『わが子が将来お金に困らない人になる「お小遣い」のルール』は、
子どものお金の価値観をつくるために適切なお小遣いのあげ方がわかる本。
小さい頃のお金のつき合い方が、大人になってお金をコントロールできるかに影響します。
親がお金をどう思っているかが子どもに伝わるので、
自分自身のお金のつき合い方に判断軸を持つことが重要です。
★『わが子が将来お金に困らない人になる「お小遣い」のルール』の要約★
・お金のつき合い方は親の影響が大きい
・お小遣いのあげ方4タイプのメリット/デメリット
・倍返し+ありがとう返しでお金の管理を学ばせる
自分自身がお金とどう向き合っているかもわかりました。
この記事では『わが子が将来お金に困らない人になる「お小遣い」のルール』の要約を紹介します。
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目次
要約①:お金のつき合い方は親の影響が大きい
『わが子が将来お金に困らない人になる「お小遣い」のルール』は、お小遣いを通して子どもにお金の教育をすることがテーマです。
お金の教育とは、具体的に下記の2点を指します。
・お金とは何か?どういう行動をするとお金が得られるか?がわかる
・お金のIN(収入)/OUT(支出)をコントロールできる
お金とは感謝の対価であり、人の役に立つと増えるものです。
そして、入ってくるお金と出ていくお金を管理できることで将来お金に困らない人になります。
とにかく稼げることを重視してINが増えても、OUTで我慢ができないとお金の教育に失敗しています。
逆に、OUTを気にし過ぎて使えないのも、お金の使い方がうまいとは言えません。
子どものお金のつき合い方は、一番身近な親がお手本になります。
どんなに偏った考え方でも、子どもにとってはそれが当たり前になってしまいます。
子どもにお金の教育をしたいなら、自分がまずお金と客観的に向き合えているか確認しましょう。
お金に苦労している人はお金を感情的に見る傾向があり、
お金をコントロールできている人はお金は道具であると考える傾向があります。
お金を感情的に見る :お金は汚い、怖い/お金がたくさんほしい
お金を道具として見る:あったら便利だけど使い方を間違えると危ない
「お金持ちはズルをしている」、「お金は貯めていないと不安」などのネガティブな感情を持っていると、お金を増やす行動やお金を使うことに自分の中でブレーキがかかります。
逆に「お金がたくさんほしい」というポジティブな感情でも執着につながるでしょう。
「お金は何かを得るための対価であり、それ以上でも以下でもない」、
「過度に崇めたり忌み嫌ったりする必要はない」というフラットな見方ができると、
お金をコントロールしやすくなります。
要約②:お小遣いのあげ方は4タイプ
お金教育につながるお小遣いのあげ方はどうするのがよいでしょうか。
一般的なお小遣いのあげ方には4つのタイプがあります。
①定額制 :定期的に一定額がもらえる(毎月3000円など)
②報酬制 :行動するごとにお金がもらえる(お皿洗いしたら100円など)
③都度払い:ほしいものは何でも買ってもらえる/親が必要か判断する
④なし :お小遣いはあげない(あげられない)
①定額制は一番一般的なお小遣いのあげ方です。
定額制のメリットは一定期間の間を決まった額でのやりくりが身につくこと。
定額制のデメリットは、決まった日がくれば自動的にお金がもらえるという給料制に安心感を抱きやすく、ほしいものをお小遣いで手が届く範囲内にダウンサイズしがちなことです。
②報酬制のメリットは、役に立てばお金がもらえる体験ができること。
デメリットは、足りなかったら働けばいいと支出に甘くなりがちな点と、
お金をくれるならやる/くれないならやらないとお金で考えるクセがついてしまうことです。
③都度払いはなんでも買ってもらえるタイプと親が必要か判断するタイプがあります。
どちらもお金を自分でコントロールする機会がない点が大きなデメリットです。
メリットを強いてあげるなら、お金の制約を感じないので自由な発想ができること。
しかしデメリットが大きいのでおすすめの方法ではありません。
④お小遣いなしは、経済的な理由であげられないという家庭のケースです。
たくましく知恵と工夫でやりくりする子になる可能性はありますが、お小遣いをもらっている子と比較して自己肯定感が下がったりお金に感情的なイメージを持ったりするリスクがあります。
著者は①定額制と②報酬制の良いとこどり⇒倍返し+ありがとう返しを提案しています。
要約③:倍返し+ありがとう返しでお金の管理を学ばせる
