『ライフシフト2』はベストセラー『ライフシフト』の実践編とされています。
一言でいうと、長寿化とテクノロジーの進化が人生をどう変えるのか、
どうすれば恩恵を受けられるのかを解説した本。
『ライフシフト2』はこんな人におすすめです。
・老後に暗いイメージを持っている人
・IT技術の発展で仕事がなくなるか不安な人
・キャリアの節目(転職、退職、起業など)を迎えている人
前作『ライフシフト』に比べて多様な働き方の人々を例に、
マルチステージの生き方をどうやって実践していくかが紹介されています。
↓前作の内容はこちらにまとめています。
参考記事:【LIFE SHIFT(ライフシフト)の要約】人生100年時代のマルチステージの生き方とは?
★『ライフシフト2』の要約ポイント★
・技術的発明の恩恵を受けるには社会的発明(新しい生き方)をする
・新しい生き方は自分の可能性を開花させることが必要
この記事では、『ライフシフト2』の要約を紹介します。
目次
『ライフシフト2』の目次・構成
『ライフシフト2』の目次は次のとおりです。
第1部 人間の問題
第1章 私たちの進歩/第2章 私たちの開花
第2部 人間の発明
第3章 物語/第4章 探索/第5章 関係
第3部 人間の社会
第6章 企業の課題/第7章 教育機関の課題/第8章 政府の課題
第1部ではテクノロジーの進化と長寿化が引き起こす問題とそれにどう対応するか、
第2部では可能性を開花させる具体的な対応方法、
第3部では企業・教育機関・政府がどう変化に対応すべきかがテーマです。
『ライフシフト』との違いは、長寿化だけでなくテクノロジーの進化も扱っていること、
登場人物が増えて、実践のケースがたくさん紹介されていることです。
『ライフシフト』では年代が異なる3人の視点から人生戦略を考えていましたが、
『ライフシフト2』では7人のキャラクターが登場します。
年代だけでなく、職業や置かれた状況もさまざまです。
専門職フリーランスの女性やトラック運転手、早期退職を言い渡された会計士など、
さまざまな人がどんな人生設計をするか疑似体験できます。
フリーランスならではの不安定さや親世代との意識の違いなど、
どの人が抱える問題もリアリティを持って読めました。
『ライフシフト2』の要約
『ライフシフト2』の要約ポイントは次のとおりです。
★『ライフシフト2』の要約ポイント★
・技術的発明の恩恵を受けるには社会的発明(新しい生き方)をする
・新しい生き方は自分の可能性を開花させることが必要
1つずつくわしく紹介します。
要約1:技術的発明の恩恵を受けるには社会的発明(新しい生き方)をする
『ライフシフト2』は、社会的開拓者になろうという本。
社会的会派開拓者は、新しい生き方を創意工夫で作り出す人、
新しい生き方を社会的に発明をする人です。
技術的発明:テクノロジーの進化
(例)コンピューターの処理速度向上、AI 技術の発達、機械学習、医療の進歩・長寿化など
社会的発明:新しい生き方の発見、創出
技術的発明の恩恵を受けるために、個人レベルでも企業や政府など組織レベルでも必要
技術的発明は確かに人の生活を便利にしますが、
その恩恵を受けるためには技術的な発明だけでは不十分で社会的な発明も必要になります。
今は技術的発明に社会的な発明が追いついてないので、
宙ぶらりんで技術的な発明が脅威のように感じてしまっている時代です。
たしかに寿命が延びたと聞くと、良いことのはずなのにネガティブなイメージが浮かびます。介護、医療、年金、税負担、老後資金の問題など・・・
自分自身が長生きすると言われても、
「別にヨボヨボになってまで長生きしても嬉しくないしな…」、
「ちゃんと年金払われるのかな、老後資金を貯めなくちゃいけないな~」など、
長寿と聞いて手放しで喜ぶ気持ちになれません。
テクノロジーの進歩は便利になったと感じる面もありますが、
仕事が奪われて社会の役に立てないんじゃないか?、失業者が溢れるんじゃないか?、
子供たちにはどういう教育をしたらいいのか?と不安も感じますよね。
今は技術的な発明に適用した新しい生き方、
長寿やテクノロジーを活用したより良い人生のロールモデルがない状態です。
『ライフシフト2』の中では”人生の「錨」が失われた”(p.50)と表現されています。
新しい生き方を見つける、つまり社会的発明に必要なのは、
自分の可能性を開花させることです。
要約2:新しい生き方は自分の可能性を開花させることが必要
たとえ衣食住が満たされていても、人間は幸福とは言えませんよね。
衣食住や経済的な安定は幸福に必要な条件ではあるけれども、
十分な条件ではありません。
人間には自分の人生が意味のあるものと思えるように、
自分の可能性を発揮することが重要です。
自分の可能性を開花する指標として、3つの要素を上げています。
・物語:自分の人生の意義を見つけること
・探索:マルチステージをスムーズに移行すること
・関係:人生の幸福に1番重要な豊かな人間関係を築くこと
1要素につき1章を割いて説明されており、個人の実践編としてメインの部分です。
内容は前作と重複しているんですが、
『ライフシフト2』の多様な登場人物に当てはめていて、さらに理解が深まります。
3ステージとマルチステージの違いを頭に入れておくと理解がスムーズです。
参考記事:【LIFE SHIFT(ライフシフト)の要約】人生100年時代のマルチステージの生き方とは?
