『働き方5.0 これからの世界をつくる仲間たちへ』は、
コンピューターの発展が著しい時代に人間がやるべきことの本質を考える本です。
著者の落合陽一さんは大学の准教授であり、
メディアアーティストとしても活躍しています。
ご存じの方も多いのではないでしょうか。
これからの時代の変化に備えるために何かしたいけど何をしたらよいかわからない…という人にとって、『働き方5.0』は働き方・生き方の指針になるはずです。
★『働き方5.0』の要約ポイント★
・コンピューターを知り、人間にしかできないことをする
・創造的専門性を持ったクリエイティブクラスを目指せ
・思考体力をつけるには言語化能力を鍛える
子育て・教育本としてもおすすめ!
この記事では『働き方5.0』の要約と感想を紹介します。
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目次
『働き方5.0』の要約
『働き方5.0』の要約ポイントは次のとおりです。
★『働き方5.0』の要約ポイント★
・コンピューターを知り、人間にしかできないことをする
・創造的専門性を持ったクリエイティブクラスを目指せ
・思考体力をつけるには言語化能力を鍛える
1つずつ詳しく紹介します。
コンピューターを知り、人間にしかできないことをする
著者は21世紀を魔法の世紀と定義しています。
魔法の世紀ではリアルな物理空間とデジタル空間の境があいまいになっていて、
その仕組みが目に見えない(=魔術)のが特徴です。
「なんだかわからないけど便利になった!」と喜んで使う人は、
魔法をかけられている側です。
それではコンピューターは人類の敵かと言えばそうではなく、
コンピューターは間違いなく人間の生活を豊かにしてくれました。
人間がすべきことは、コンピューターができること・できないことを知り、
人間にしかできない領域で能力を発揮することです。
人間にしかできないことの典型例は、これがやりたい!という動機を持つこと。
コンピューターはゴールを設定すればそれに向かって休みなく正確に処理することができます。
でも、そもそも何が正解でゴールなのか、何を実現したいのかを設定することはできません。
どれだけステキな未来が想像できるか、
当たり前だと思われていたことに問題意識が持てるか
が問われていると感じました。
創造的専門性を持ったクリエイティブクラスを目指せ
魔法をかける側(目的をもってコンピューターを使いこなす側)になるには、
クリエイティブクラスを目指しましょう。
クリエイティブクラス:創造的な専門性、マネされないリソース(暗黙知)を持つ人
今まではホワイトカラーが目指すべき存在でした。
(たとえば大企業に就職して出世するなど)
しかし、ホワイトカラーの仕事はどんどんコンピューターに代替されていきます。
クリエイティブクラスの特徴はロールモデルがいないことです。
ロールモデルをマネすることはコピーした”もどき”であり、
クリエイティブクラスはオリジナルしか価値がないからです。
クリエイティブクラスはロールモデルを探してマネするのではなく、
なぜその人に価値があるのかを考えることでクリエイティブクラスになるヒントにします。
クリエイティブクラスと今までのホワイトカラーの違いがわかる例として、
教科書をつくる人と教科書を使って勉強する人の対比が挙げられていました。
クリエイティブクラスは研究して教科書をつくる人であり、
ホワイトカラーは教科書で勉強する人です。
教科書になった時点で、教科書の情報は誰でも手に入る情報であり、
それをインプットしているだけでは自分だけのリソースが手に入りません。
答えのない問題を考え抜いて言語化できるのがクリエイティブクラスです。
クリエイティブクラスには人が持っていない専門性があります。
どの分野の専門家になるべきか?を確認する5つの問いが紹介されていました。
5つの問いに明確に答えられたら、取り組む価値があるだろうということです。
・それによって誰が幸せになるのか。
・なぜいま、それが問題なのか。なぜ先人たちはそれができなかったのか。
・過去の何を受け継いでそのアイディアに到達したのか。
・どこに行けばそれができるのか。
・実現のためのスキルはほかの人が到達しにくいものか。
思考体力をつけるには言語化能力を鍛える
クリエイティブクラスの人間になるためには、自分で考える必要があります。
誰でも手に入るインスタントな情報だけでは価値がなく、
いろいろな情報を手掛かりに、自分で考え、解釈して伝えます。
『働き方5.0』の中では”思考体力のある人間”と表現されています。
ただ考える能力が高いのではなく、
考え続ける情熱も兼ね備えている必要があるのでしょう。
思考体力を鍛えるには言語化能力を鍛えるのが有効です。
なんとなくの感想や表面上の会話で終わらせずに、ブレイクダウンしていきます。
例:友だちと出かけて「なんだか楽しかった」
⇒「どこからそう思ったのか?特に1番楽しかったのは何か?」
