『モンク思考』は、モンク思考にいたるための3つのステップが紹介されています。
モンク思考はエゴや不安・恐怖、こうあるべきという思考から自由になり、
安らぎと落ち着きをもたらす僧侶の思考です。
(モンクとは僧侶のこと)
【『モンク思考』がおすすめの人】
・ネガティブな感情に振り回されたくない
・なんとなく幸せでない、自分の人生はこれでいいのか?と疑問だ
・いつも忙しくて急き立てられている気がする
『モンク思考』を読むと、
自分を幸せにする、自分の人生で喜びをもっと感じる思考がわかります。
<モンク思考に至る3つのステップ>
1:手放す 他人から見た自分、ネガティブな感情、恐怖などを手放す
2:成長する 自分のダルマを知る、ルーティンを活用して没入する
3:与える 感謝や奉仕は自分の人生を満たす
著者は元僧侶で、ロンドン大学からインドのアシュラム(僧院)で修行したそうです。
随所に挿入されたアシュラムでのエピソードが新しい世界を覗かせてくれました。
ただスピリチュアルな本ではなく、エピソードのおもしろさと客観的な説明のバランスが取れていると感じました。
この記事では、モンク思考に至る3つのステップを要約して紹介します。
目次
『モンク思考』に至る3つのステップ
僧侶の考え方、モンク思考に至るためには3つのステップがあります。
<モンク思考に至る3つのステップ>
1:手放す 他人から見た自分、ネガティブな感情、恐怖などを手放す
2:成長する 自分のダルマを知る、ルーティンを活用して没入する
3:与える 感謝や奉仕は自分の人生を満たす
『モンク思考』の要約:手放す
”手放す”は、自分の成長を妨げているものを取り除くステージです。
いつの間にか信じている価値観や執着、恐怖などを手放せば、
結果ではなく目的を意識して生きることができます。
手放すものは他人から見た自分、恐怖、ネガティブな感情などです。
何かの考えが浮かんできたら、必ず自分に尋ねる。「この考えは僕の価値観を映し出しているのか、それとも、誰かが僕のために選んだ価値観を映し出しているのか?今、僕は鏡に積もった埃を見ているのか、それとも自分自身を見ているのか?」 p.66
自分の価値観がどこから来ているのかを振り返り、
他人に借りてきたものなのか自分が本当に大切にしたい価値観なのかを確認します。
そして、自分の価値観に合わないネガティブな感情と距離を取ります。
自分の内側から湧き出る怒りや妬みなどの感情は、
見つける・止まる・切り替えるというプロセスが有効です。
まず、今この瞬間に自分の中に生じている思考なり、問題点なりに気づく-見つける。次に、一時停止して、問題の正体や原因について考える-止まる。最後に、反応の仕方を修正する-つまり、問題の処理方法を切り替える。見つける、止まる、切り替える。 p.89~90
ネガティブな感情は恐怖から生まれるので、特に恐怖に対する対処法を修正することで、
ネガティブな感情が減らせるでしょう。
人はつい恐怖の言いなりになりがちだ。でも、恐怖そのものはじつは恐くない。ほんとうに恐いのは、僕らが恐れ方を間違うことだ。恐怖が差し出しているチャンスを逃すことのほうが、よっぽど恐い。 p.118
新しいチャレンジはいつも少し怖いですよね。
単に恐怖を遠ざけるだけでなく、恐怖から学ぶ・恐怖をある種の指標や直感的なアドバイスとして活用する視点が面白かったです。
『モンク思考』の要約:成長する
”成長する”のステージは、自分のダルマを見つけて打ち込む段階です。
『モンク思考』では次の方程式で表現されています。
情熱 + 専門的能力 + 有用性 = ダルマ (p.195)
ダルマは自分が好きで得意で情熱があること、かつ、他人の役に立つこと。
いろいろな経験をして、
自分はそのプロセスが楽しめたか/ワクワクしたか?/またやりたいか?
等と問いかけます。
やってみて向いていないのと、やる前から向いていないと決めつけるのは大違いです。
ダルマを見つけるヒントとして、
『モンク思考』にはヴェーダ式パーソナリティ・テストが載っています。
巻末の20の質問に答えて、
自分のパーソナリティが4つのどのタイプに近いか判定できるテストです。
(リーダー/ガイド/クリエイター/メーカー)
ガラリと仕事を変えなくても、今の自分の生活の中で”ダルマを試運転”してみましょう。
ガイド的な役割(教えたりサポートしたり)を引き受けてみるなど。
そして、ダルマに集中して打ち込むためには時間と場所の力を利用します。
場所にはエネルギーが、時間には記憶がある。
毎日同じ時間に同じことをすると、楽に、自然にできるようになる。
毎日同じ場所で同じことをすると、楽に、自然にできるようになる。 p.272
簡単に言えばルーティン化するということですが、
単なる習慣化以上に集中力や創造性を高めてくれることを知りました。
場所のエネルギーと時間の記憶という安定した支えを得ることで、僕らは、よそ見もせず、いらだちもせず、今という瞬間と完全に向き合えるようになる。 p.279
『モンク思考』の要約:与える
”手放す”と”成長する”で自分の心を鍛えたら、他者に与える段階に進めます。
『モンク思考』では奉仕を中心に生きることが意味のある人生にすること、
人生の質を上げることにつながると述べられています。
人生の質を向上させる秘訣は奉仕だ。ついていない日に、奉仕はきみの救いになる。肩の荷を軽くしてくれる。奉仕は他者のためにも自分のためにもなる。奉仕は見返りを期待しない行為でありながら、喜びという報酬が手に入る。奉仕は愛をやりとりすることだからだ。 p.492
ちょっとした人助けをすると、その後しばらく良い気分だったことはありませんか?