『わが子が将来お金に困らない人になる「お小遣い」のルール』でおすすめしているのは、倍返し+ありがとう返しです。
まずは倍返しから始めて、慣れてきたらありがとう返しをプラスします。
倍返し:定額制で期間内に残ったお小遣いは2倍に増える
たとえば、毎月2000円のお小遣いを設定して、1か月経ったときに800円残っていたとします。
すると翌月は定額分の2000円+800円×2=3600円のお小遣いがもらえます。
狙いは、お金を残すと増えるという喜びを味わってもらうことです。
<実施するときのポイント>
・はじめる前にルールを説明(お小遣いで買うもの/親が買うものの区別など)
・お小遣いの金額はご近所相場の2倍にする(残すのに失敗しないため)
・お小遣いを使いきってしまう場合は管理する期間を短くする(毎月⇒毎週)
・お小遣いの使いみちに口出ししない(自分で管理させる)
お小遣いを始める時期は、お金に対して偏見がない6~8歳ころがおすすめだそうです。
倍になる点が理解できるか微妙ですが、小学校入学のときに始めると良いかもしれません。
倍返しのルールを理解し、お金を残せるようになったらありがとう返しも始めます。
ありがとう返し:役に立ったらお小遣いがもらえる(報酬制)
ありがとう返しはいわゆる報酬制です。
親がやってもらったらうれしいことを3つくらいリストアップして、価格設定をします。
ポイントは、子どもの労力ではなく親のありがたさを基準に価格設定することです。
自分がどのくらい大変かではなく、相手がどのくらい喜んだかで価値が決まることを伝えることができます。
ありがとう返しの報酬を渡すときは感謝を伝えましょう。
報酬を渡しているからやってもらって当然、という態度の大人になってほしくないですよね。
ゲームやテレビをやめない子には、報酬制の反対で延長料金を課すというアイデアがおもしろかったです。
たとえば、”ゲームは1日2時間まで”とルールを決めた上でもっとやりたいなら、
お金を払ってゲームをする時間を買います。
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『わが子が将来お金に困らない人になる「お小遣い」のルール』の次に読むなら?
『わが子が将来お金に困らない人になる「お小遣い」のルール』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『学力の経済学』
個人の成功体験ではなく、データに基づいた教育の知見がまとめられた本です。
科学的に効果のあるご褒美のあげ方や学力向上に影響するもの・しないものがわかります。
参考記事:『「学力」の経済学』の要約まとめ:データでわかる子育ての正解とは?
②『スマホ脳』
お金と同じくらい悩むのが、子どもとデジタル機器(スマホやタブレット)のつき合い方ですよね。
『スマホ脳』はデジタル社会が人間に与える影響をわかりやすく解説した本です。
長い時間かけて進化した脳はデジタル社会に適応していません。
スマホに脳がハック(攻略)されている現実を認識してつき合い方を考えましょう。
参考記事:『スマホ脳』の要約と感想:スマホやSNSの悪影響を改善するには?
③『サイコロジーオブマネー』
お金とつきあうマインドがわかる本です。親のお金に対する考え方がアップデートできます。
自分の感情と行動をコントロールし、長期・安定的に資産形成するための心構えを知ることができます。
紹介される事例が示唆深くて読みものとしても面白かったです。
参考記事:『サイコロジー・オブ・マネー』の要約:お金持ちになるには感情のコントロールが大切
まとめ:お金とのつきあい方は親が影響する
・親のお金に対する考え方が子どもの当たり前になる
・お金は感謝の対価であり、人の役に立つと増えるもの
・お金をコントロールできる人はお金を道具/手段とみなしている
・お金をコントロールできない人はお金を感情的に見ている
・お小遣いのあげ方次第でお金の教育につながる
・倍返し+ありがとう返しでお金の本来の意味を理解する
・倍返しでお金を残すと増える喜びが味わえる
・ありがとう返しで人から感謝されるとお金がもらえる体験ができる
この本を読まなかったら、何も考えずに定額制にするところでした。
どんなお小遣いのあげ方を選ぶかは最終的には親と子どもの対話次第ですが、
メリット/デメリットを理解しているかで大きく違いますよね。
お小遣い制度を始めようと考えている親御さんにおすすめの1冊です。
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