『共感という病』の要約:共感されない人をどうやって助けるか?【惻隠の情と社会規範】

『共感という病』の要約:共感されない人をどうやって助けるか?【惻隠の情と社会規範】

『共感という病』は共感の持つ負の側面を明らかにした本です。

共感したい人だけにスポットライトを当てることで他の人を排除してしまう、

共感を利用したマーケティングで共感疲労をしてしまう等、

”共感にどこか感じていた違和感”が言語化されます。

★『共感という病』の要約ポイント★

 

・共感はスポットライトが当たる人と当たらない人をつくる

 

・マーケティングで情動的共感を刺激されすぎると共感疲労になる

 

・共感されない人にも惻隠の情を抱ける人は感情の器が大きい

著者はNPO法人でテロリストの社会復帰や更生を支援している方。

ソマリアなど、自分が知らない紛争地域でのエピソードが聞けたのもよかったです。

 

石川優実さんと内田樹さんとのロング対談も収録されています。

 

内田樹さんの対談で出てくる惻隠の情の話が面白く、

倫理や道徳を考える上で一読の価値があると思います。

この記事では『共感という病』の要約を紹介します。

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『共感という病』の要約

『共感という病』の要約ポイントは次のとおりです。

★『共感という病』の要約ポイント★

 

・共感はスポットライトが当たる人と当たらない人をつくる

 

・マーケティングで情動的共感を刺激されすぎると共感疲労になる

 

・共感されない人にも惻隠の情を抱ける人は感情の器が大きい

1つずつ詳しく紹介します。

 

共感はスポットライトが当たる人と当たらない人をつくる

 

共感と聞いて、悪いイメージを浮かべる人は少ないと思います。

ただ、共感を誘うようなメッセージに少し違和感やうさん臭さを感じたことがある人もいるのではないでしょうか。

 

共感の負の面は主に次の2つあります。

・共感はスポットライトを当てること。光が当たらない人ができる。

 

・共感には嗜好性がある。

誰にでも等しく共感できるなら素晴らしいのですが、

多くの人はそこまで聖人ではありません。

 

共感を集めやすい人・集めにくい人の差はたしかに存在します。

 

たとえば、次の2人のどちらに共感しますか?

A:内戦で家族を亡くした8歳の女の子。今にも餓死しそう。

 

B:ギャンブルで自己破産してホームレスになった70歳男性。今にも餓死しそう。

多くの人がAの女の子に同情します。

Bの男性には「自分の責任でしょ」とさえ言うかもしれません。

でも餓死しようとしている状況は同じです。

 

Aの女の子はスポットライトが当たりやすく、

Bの男性はスポットライトがなかなか当たりません。

 

動物にも共感のスポットライトの当たりやすさはあって、

海外ではbig black dog問題が有名だそうです。

飼うのが大変、表情がわかりにくい、インスタ映えしない等の理由で、

大きくて黒い犬は保護されにくいのだとか。

 

黒猫も同じように敬遠されがちですし、

児童養護施設でも学童期より赤ちゃんのほうが里親が見つかりやすいと聞きます。

 

また、自分と同じコミュニティに属しているかも共感に大きく影響します。

今目の前の困難の度合いよりも、自分の仲間か・助けたい対象かが優先されてしまうのです。

 

共感したから助けたい!という善意はすばらしいものですし、リソースが限られるから優先順位をつける必要性もわかります。

 

しかし、「共感できるか・できないかで無意識に対象を差別していないか?」、

「共感できないからといって、その人の痛みを軽視していないか?」

自分に問いかける姿勢は大切です。

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マーケティングで情動的共感を刺激されすぎると共感疲労になる

 

率直に言って、共感はお金を集めるのに役立ちます。

 

その証拠に、”共感マーケティング”という言葉が流行っていますし、

SNSで多くの共感を集めればインフルエンサーとしてお金を稼げる世の中です。

 

情報の洪水の中で生きている人たちに商品やサービスを知ってもらおうと思えば、

わかりやすくシンプルに心を動かすメッセージを届ける必要があります。

 

その結果、単純化されたメッセージで情動的共感を揺さぶるような広告に溢れています。

 

共感には情動的共感と認知的共感があります。

情動的共感:他者の感情に同期する、無意識

 

認知的共感:推論する、理性的

情動的共感は感情を動かされるものであり、無意識に共感してしまうためオンとオフの切り分けが難しいです。

情動的共感を誘う情報を多く見せられていると、共感疲労が溜まってしまいます。

 

認知的共感は思考する必要があるので、脳に認知的負荷をかけます。

認知的負荷がかかる広告は読まずにスクロールされるでしょう。

・〇〇という背景により、〇〇と〇〇が原因で〇%の国民が飢えに苦しんでいます。

 

