【要約】ファクトフルネスの意味とは?批判も多いが読むべきベストセラー

【要約】ファクトフルネスの意味とは?批判も多いが読むべきベストセラー

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『ファクトフルネス』は100万部超え、2020年年間ベストセラー1位の本。

1度は読もうと思ったけど、

分厚さに敬遠している人もいるのではないでしょうか。

 

ファクトフルネスとは事実を元に正しく世界を理解するという意味です。

 

正しく世界を見ているつもりでも、

人間の本能が見せ方を歪ませているかもしれません。

 

「自分は客観的に事実を見て判断できる!」と自信がある人ほど、

読んでみてほしい本です。

 

ベストセラーゆえに批判の声も多く見かけますが、それでも一読をおすすめします。

 

本の内容を鵜呑みせず、

事実を調べようとする姿勢もまたファクトフルネスかもしれません。

 

この記事では『ファクトフルネス』の意味と要約、よくある批判を紹介します。

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『ファクトフルネス』の著者

『ファクトフルネス』の著者は医師のハンス・ロスリングさん。

正確には息子さん夫婦と3人での共著です。

 

スウェーデンで国境なき医師団を立ち上げた他、公衆衛生学の教授でもあります。

 

この本の執筆中に亡くなり、息子さん夫婦が『ファクトフルネス』を完成させました。

亡くなったことを知らずに読んでいたので、

あとがきがとにかく泣けます・・・

 

TEDのプレゼンテーションでも有名なので、気になる方は一度観てみてくださいね。

『ファクトフルネス』の意味

ファクトフルネスとは著者の造語です。

ファクトフルネス:事実を元に正しく世界を理解する

 

事実を元に理解する、というのは当たり前に思えるかもしれません。

 

しかし、著者がファクトフルネスの姿勢を持とう!と訴えかけるほど、

人は事実を元に判断しておらず、世界に対して誤った認識を持っているのです。

 

誤った認識を持ってしまうのは、10の思い込みがあるから。

 

『ファクトフルネス』では、人間にはどんな思い込みがあるのかを

エピソードやグラフを交えて紹介しています。

『ファクトフルネス』の要約

★『ファクトフルネス』の要約★

 

本能が好むドラマチックな世界の見方では世界が正確に理解できない

 

⇒ファクトフルネスになろう、本能の罠に気を付けて事実を見よう

 

『ファクトフルネス』では、人間が持っている本能に注意して世界を見ることをすすめています。

取り上げられている10の思い込みは次のとおりです。(各章の見出しになっています)

分断本能/ネガティブ本能/直線本能/恐怖本能/過大視本能/

 

パターン化本能/宿命本能/単純化本能/犯人捜し本能/焦り本能

どれも人間が持っているバイアスや判断を誤りやすい状況です。

この中から分断本能過大視本能を紹介します。

 

分断本能:「世界は分断されている」という思い込み

 

分断本能は、2項対立で物事を考えてしまう本能です。

 

2項対立はわかりやすく、こちら側とあちら側の分断を作ります。

 

でも本当にあちら側があるのか?と考えてみましょう。

あちら側にはほとんど誰もいないこともあります。

 

<分断の例>

 

先進国と発展途上国、富裕層と貧困層、西側と東側、雇用主と被雇用者など

 

分断本能に従うと、こちら側が先進国ならあちら側は発展途上国です。

栄養失調でガリガリの赤ちゃんや安全な水がないアフリカ地域が連想されます。

 

でも、実際に極度の貧困状態の人口は減っていて、

こちら側と対比させるくらいのあちら側はいません。

 

たしかに極度の貧困に苦しんでいる人はいますが、

低所得でも職に就いている人、予防接種など医療をきちんと受けられている人が大半です。

 

先進国かそれ以外かではなく、実際にはいろいろな貧困レベルの人がいます。

そもそもどこまでが先進国かもあいまいです。

 

中間層をまるごとすっ飛ばして単純化すると、

世界の大多数が生きるか死ぬかの状態にいるような気になってしまいます。

 

ただ、世界の貧困は改善しているとはいえ、まだ貧困な人がいるのは事実です。

その人たちが少数だから無視して良いわけではありません。

 

極度の貧困がまだ存在することを無視してはいけないのと同様、

だんだん状況が改善していることも無視してはいけないということです。

 

『ファクトフルネス』では”「悪い」と「良くなっている」は両立する”(p.89)と表現されています。

何かが「良くなっている」と聞くと、「大丈夫だから、心配しないで」とか「目をそらしてもいい」と言われている気になる。しかし、わたしは「世界は良くなっている」とは言っているが、「世界について心配する必要はない」と言ってはいない。もちろん、「世界の大問題に、目を向ける必要がない」と言っているわけでもない。「悪い」と「良くなっている」は両立する。 p.90

著者は国境なき医師団を立ち上げたくらいですから、

貧困をなくす必要性は強く感じているはず。

 

それでも「良くなっている」という事実は受け止めよう、

事実以上に悲観的になる必要はないということです。

 

 

もっと身近な例で考えても、世の中は分断思考に溢れています。

 

持ち家と賃貸はどっちがお得か・都会と地方はどちらに住むと幸せかなど

対立構造を作ると自然と自分はどちら側かを考えますよね。

 

でも実際には単純に2分できないはずです。

 

新築を購入するのか代々受け継いだ持ち家なのかも違えば、賃貸料にもよりますよね。

博多や札幌など地方の大都市は地方なのか都会なのか?など全然事情は異なります。

 

でも単純な分断のほうが人の興味をそそるし、

メディアも番組やニュースを作りやすいです。

”個々の状況によって最適な選択は違います”よりも、

”持ち家を買うなんてバカだ!”みたいなタイトルが付けたいんですね。

 

分断思考に陥らないためには、

大半の人が実際にどこにいるのかを確認する”(p.59)のが大切です。

 

自分がパッとイメージしたあちら側の人は本当に実在するのか?

