『しあわせ育児の脳科学』は、脳全体を活用する全脳育児がわかる本。
脳の仕組みを知っていれば、子どもの脳で起きていることを踏まえたアプローチができます。
全脳育児では脳のさまざまな部分を統合することで協調して機能できるようにします。
子どもが自分の脳をうまくコントロールできるようにサポートすれば、自分自身で困難を乗り越えていく=しあわせになる資質が身につくでしょう。
★『しあわせ育児の脳科学』の要約ポイント★
・左脳(論理)と右脳(感情)を統合する
・2階(思考)と1階(本能)を統合する
・記憶を統合する
子どもに読ませられるように、マンガになっている部分もあります。
この記事では『しあわせ育児の脳科学』の要約を紹介します。
目次
要約①:左脳(論理)と右脳(感情)を統合する
左脳と右脳は異なる役割があり、バランスよく使うのが重要です。
左脳:論理、言語⇒左脳に寄りすぎると感情の砂漠、硬直
右脳:感情、経験⇒右脳に寄り過ぎると感情の洪水、カオス
子どもは感情の洪水に巻き込まれがちです。
そのときは、まず右脳に接続してから方向転換をします。
右脳に接続するとは、気持ちを分かっていると同調することです。
「あなたの気持ちを私も感じている」と伝えて、気持ちが落ち着いてから論理的な説明に入ります。
それは、子どもが平静を失っているときには、彼らの右脳の感情的欲求に応えてやらないかぎり論理は力を発揮できないということだ。
論理で説明しようとしたことが何度もあります…
子どもの言い分がハチャメチャで気持ちをわかるのは無理がある、というときもありますよね。
大人から見れば意味がわからない理屈でも、子どもにとってはそれが真実。
その気持ちをまず受けとめること、感情のつながりがあると感じてもらうのが先決です。
さらにもうひとつ、心に留めてほしい重要な点は、子どもの気持ちがわれわれ大人にとってどれほどばかげたものや苛立たしいものに見えようと、当の彼らにとってその思いは真実であり重要だということだ。
また、子ども自身に語らせるのも効果的です。
右脳の得意分野である感情や体験に、言語と論理で左脳が意味づけることによって、自分の気持ちが整理されます。
問題の外在化やメタ認知をしていると言えます。
問題の外在化:問題を自分から切り離して眺めること
メタ認知:メタ(高次)の次元で物事を見る・自分を第三者として客観視すること
要約②:2階(思考)と1階(本能)を統合する
脳は2階建てであり、1階は本能や衝動、2階は思考や意思決定をする部位です。
1階部分は出来上がっているものの、2階部分は長い時間をかけて発達していきます。
1階:本能、衝動、怒り、不安
2階:思考、計画、道徳観、意思決定
1階と2階部分を統合するとは、頑丈な階段をかけることです。
しかし、子どもの脳の2階部分は発達途中なので、階段をかけてもうまく機能しないときもあります。
全脳育児は脳の統合を高めることはできても、発達を早めることはできません。
なにしろ人間の脳が十分発達しきるのは、二十代半ばに達したころだと考えられているからだ。
では、子どもの脳が十分発達するまで親は待っているしかないのか?残念ながらその通りだ。(中略)だが幸いなことに、子どもの脳がどれだけ統合されるかには親が、日々の育児を通して影響を与えることができる。
1階と2階の統合を促すには、2階部分を使うトレーニングを日常から行います。
・子どもに自分で意思決定させる
・どうしたら望みがかなうか?を考えさせる
・相手の気持ちを想像する
どちらの服を着るか?など、小さなことから意思決定する練習をします。
「どうしてそれに決めたの?」と選んだ理由を聞くと、自己理解も深まります。
望みを聞き入れてもらう方法を自分で考えることで、交渉やジレンマの対処が学べるでしょう。
絵本などを使って「〇〇ちゃんはどうしてそう思ったのかな?」など他者の気持ちを想像させたり、「もし〇〇だったら~」と仮定の想像をさせるのも2階を使うトレーニングになります。
要約③:記憶を統合する
記憶には2種類あり、意識的に思い出している明示的記憶と知らない間に影響を受けている暗示的記憶があります。
明示的記憶:意識的な回想
暗示的記憶:無意識に次に起こることを予見
ネガティブな暗示的記憶があると、原因はわからないのに「なんか嫌だな」というゾワゾワした感覚になります。
無意識のうちに暗示的記憶に捉われた状態から脱出するには、暗示的記憶を明示的記憶に変えることが有効です。
辛い記憶はフタをして忘れるのではなく、明らかにして影響力を減らしましょう。
子どもが辛い経験をしたとき、自分の中で明示的記憶にして整理する方法を身につければ、未来の人生への影響度を減らして前を向くことができます。
とはいえ、辛いできごとを振り返るのは勇気が要ります。
そんなときは心のリモコンをイメージしてみましょう。
【心のリモコン】
辛い記憶をDVDを見ている感覚で見る。見たくないときは早送りやスキップができる。
自分でリモコンを握っていると思うと、辛い記憶と向き合うハードルが下がります。
また、日頃から忘れずに思い出す練習をすることで、記憶の統合力が上がります。
「今日はどんなことがあった?」
「今日あった良かったこと、良くなかったことを1つずつ教えて」 など
『しあわせ育児の脳科学』の次に読むなら?
『しあわせ育児の脳科学』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『自己肯定感育成入門』
子どもの自己肯定感を高める親の関わり方がわかる本。
プロセスをほめる、親が失敗した話をする、コーチに徹するなど、
子どもが生き抜く力を身につけるためにどう関わればよいかが紹介されています。
参考記事:『自己肯定感育成入門』の要約まとめ:子どもが幸せになるためにできること
②『天才はディーププラクティスと1万時間の法則でつくられる』
ディーププラクティス(深い練習)を繰り返して脳の回路を最適化することで、
常人には考えられないパフォーマンスを発揮します。
生まれつきの才能があるのではなく、才能をつくる努力を惜しまない人が天才になれる。
勇気をもらえる本、やる気が出てくる本です。
参考記事:『天才はディーププラクティスと1万時間の法則でつくられる』の要約まとめ
③『世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業』
心の悩みに向き合う方法がわかる本です。
自分でも認識できていない感情と向き合い、悩みから脱する方法が学べます。
参考記事:『世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業』の要約まとめ:理想像の執着から自由になる
まとめ:全脳育児がわかるおすすめの本
・脳の統合を助けることで子ども自身で困難を乗り越える力が身につく
・感情に支配されている子どもには右脳(感情)に接続してから左脳で話す
・子どもにとっての真実を受け止めて感情のつながりを持つ
・脳の2階部分(思考、意思決定)を使うトレーニングをする
ー自分で決めさせる/交渉させる/相手の気持ちを想像させる
・暗示記憶は無意識のうちに行動に影響を与える
・子どものペースで思い出すことで暗示記憶を明示記憶に変える
つい左脳で対応しがちなところを、「まず右脳から!」を意識して対応できるようになりました。
「今、この子の脳の統合を助けているんだな~」と思えば、子どもの返答を辛抱強く待てるようになります。
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