『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』の要約まとめ:他人を動かすには?

事実はなぜ人の意見を変えられないのか

『事実はなぜ人の意見を変えられないのか 説得力と影響力の科学』

人をどう動かすのに効果的な要素をさまざまな実験で明らかにした本。

著者は認知神経科学者の女性です。

 

あなたが営業職なら「お客様に商品を買ってほしい」と思うかもしれないし、

チームリーダーならメンバーに成果を上げてほしいと思うかもしれません。

 

子どもに勉強させたい、夫に禁煙させたい等、

他人の意見を変えたいと思うことは誰にでもありますよね。

 

他人の意見や行動を変えたいときに客観的な事実がいかに無力であるか、

そして感情や周囲の状況のほうがはるかに影響を与えていることがよくわかります。

 

★『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』の要約ポイント★

 

・事実は事前の信念を強化するだけ

 

・相手の現実を理解して感情に働きかける

 

・主体性/好奇心/ポジティブな感情で人を動かす

つい理詰めで説明したくなってしまう人はぜひ読んでほしい本です。

 

「なんで理路整然と話しているのに伝わらないんだ?」と思った人は、

その理由がわかると思いますよ。

 

この記事では、『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』の要約と感想を紹介します。

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『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』の要約

『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』のポイントは3つあります。

★『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』の要約ポイント★

 

・事実は事前の信念を強化するだけ

 

・相手の現実を理解して感情に働きかける

 

・主体性/好奇心/ポジティブな感情で人を動かす

1つずつくわしく紹介します。

 

要約ポイント1:事実は事前の信念を強化するだけ

 

事前の信念とは、すでに信じていること・変えたいと思っている意見のことです。

 

事実を提示して他人の意見を変えようと思っても、

その事実は無視されるか、事前の信念をさらに強める材料として使われます。

 

いわゆる確証バイアスですね。

 

確証バイアス:自分に賛成する意見ばかりを収集し、反対意見を無視・軽視する

 

事前の信念と反する事実だとしても、

事実の信ぴょう性を疑うことでますます頑なに信じてしまいます。(ブーメラン効果)

Aに反するBというデータを提示されれば、

「Aを貶めるために捏造されたに違いない!」という具合です。

 

アメリカ人とフランス人の夫婦が「どちらの国で子育てすべきか?」で

対立する例がおもしろかったです。

 

アメリカ人の夫がアメリカで子育てする素晴らしさを力説すればするほど、

フランス人の妻はフランスで子育てすべき新しい理由をどんどん思いつきます。

 

夫の説得が、妻をよりクリエイティブにしているのです。

要約ポイント2:相手の現実を理解して感情に働きかける

 

相手の意見を変えられるのは、事実ではなく感情。

人を説得する場面では、自分の前提知識や思い込みを元に説得しがちです。

 

相手がどういう気持ちでその意見を言っているのか、

今の精神状態や周囲の状況が意見に影響を与えていないか等を確認する必要があります。

 

”「自分の現実」から「相手の現実」にリープする(p.179)”と表現されています。

(リープ(leap)は跳ぶという意味)

 

相手の意見を否定するのではなく、

共通点に立ち戻って新しい第三の案を提案するほうが効果的です。

 

例えばアメリカ人とフランス人の夫婦なら、

”環境が整ったところで子どもを育てたい”という共通点なら同意できます。

 

客観的事実よりも感情が優先するので、感情に訴えかける伝え方が大切です。

具体的には主体性/好奇心/ポジティブな感情を利用します。

 

要約ポイント3:主体性/好奇心/ポジティブな感情で人を動かす

人が行動したくなる感情として、

主体性/好奇心/ポジティブな感情が挙げられています。

主体性     :自分でコントロールできると感じる

 

好奇心     :知識のギャップを埋めたい

 

ポジティブな感情:ワクワクした未来

 

主体性

主体性が感じられると人は幸福を感じやすいです。

だから、主体性がなくなると感じる行動を取りたがりません。

 