・8歳の〇〇ちゃんは1日1回しか食事ができず、4歳の平均体重しかありません。

複雑な背景を説明して、「なるほど、それなら支援が必要だ」と理解してもらうより、

情動的共感を呼びやすい対象を全面に出したほうが手っ取り早いのです。

 

だからと言って、すべての情動的共感を狙った広告が悪いとは思いません。

お金を集めないと活動できないのは事実です。

 

ただ、お金集めが目的になっていないか、

メッセージが単純化されすぎて本当に伝えたいことがズレていないかは、

メッセージを発する側も受け取る側も距離を置いて考えたいと感じました。

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共感されない人にも惻隠の情を抱ける人は感情の器が大きい

 

内田樹さん(フランス文学者、思想家)との対談が掲載されており、

共感されやすい人とされにくい人がいるときに共感されにくい人を誰が助けるのか?

という話題で孟子の惻隠(そくいん)の情が出てきます。

惻隠の情:相手を思いやる心

『共感という病』の中では、”子どもが井戸に落ちそうなときについ手が出てしまうこと”と表現されていました。

頭で助けるべきかと考える前に、とっさに体が動いてしまう。

内田さんは、”惻隠の情は先天的なものであり、身体能力みたいなもの”だと言います。

 

惻隠の情には発動条件が2つあります。

・自分より弱者であること

 

・自分の力で助けられそうなこと

共感されにくい人は、惻隠の情の発動条件から外れていることが多いです。

 

たとえば犯罪の加害者を支援しようと考えても、

自分より弱者とは思えない、自分の手には負えそうもないと思ってしまいます。

 

”感情の器が大きい”人は、たとえがっしりした体型の強面の男性でも、

弱者の部分を見出して助けたいと思うことができます。

 

しかし、それは先天的なものなので、全員に強いるものではありません。

 

だから惻隠の情がわきにくくて支援の手から漏れてしまう人は、

宗教や倫理規範など外から持ってきた倫理で助けるのが現実的です。

 

”惻隠の情が生まれつきのものである”という考えは、

あるカテゴリーの人に共感できない自分を責めなくて済みます。

 

そういう人は助けなくて良いのではなく、社会規範や法で助ければよいのです。

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『共感という病』を無料で読む方法

 

『共感という病』は耳で聴けるオーディオブックがあります。

 

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『共感という病』の次に読むなら?おすすめの本3選

 

『共感という病』とあわせて読みたい2冊を紹介します。

①『マイノリティデザイン』

 

弱さを社会の伸びしろと捉えて生かす社会つくりがテーマの本です。

マイノリティデザインとは、弱さと誰かの強さを組み合わせること。

 

マイノリティの困りごとに寄り添ってニーズを発見することで、

マイノリティに留まらず、社会を便利に快適にするアイディアが生まれます。

参考記事:『マイノリティデザイン』の要約:弱さは誰かの強さを引き出す力である

 

②『ケーキの切れない非行少年たち』

 

認知のゆがみが非行の原因になっていることを指摘した、精神科医の著作です。

 

認知トレーニングをすることでゆがみを改善でき、

それは非行に走っていないけれど軽度の知的障害を持つ人にも役立ちます。

参考記事:『ケーキの切れない非行少年たち』の要約と感想:認知機能のゆがみの早期発見が重要

 

③『Compassion(コンパッション)』

 

コンパッション(慈悲)は他者のために感じること、自分自身と相手と共にいる力。

他者と協力して生きていくために、人間に本能的に備わっている力です。

 

しかし、現代はスピード重視、デジタル機器で注意力が奪われる等によって、

意識しないとコンパッションは弱まってしまいます。

 

コンパッションを発揮して、他者の弱さもありのまま受け止めると、

より生きやすい社会のためにどうすればいいか見えてきそうです。

参考記事:『Compassion(コンパッション)』の要約:自分自身や相手と共にいる力

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まとめ:過度な共感は差別になるリスクがある

・共感を集めやすい人と集めにくい人が存在する

 

・今いかに困っているかよりも、自分の仲間か/共感しやすいかを重視してしまう

 

・共感を集めることはお金になりやすい

 

・広告では情動的共感を集める単純化されたメッセージが多く使われる

 

・惻隠の情は他者を思いやる気持ちであり、生まれつきの感覚である

 

・惻隠の情が発動しにくい人は宗教的な倫理や社会制度で助ける

最近読んだ本の中で、1番読後に考えさせられる本でした。

 

紛争地域のエピソードも興味深くて、

いかに自分が何も知らずに平和な国で生きているかがわかります。

 

内田樹さんの対談は3回読みました!

みなさんも読んでみて、そして考えてみてくださいね。

 

★今回紹介した本★

 

 

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