それは全体のごく一部なのではないか?と疑問を持つことで、

分断思考から抜け出すことができます。

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過大視本能:「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み

 

過大視本能は、ひとつの事例や数字だけを重要視し過ぎてしまうことです。

 

自分の経験したこと、目の前で起きていること、今持っている数字を過大評価し、

判断を誤ってしまいます。

 

過大視本能の章では、

著者がモザンビークで子どもの診療をしていた頃のエピソードが紹介されています。

 

地域全体で亡くなった子どもの数と病院で死亡した子どもの数を比べて、

病院での治療に専念するだけでは1.3%の子どもしか診療できないことに気づいたそうです。

 

98.7%の子どもを救うため、

目の前の病気の子どもより地域の衛生環境の整備に労力を割いたという話。

顔が見える患者や被害者に集中しすぎて、数字を無視するようではいけない。問題全体から見れば氷山の一角に過ぎない部分に、時間や労力を使い切ってしまうと、助かるはずの命も助からないだろう。なにもかもが限られた状態では、特にそうだ。 p.166

 

なんとも厳しい選択ですね・・・

 

10の思い込みから過大視本能を選んだのは、

多くの人にとってだんだん世界が狭くなっていると感じたからです。

 

リアルなイベントは減り、在宅勤務が浸透して、

もちろん良いこともありますが日常の新しい体験は減りました。

 

インターネットは世界を広げると思いきや、

意識するとしないとにかかわらず、自分の好みに合った情報ばかりが出てきます。

 

自分がたくさんのことを知っている・経験していると感じるのは過大視本能の第一歩。

知っている部分はほんの一部かもしれないし、たまたま知っただけかもしれません。

 

ほんとうに自分が得た情報が全体像を正しく表しているのかを比較検討する必要があります。

『ファクトフルネス』のオーディオブック

 

『ファクトフルネス』は耳で聴けるオーディオブックがあります。

 

『ファクトフルネス』は聞き放題対象外ですが、

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『ファクトフルネス』のよくある批判

『ファクトフルネス』は世界の見方に気づきを与えてくれる本です。

個人的には、ベストセラーになるのもうなづけました。

 

ただ、ベストセラーの宿命というべきか、批判的な意見もよく見かけます。

よく見かける2つの批判について考えてみました。

 

批判1:何をもって世界が良くなっているか?は個人の価値観による

特に多いのは、「”世界が良くなっている”の良い/悪いの定義があいまいだ」という批判でした。

 

第2章のネガティブ本能は、

多くの人は”世界はどんどん悪くなっている”と感じているが、

実際には”世界はどんどん良くなっている”という内容です。

 

どんどん良くなっている根拠は、

・極度の貧困率が下がっていること

・世界の平均寿命が延びていること

・32分野の発展(増え続けている16の良いことと減り続けている16の悪いこと)

の3つです。

 

特に32の分野について、

何を持って良い/悪いかは人によって違うというのが批判の内容です。

特に日本には死刑があるので、

死刑制度がある国が減っている=良くなっているに違和感がある人もいるでしょう。

 

『ファクトフルネス』はたくさんのデータを引用しているため、

ウェブで脚注が公開されています。

 

”死刑制度がある国が減っている=良くなっている”は国連の世界人権宣言が根拠だそうです。

参考>>『ファクトフルネス』ウェブ脚注 (chibicode.com)

 

世界が良くなっている理由に納得できない人は、

「これなら世界が良くなっていると言える」という指標を考えてみるのはどうでしょうか?

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批判2:ポジティブな面に目を向けすぎている

次によく見かけるのは、世界のポジティブな面に目を向けすぎているという批判です。

 

たしかに、世界をどんな切り口で見るかによって、

ポジティブなこともネガティブなこともいえます。

 

たとえば、インターネットの発展によって世界は良くなったのか、

便利になった点と新たに生まれた問題点をどう比較するかは難しいですね。

 

ただ、ポジティブなことはニュースになりにくいことから、

『ファクトフルネス』が世界の着実な進歩を伝えることには意味があると感じました。

コーチングの研修で聞いた話では、

ポジティブなフィードバックはネガティブなフィードバックの3倍でちょうどいいそうです。

 

見落としがちなポジティブな視点を提供していることは

『ファクトフルネス』の良い点だと思います。

 

『ファクトフルネス』は「世界の平均寿命は70歳なんだって!」と自慢げに話すための本ではなく、思い込みに意識的になって世界を正しく認識するのをすすめる本です。

 

建設的な批判ならむしろ歓迎なのではないでしょうか。

違和感があるところはウェブ脚注にも当たってみるとよいです。

ウェブ脚注がある本を初めて知りました。

さらに知りたい人に情報提供しようとする姿勢が

すばらしくないですか?

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まとめ:『ファクトフルネス』を読もう!

・ファクトフルネスとは事実を元に正しく世界を理解すること

 

・10の思い込みが世界の認識を歪ませている

 

・分断本能は分かりやすい2項対立を作るが、実際には2分されていないことが多い

 

・「悪い」と「良くなっている」は両立する

 

・過大視本能は身近な例や大きな数字一つで判断してしまうこと

 

・違和感がある部分はウェブ脚注でさらに情報収集できる

 

・ポジティブなことは強調するくらいでちょうどいい

著者が医師や教授として訪れた世界中のエピソードが満載で、本の内容もさることながら、

自分が世界について何も知らないこと・恵まれた環境で暮らしていることがわかりました。

 

知ろうとすることは義務であり、知らないことは怠慢である、と

自分の心に刻みます。

 

みなさんもぜひ読んでみてくださいね!

 

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