階:違いが統合されベネフィットをもたらす

第1段階は、マイノリティに同化を求める状態です。

たとえば男性社会に女性も参加できるようにするけれど、ルールは男性社会用のままであり、女性は男性社会で作られたルールに適用する必要があります。

 

第2段階ではマイノリティの違いを受け入れはじめ、必要な配慮がされるような状態です。

 

しかし、この段階ではまだD&Iの取り組みはコストです。

第3段階になると、多様性から新しい価値が生まれる、多文化組織になります。

 

D&Iが浸透した組織が得られる新しい価値・ベネフィットは、業績が上がる・従業員のエンゲージメントが上がるなどさまざまあります。

 

第2段階までしか見えていない人には、D&Iに抵抗感を抱きやすいかもしれません。

第3段階まで到達できると信じられること、まずは経営層が強い意思を示すことが重要です。

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要約③:社会変革も企業風土改革も対話から始まる

最終章では、社会変革に挑んだ偉人3人の言葉が紹介されています。

・パラリンピックの父、ルードヴィッヒ・グットマン

 

・女流文学者の青鞜を支援した森鴎外

 

・性差別と戦うアメリカの女性判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ

わたしが女性だからか、特にルース・ベイダー・ギンズバーグの生い立ち、エピソードが心に残りました。

1973年に最高裁での弁論で、次のように言ったそうです。

「特別扱いは求めません。男性の皆さん、私たちの足を踏みつけているその足をどかしてください。」

今でもグサッと来る言葉ですが、1973年にはもっと物議を醸したと思います。

 

ルース・ベイダー・ギンズバーグは対話の姿勢について”怒れば自滅”と考えていたそうです。

自分と違う立場の人間のことを理解していないからと言って、怒ってしまえば対話の場が閉ざされてしまいます。理解していないだけなのだから、理解する手助けをしようという姿勢で接します。

 

怒ったら理解は望めない、知らないことを知ってもらうには対話が重要であるということです。

社会変革も企業風土改革も、地道な対話と相互理解から始まるということに、D&I浸透の近道や裏技はないんだなと改めてわかりました。

『異なる人と「対話」する本気のダイバーシティ経営』の次に読むなら?

 

『異なる人と「対話」する本気のダイバーシティ経営』とあわせて読みたい3冊を紹介します。

①『多様性の科学』

 

多様性が組織に与えるプラスの影響がわかる本。画一的な組織の弱さ、怖さもわかります。

個人的に、2021年おすすめベスト3に入る本です!

参考記事:『多様性の科学』の要約と感想:多様性がなぜ必要なのか?がわかる本

 

②『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ』

 

どうして他人を誤解してしまうのか、をいろいろな事件・事例から考察した本。

自分の判断を過信しない、慎重さ・謙虚さが大切です。

ビジネス書やハウツー本というよりは読み物として、とてもおもしろかったです。

参考記事:『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ』の要約まとめ:なぜ他人を誤解してしまうのか?

③『異文化理解力』

 

さまざまな文化を持つ人が一緒に働く上で起こる問題とその解決のヒントがわかる本。

 

外国人だけでなく、同じ日本人でも価値観は多様化しています。

組織として1つのビジョンを共有するために、価値観が違う人と協働する方法が学べます。

参考記事:『異文化理解力』の要約:カルチャーマップで自分と相手の文化を知る

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まとめ:ダイバーシティ経営は対話が土台

・D&Iを浸透させるには相互理解するための対話が重要

 

・会話は価値観の近い集団を形成する

 

・D&Iは”調和のとれた不協和音”

 

・D&Iの浸透には3段階ある

 第1段階:単一組織にマイノリティを差別せず受け入れる

 第2段階:違いを受け入れる

 第3段階:違いが統合されベネフィットをもたらす

 

・社会変革も企業風土改革も地道な対話と相互理解から始まる

D&I(多様性と包摂)はよく聞くけれど何から始めていいかわからないキーワードですよね。

企業での取り組み事例がたくさん載っていて参考になりました。

 

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