実践のポイントを2つピックアップして紹介します。
年齢は可変性がある
かんたんに言うと、年齢による決めつけをやめましょうということです。
でも今の60歳はとても若々しい人が多くて、わたし自身30歳を過ぎましたが、
小学生の時に思っていたイメージとは全然違います。
平均寿命が伸びるだけではなく、健康でいられる期間も伸びているので、
歳の取り方・老い方も時代とともにどんどん変わっていきます。
年齢の決め付けはマルチステージの移行を邪魔している可能性もあります。
それは自分が移行する時にも足かせになってるかもしれないし、
無意識に誰かの移行を妨げてるかもしれません。
”〇歳はだいたいこういう人生のステージにいるべき”という思い込みは捨てましょう。
子育てに専念するために男性がパートタイマーで働いたり、
28歳からしばらく世界を旅したりしてもいいわけです。
ただ、現状では働き方の柔軟性低いので、
個人でマルチステージの人生設計をしても企業の環境が対応していません。
それはこれからの企業の課題と言えます。
もちろん企業だけではなく、政府や教育機関にも課題があり、
それぞれ章を割いて解説されています。
組織以外の安定した錨を持つ
会社員として働くのが当たり前の時代では、
“アイデンティティ=会社という組織に属するわたし”でした。
しかし、マルチステージの人生を歩もうとすれば、
1つの組織に属する期間は従来より短くなり、
会社に属するわたしというアイデンティティは持ちづらくなります。
そのときに信頼できる人間関係(家族やコミュニティなど)があると、
心の安定をもたらしてくれるでしょう。
また、パートナー同士で人生設計を共有してお互い支え合えば、
経済的な基盤を安定させながら新しい学習や活動に時間を割けます。
パートナーがその間、経済的に支えることで柔軟にステージを変えられます。
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『ライフシフト2』の次に読むなら?おすすめ本3選
『ライフシフト2』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『LIFE SHIFT』
『LIFE SHIFT2』の理解を深めるなら、前作『LIFE SHIFT』がおすすめ。
マルチステージの基本戦略がわかります。
参考記事:【LIFE SHIFT(ライフシフト)の要約】人生100年時代のマルチステージの生き方とは?
②『働き方5.0』
メディアアーティストや大学の准教授としてよくメディアに出ている、
落合陽一さんの本です。
コンピューターの発展が著しい時代に人間がやるべきことの本質を考えられます。
参考記事:『働き方5.0』の要約:人間がやるべきことの本質とは?【教育本としてもおすすめ】
③『幸福の資本論』
幸福の条件を自由/自己実現/共同体=絆と定義し、
その3つに対応した資本に基づいて幸せになる戦略を立てようという本。
結論は『ライフシフト』と同じなのですが、
日本人の現状を踏まえている点とエピソードのおもしろさがあります。
参考記事:『幸福の資本論』の要約まとめ:3つの資本を増やして幸せになる戦略がわかる
まとめ:『ライフシフト2』で新しい生き方を見つけよう
・『ライフシフト2』は前作『ライフシフト』の実践編
・長寿化とテクノロジーの進化が進む社会でどう行動するかがわかる本
・技術的発明で豊かになるには新しい生き方の社会的発明が必要
・人間が幸福になるには自分の可能性を開花させること
・物語/探索/関係を軸に自分の人生を意義あるものにしよう
・マルチステージの移行を成功させるために年齢の思い込みは捨てる
・信頼できる人間関係は不安定な時代の支えになる
私はこの本を読んだ後、自分の老後をポジティブに考えられるようになりました。
それまでは老後って聞くとどんよりしたイメージでしたが、
歳を重ねても自分の可能性をどん欲に発揮するぞ!という気持ちが沸きます。
前向きな気持ちになれるはず!
★今回紹介した本★
↓前作はこちら
↓前作の要約はこちらにまとめています。
参考記事:【LIFE SHIFT(ライフシフト)の要約】人生100年時代のマルチステージの生き方とは?
テクノロジーの進化が人類にどう影響するか?について、
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