逆に、声をかけようか迷って何もしなかったとき、
ずっとモヤモヤしたことはありませんか?
他者を助けることで自分も救われる、のはわかりますが、
「時間がない」、「余裕がない」と後回しにしがち。
奉仕は他人のために時間やお金を使う余裕がある人がするもの、
という考えは改めたほうが良さそうです。
僧侶は奉仕を人生の中心に据えている。だから、僕らがその僧侶の意義、モンク・マインドをもって生きることは、究極的に奉仕を意味する。(中略)僕らは、訪れた場所を来たときよりきれいにして去りたい。人々を、会ったときより幸せにしたい。世界を、生まれたときよりよい場所にしたい。 p.471~472
自分が生きたことで社会の幸せの総量を増やせたら素敵ですね。
『モンク思考』のオーディオブック
『モンク思考』は耳で聴けるオーディオブックがあります。
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『モンク思考』の感想:心に残ったポイント
『モンク思考』を読んで、個人的に心に残ったポイントを紹介します。
頭の中でどんなに自分の価値観だと考えていても、現実は行動に現れる。その人の時間の使い方は、その人の価値観を物語っている。 p.53
意図を実現するということは、ふるまいの隅々にまで、その意図を行き渡らせるということだ。 p.168
頭の中でどんなにすばらしいことを考えていても、行動しないと意味がない。
政治家やリーダーについて、言葉より行動がその人の本当の姿といいますよね。
(叱るときに・・・)
心は僕らの道具であって、僕らの本質ではない。僕らはマインドという道具を使って、どんなものでハートをときめかせるかを決めている。 p.49
人間の思考は心という空を流れ過ぎる雲にすぎないが、「自分」は太陽のように、いつも存在している。つまり、自分と心は別のものということだ。 p.288
自分と心を切り離すという考え方は新鮮でした。
自分の心のいろいろな声をキャッチして観察することで、
心に入る刺激にどう反応するかを主体的に選ぶことができます。
冷静に観察できそうです。
『モンク思考』の次に読むなら?おすすめ本3選
『モンク思考』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『反応しない練習』
仏教的なメタ認知の方法を教えてくれるのが『反応しない練習』です。
特に承認欲求に支配されているとき、悩み事があるとき、
自分の心をどう見つめればよいかがわかります。
参考記事:『反応しない練習』の要約まとめ:悩みの原因は心の反応である【ブッダの合理的解決策】
②『Compassion(コンパッション)』
コンパッション(慈悲)は他者のために感じること、自分自身と相手と共にいる力。
他者と協力して生きていくために、人間に本能的に備わっている力です。
しかし、現代はスピード重視、デジタル機器で注意力が奪われる等によって、
意識しないとコンパッションは弱まってしまいます。
参考記事:『Compassion(コンパッション)』の要約:自分自身や相手と共にいる力
③『セルフトークマネジメント入門』
セルフトークとは感情や行動を支配するひとり言のこと。
ネガティブな感情の対処法(気づく・立ち止まる・切り替える)が、
セルフトークの観点からわかります。
参考記事:セルフトークとは何か&活用方法がわかる!『セルフトークマネジメント入門』の要約まとめ
まとめ:『モンク思考』で人生の質を高める
・モンク思考とは僧侶の心
・他人から見た自分、ネガティブな感情、恐怖などを手放す
・ネガティブな感情の対処法は気づく・立ち止まる・切り替える
・自分のダルマ(得意+好き+役に立つ)を見つけて打ち込む
・場所のエネルギーと時間の記憶を活用して没入する
・奉仕を人生の中心に置くと自分も他者も幸せになる
アシュラム(僧院)でのエピソードが示唆に富んでいて、
生き方や価値観に対する視野が広がる本です。
奉仕を人生の中心に置く生き方は今の生活と違い過ぎて戸惑いがありますが、
人のために時間やお金を使う機会を自分のために持つ意味がある、と感じました。
また読み返したい本でした。
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