⇒「前回より楽しかったのはなぜか?時期やメンバーが影響しているか?」
⇒「わたしだけが楽しかったのか?他の人も楽しんでいたか?」 など
言語能力というと英語を話せることと結び付けがちですが、
本当の言語能力とはロジックを言語化して説明できることです。
英語はあくまでツールであり、英語で表現する中身がなければ価値はありません。
同様にプログラミング言語もツールであり、いくらプログラミング言語を勉強しても作りたいもののビジョンがなければ意味がないのです。
表現したいもの・作りたいものができてから学んでも遅くありません。
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『働き方5.0』の感想
『働き方5.0』を読んで個人的に心に残ったポイントを紹介します。
そのためこれからは、人間が「人工知能のインタフェイス」として働くことが多くなるでしょう。必要な情報は人工知能に与えてもらい、それを顧客に伝えるインターフェイスの部分だけを人間が担当するのです。
”人工知能のインターフェイスとしての人間”というコンセプトが新鮮でした。
インターフェイスとは接点のことです。
コンピューターと顧客の間にインターフェイスとしての人間が入り、
円滑に処理できるようにサポートします。
人間もシステムの1つの部品のような扱いです。
しかし、ちょっとした雑談や笑顔でのあいさつは人間のほうが得意です。
顧客から見える部分だけを人間に任せて、人間に対する指示はコンピューターが行う。
こうなってくると、どっちが使う側でどっちが使われる側かわかりません。
過去にあったものを再現してもダメで、いまの時点で人類の最高到達点を踏んだ人だけが勝者となるのです。
もちろん、そのレースの「種目」はひとつではありません。無数にあると言っていいでしょう。だから、自分しか気づかない小さな問題を解決するための専門性を身につけることで、その問題における「最高到達点」を狙うことができる。
”レースの「種目」がひとつではない”というのが希望が持てる点です。
種目に優劣はなく、自分が目指すゴールを設定してそれぞれが目指せるのが良いですね。
ITが進歩する前は、専門性を身につけるための情報が手に入りにくかったり、
解決法を編み出しても必要な人に届けにくかったりしました。
自分のモチベーションと思考体力次第でいくらでも専門性が身につけられるのは、
今に生きる人間の特権であると感じました。
『働き方5.0』の次に読むなら?おすすめ本3選
『働き方5.0』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『13歳からのアート思考』
『13歳からのアート思考』は、
アート作品を通じて自分だけのものの見方・自分なりの答えをつくる思考が体験できます。
答えのないものから自分が感じたものを素直に表現する大切さがわかる本です。
参考記事:『13歳からのアート思考』の要約:自分だけの答えをつくる思考法とは?
②『直感と論理をつなぐ思考法』
自分のワクワクする直感や妄想からアイディアを形にする思考法についての本。
自分の「やりたい!」という強い気持ちを出発点に、アイディアを形にしていきます。
たくさんのヒントが得られるはず!ワークもたくさん載っています。
参考記事:『直感と論理をつなぐ思考法』の要約まとめ:ビジョンドリブンとは自分モードで生きること
③『LIFE SHIFT2』
『LIFE SHIFT2』は人生100年時代にどういう生き方の選択肢があるか、
さまざまなケースで紹介した本です。
『LIFE SHIFT2』ではテクノロジーの発展による影響も加味されています。
参考記事:ライフシフト2の要約:人生100年時代の行動戦略を自分でデザインしよう
まとめ:『働き方5.0』はマネできない専門性を活かす働き方
・『働き方5.0』はコンピューターと親和した働き方・生き方がわかる本
・人間にしかできない領域で能力を発揮する
・ホワイトカラーではなくクリエイティブクラスを目指せ
・クリエイティブクラスはオリジナルな存在でありコピー不可能
・思考体力をつけるには言語化能力を鍛える
・子どもに問いかけることで思考をブレイクダウンして言語化する練習になる
・小さな問題の解決を通して自分だけの専門性を見つけよう
新書サイズで200ページくらいのボリュームですが、
働き方・生き方・子どもの教育に対する考えに大きな影響を受けました。
自分のやるべきことは本当にこれだろうか?
子どもの将来のために親ができることはなにか?
という疑問がある人におすすめの本です。
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本業の会社員では研修講師やファシリテーターをしています。コーチングも提供しているので興味がある方はぜひご検討ください。
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