『マネージャーの問題地図』は、マネージャー(中間管理職)が抱える問題の原因と解決策がわかる本です。
なぜマネージャーは大変なのか?というと、
マネジメント(管理)という言葉になんでもかんでも詰め込まれてしまうから。
マネージャーが本来すべきことを整理しながら、
1人で抱え込まずにチームで解決するためのヒントがわかります。
★『マネージャーの問題地図』の要約ポイント★
・職場のモヤモヤ解消には目的を明確にする
・1人で抱え込まずに部下に任せる
・コミュニケーションの活性化は人頼みにしない
上司と部下の板挟みで悩むマネージャー、本来のマネジメントができていないと悩むプレイングマネージャーにおすすめです。
でも読後には解決に向けた希望が持てるかも。
この記事では『マネージャーの問題地図』の要約まとめを紹介します。
目次
要約①:職場のモヤモヤ解消には目的を明確にする
マネージャー(リーダー)の最も大事な役割は、目的を明確にすることです。
目的が明確でないチームは、モヤモヤした感情が鬱積し、
生産性やモチベーションが落ちていきます。
目的が明確でないと・・・
仕事の認識がズレる→手戻りが発生→生産性・モチベーションが下がる
目的は仕事の判断基準です。
目的が明確でなければ優先順位や成果物の認識が異なり、手戻りが発生して生産性が落ちます。
なんのための仕事かわからないままやり直しするのでモチベーションも低下。
まずは”意識合わせより景色合わせ”を行って、お互いに見えている景色を共有しましょう。
景色とは下記の5つを確認することです。
目的/インプット/成果物/関係者/効率(かける時間など)
ビジョンは経営者が示しているという場合も、
マネージャーが上位ビジョンをチームのビジョンとして自分の言葉で示します。
ビジョンは掲げるだけでは意味がなく、ビジョニング(ビジョンを浸透させる)が重要。
会社のビジョンはどうしても抽象的になりがちです。
「わたしたちのチームの仕事に置き換えると具体的にはどういうことか?」、
「この部署において〇〇というビジョンはどう実現するのか?」
などと一緒に考える時間を取るとよいでしょう。
要約②:1人で抱え込まずに部下に任せる
マネージャーの問題が発生する大きな原因は、マネージャー1人で抱え込むことです。
1人で抱え込んでしまう原因は下記のようなものがあります。
<マネージャーが1人で抱え込んでしまう理由>
・現場の仕事が大好き
・部下が育っていないから任せられない
・時間がないから自分でやったほうが早い など
マネジメント業務がきらいで現場から離れたくない人がいますよね。
部下に任せず上司が抱え込んでいるとどうなるでしょうか。
部下に仕事を任せない
⇒部下が育たない、「信用されていない」と上司に不信感
⇒「部下が育たない」と上司が愚痴る…
マネージャーが1人で抱え込むと、マネージャーと部下の信頼関係がなくなっていきます。
「上司は何の仕事をしているのかわからない(けど忙しそう)」、
「マネージャーなんてなりたくない、なるだけ損だ」と思われていませんか?
抱え込みがちなマネージャーは、部下に仕事を任せて育成できるマネージャーに変わりましょう。
まずはタスクを可視化し、自分でやる/信頼して任せる/やめるものに仕分けします。
タスクを洗い出して可視化⇒仕分け
・自分でやる :マネージャーがやるべきタスク(方向性を示すなど)
・信頼して任せる:部下を育成(丸投げNG)
・やめる :不要な業務を廃止、ITツールや外注の活用
信頼して任せるときは部下の主体性を大事にして、
自分で考える余地を残して指示すると部下の成長につながります。
主体性は丸投げとは違います。
仕事の目的や成果物のイメージなど景色を合わせてサポートしましょう。
”1人で全部やる必要はない”と意識変革が必要です。
要約③:コミュニケーションの活性化は人頼みにしない
目的を明確にするのも、部下に仕事を任せるのも、コミュニケーションを通じて行います。
日常の作業もコミュニケーションがなければ成り立ちませんよね。
コミュニケーションスキルがある、というのは採用で最重視される条件。
しかし、個々のスキルに頼るのではなく、コミュニケーション下手でも話しやすい場をつくるのがマネージャーの仕事です。
率直に言います。「コミュニケーション」「情報共有」は、マネジメントの2大思考停止ワードです。みなさん問題だとおっしゃるわりに、「コミュニケーションが大事だ!」「情報共有だ!」と叫ぶだけ。それ以上、何もしようとしない。
近年、心理的安全性というキーワードをよく聞きます。
心理的安全性:他人の評価や反応を気にせず、率直に意見を言えること
参考記事:『恐れのない組織』の要約:心理的安全性を高めたいリーダーにおすすめの本
参考記事:『心理的安全性のつくりかた』の要約:脱ぬるま湯職場!心理的安全性の4因子とは?
2012年のグーグルの研究で、生産性の高いチームの要素の1つに心理的安全性が挙げられ、
しかも他の要素の土台であるとわかりました。
ということです。
心理的安全性が高く、コミュニケーションが発生しやすい場をつくりましょう。
・レベルを上げない(ちょっとしたことでOK、結論がなくてもOK)
・反応する(放置、否定はNG)
・自己開示(まずは上司から本音を言う)
心理的安全性が高くなれば、メンバーから改善案などの提案が出てくるでしょう。
そのときに言ってはいけない”滅びの言葉”も紹介されていました。
次の5つの言葉。経営層やマネージャーは、決して部下に言ってはいけません。部下に主体的な改善やチャレンジを求めるのであれば、絶対に。
「いままでなにやってたんだ」
「無理に決まっている」
「キミがラクしたいだけでしょ?」
「業務外でやって」
「キミ(たち)だけでやって」
すべて滅びの言葉です。
『マネージャーの問題地図』の次に読むなら?
『マネージャーの問題地図』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『駆け出しマネージャーの成長論』
新任マネジャーが直面する課題とその解決のヒントがわかる本。
自分が成果を出す⇒他者に働きかけて成果を出させるという意識変革ができます。
参考記事:『駆け出しマネージャーの成長論』の要約:マネジャーがぶつかる7つの挑戦課題とは?
②『急成長を導くマネージャーの型』
ベンチャー企業など多様な人材をまとめる必要があるマネージャーの役割が学べます。
メンバーとのコミュニケーションに時間をかける重要性がわかります。
参考記事:『急成長を導くマネージャーの型』の要約:メンバーに時間をかけると成果がついてくる
③『世界最高のチーム』
『世界最高のチーム』は、心理的安全性が高いチームのつくり方がわかる本です。
無条件の肯定的関心を寄せる、ネガティブな意見をより大きなゴールに向ける等、
コーチング的な関わり方が具体的に紹介されています。
参考記事:『世界最高のチーム』の要約まとめ:心理的安全性を高めるリーダーの関わり方とは?
まとめ:1人で無理ならチームで一緒に考えよう
・マネージャーの最重要な仕事は目標を明確にすること
・目的がわからないまま仕事をさせると生産性やモチベーションが下がる
・ビジョンを示すだけでなく、ビジョニング(ビジョンの浸透)まで行う
・上司が仕事を抱え込むと部下が育たない
・タスクを可視化して仕分けする
・部下が考える余地を残して仕事を任せる(細かく口だししない)
・安心してコミュニケーションできる場をつくる
・部下の提案に対して滅びの言葉を唱えない
取り上げられる問題がことごとくリアルなので、
「わたしの職場を見たんですか?」という気持ちになりました。
巻頭の問題地図を見ながら、チームでコミュニケーションするのもよさそうです。
ぜひ読んでみてくださいね!
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