『THINK BIGGER 「最高の発想」を生む方法』は、新しい選択肢を生み出す方法がわかる本。
著者は『選択の科学』で有名なシーナ・アイエンガーさん。THINK BIGGERとは、もっと大きく考える・大胆に発想するという意味です。
イノベーションを起こすには、成功事例から有用な部分を抜き出して新しく組み合わせること、そして、どのアイデアに追求する価値があるのかを判断することが重要です。
★ 『THINK BIGGER 「最高の発想」を生む方法』 の要約ポイント★
・発明とは見抜き、選択すること
・THINK BIGGERの6ステップ
課題の定義に十分に時間をかけること、業界内外から成功事例を集めることの大切さが心に残りました。発明やイノベーションというと大げさに聞こえるかもしれませんが、日常の課題解決にも使えそうです。
この記事では 『THINK BIGGER 「最高の発想」を生む方法』 の要約を紹介します。
目次
要約①:発明とは見抜き、選択すること
偉大なことは良いアイデアとそれを実現する努力で達成されます。
良いアイデアは天才のひらめきと思われがちですが、要素の組み合わせが新しいのです。自由の女神はさまざまな作品の要素を組み合わせて作られました。人間はまったくのゼロから発想するのではなく、既存のものを戦略的に模倣してイノベーションを起こします。
戦略的模倣:成功事例から有用な部分を抜き出して、新しく組み合わせる
どの部分が有用なのかを見抜き、選択することで、良いアイデアが生まれます。
ちなみに、この本で定義されているイノベーションとは、次のとおりです。
イノベーションとは、複雑な課題を解決するための古いアイデアの新規かつ有用な組み合わせである。
戦略的模倣では、成功事例を集めて有用な部分を抽出します。「失敗から学ぶ」というのは多くの本で言われていることですが、それよりも成功事例に乗っかって成功確率を高めましょう、というのがこの本の主張です。
たとえば、もし無人島で生き延びるとしたらどちらがほしいでしょうか。
・500種類の毒キノコ図鑑
・10種類の食用キノコガイドブック
毒キノコ図鑑を見ても、食べられるキノコはわかりません。失敗事例を見ても失敗しない方法しかわからず、成功する方法はわからないのです。だから、成功事例を戦略的に模倣することがイノベーションを起こすポイントです。
要約②:THINK BIGGERの6ステップ
THINK BIGGER方式で発想するには、次の6ステップがあります。
ステップ1:課題を選ぶ
ステップ2:課題を分解する
ステップ3:望みを比較する
ステップ4:箱の中と外を探す
ステップ5:選択マップ
ステップ6:第三の眼
ざっくりと説明すると、まず課題の定義が重要です。失敗の多くは間違った問題を解こうとして起こっています。
そして、課題をサブ課題に分解し、あなた/課題のターゲット/外部関係者がそれぞれ何を望んでいるか、解決策の判断基準を解決策より先に決めておきます。
次に、領域内外から成功事例を集め、選択マップでいろいろな要素を組み合わせる。最後は第三の眼で、他人からこのアイデアがどう見えるかをチェックします。
特に重要だと感じたポイントを紹介します。
課題を選ぶ
研究によると、多くの企業の意思決定が間違った課題を解決しようとして失敗しています。課題はわかりきっているものとして解決策のほうに時間を使ってしまいがちです。
課題の選択の重要性は、アインシュタインの名言にも残っています。
問題を解決する時間が1時間あったら、問題を考えるのに55分、解決策を考えるのに5分費やしたい。
THINK BIGGERでは、課題を選択するために時間をかけます。
まず、1週間毎日違う時間に、次の質問の答えを書き留めておきます。
・あなたの毎日に起こる、解決したい課題はなんだろう?その日に起こった、最も腹立たしく、最も解決が待たれる課題は?
・あなたの関心のあるテーマやくわしく知りたいテーマはなんだろう?
・毎日の生活であなたが一番大切にしていることはなんだろう?
書き溜めたものを眺めて、やる気のもてそうな課題を選びます。どういった課題なのか、なぜ解決したいのかを3文以内で紙に書いてまとめます。
さらに、課題のサイズが適切か見極めるため、階層分析をします。階層を上げたり下げたりして、やる気と興味と情熱を持ち続けられて、かつ、実際に解決できる課題を定義しましょう。
(例)
階層UP
・環境に害をなすあらゆるものを減らすには?
・あらゆる汚染をなくすには?
・プラスチック汚染をなくすには?
・使い捨てレジ袋を減らすには?
・この地域の使い捨てレジ袋を減らすには?
階層DOWN
仕上げに、3~5分で説明する練習をして、25人に聞いてもらいます。説明をするうちに、使う表現が変わっていったり課題を新たな側面から理解できたりするでしょう。また、説明をする中で「もうめんどくさい、飽きた」と感じるのか、「もっと情熱が湧いてきた」と感じるのかで、本気で解決したいと思っているかもわかります。
第三の眼
第三の眼では、このアイデアは追求する価値があるのか?を検証します。
まずは自分にアイデアを語って聞かせてみましょう。実際に口に出すことで、さらに思考が深まります。
発話は創造の行為だ。言おうとしていることが脳から口に伝わる間に、あなたはそれを言う新しい方法を見つける。そして、自分の言っていることを耳で聞くと、それが最初に言おうと思っていた内容と違っていることに気づく。
そして、第三者にも聞いてもらいます。どこがよかったか/よくなかったか?とその理由、このアイデアはどうしたらもっとよくなるか?を聴いてみましょう。
さらに、今のアイデアを聞いてもらった相手に説明してもらいます(プレイバック)。どう伝わったか、他人の口から聞くとどうかを確認できます。1~2日後、何を覚えているか?も聴いてみると、心に残った部分と残らなかった部分がわかるでしょう。
アイデアを考案した本人は、アイデアを客観的に見つめるのが難しいです。でも、誰かにとって有用でなければイノベーションにはなりません。自分だけでなく、他の人も課題として認識されるのかを確認してから、実行段階に移ります。
『THINK BIGGER 「最高の発想」を生む方法』 の次に読むなら?
『THINK BIGGER 「最高の発想」を生む方法』 とあわせて読みたい本を紹介します。
①『選択の科学』
『THINK BIGGER』と同じ著者の前作です。
賢明な選択をするにはどうしたら良いのか、文化的な背景がどう選択に影響を与えるのかがわかります。そして、より自分らしい選択が思い通りに生きることにつながります。
参考記事:『選択の科学』の要約まとめ:選択は自分をつくる創造的な行動
②『イシューから始めよ』
本当に解決すべき問題(=イシュー)は何か?を見極める重要性を説いた本。
まず課題設定が重要ということが共通しています。
解説Youtubeなども多いのでぜひ読んでみることをおすすめします。
参考記事:『イシューからはじめよ』は難しいけどおすすめの本!【要約でポイントを紹介】
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