たとえば、投資成績が悪くなるとわかっていても自分で銘柄を選びたい投資家がいたり、使い道を選べない納税に苦痛を感じてしまいます。

 

好奇心

好奇心は知識のギャップを埋めようとする感情です。

 

人は情報に対して水や食べ物と同じくらい興奮するので、

自分が知らないことがあるとそれを知るために行動を起こしたくなります。

 

ただし、知りたい情報が悪い情報の場合は行動しないケースもあります。

 

たとえばがん検診を受けたくない人は、

”自分は健康である”と信じる選択肢を失う不安が行動を止めていることが多いそうです。

 

ポジティブな感情

ポジティブな感情は、良い結果が予期できるように伝えると他人を動かしやすいということ。

 

「〇〇しないと、〇〇するぞ」という脅しや罰より、

「〇〇すれば、〇〇できるよ」という励ましや報酬のほうが効果的です。

 

ただし、行動しないでほしいときはネガティブな感情に訴えかけるほうが有効。

危険=ストップという本能がそうさせるようです。

 

『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』で心に残ったポイント

 

『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』は実験結果や興味深い事象がたくさん載っていて、人間の判断の不合理さ、いかに感情や他人に左右されているかがわかります。

 

面白かった実験を1つ紹介します。

『第3章 快楽で動かし、恐怖で凍り付かせる』で紹介されている事例です。

【病院の手洗い実施率を上げるには?】

 

手洗い場に監視カメラを設置しただけでは効果なし。

 

しかし、電光掲示板で「よくできました!」等とポジティブなフィードバックを返したり、他人がどのくらい手洗いしたかをスコア化して見えるようにしたりしたら大幅に改善したそうです。

 

行動を促すにはポジティブな感情を刺激すると良いのは要約でも触れましたが、

この事例ではさらに即時性も加わっています。

 

即時性とは、すぐに結果が返ってくることです。

手洗いの事例でいえば、手洗いをしたらすぐに電光掲示板にメッセージが表示されます。

 

未来が不確かなほど、未来のために行動させるのが難しくなります。

 

手洗いしないと病気が蔓延するかもしれない、という未来のネガティブな不安より、

今手洗いすると電光掲示板にメッセージが出る、という確実な報酬のほうが人を行動させるのです。

 

だからこそ、いつか重大な損失を被るぞと脅すよりも、ささやかでも確かな報酬をただちに与える方が効果的なこともあるのだろう。たとえその警告が差し迫っていたとしても(具体的なお仕置きや否定的なフィードバックなど)、ご褒美が今すぐ必ずもらえるという約束にはかなわない。

なぜなら脳のゴー回路は、快楽と行動を結びつけているからだ。 p.95

 

病気の蔓延と電光掲示板のメッセージは軽重が全然違うはずなのに、

人間の行動はおもしろいですよね。

 

客観的事実は無視する=だから人間は愚かだというわけではなく、

人間の心や脳の働きを深く理解して生きやすくしようというスタンスの本です。

 

著者の人間に対する興味がひしひしと伝わってきました。

系統としては、『予想通りに不合理』と似ていると思います。

参考記事:『予想どおりに不合理』の要約・感想:行動経済学のはじめの一歩に最適!

 

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まとめ:事実で説得しても人は行動しない

・事実は事前の信念を強化するだけで人を変えることはできない

 

・相手の現実を踏まえて伝え方を考える

 

・主体性/好奇心/ポジティブな感情で人は行動する

 

・ポジティブな感情はゴー反応、ネガティブな感情はノーゴー反応を引き出す

 

・即時に報酬がもらえるのは強力。不確かな未来のために人は動きにくい

紹介した以外にも、集団の答えの精度を上げるにはどこに注意したらよいか、

人の脳に直接電気信号を送って考えを変えられるのか等、

おもしろいテーマが載っていました。

 

他人を説得する場面が多い人はもちろん、心理学に興味がある人にもおすすめです。

 

★今回紹介した本★

 

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