『選択の科学』の要約まとめ:選択は自分をつくる創造的な行動

『選択の科学』の要約まとめ:選択は自分をつくる創造的な行動

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『選択の科学』は選択が人生にどんな影響を与えるかがさまざまな視点で理解できる本。

著者はコロンビア大学ビジネススクール教授のシーナ・アイエンガーさん。

シーク教徒で高校にあがるころに全盲になったそうです。

 

「選択したい」、「選択肢を減らしたくない」というのは本能であり、自己決定権がないと無力感に苛まれます。

 

選択は人によってどう違うのか、選択肢の多さに惑わされずに賢明な選択をするにはどうしたらよいか等、選択と自己の関係を考えさせられます。

★『選択の科学』の要約ポイント★

 

・選択には個人主義/集団主義の文化の差がある

 

・適度に個性的な選択肢を選びがち

 

・選択肢の多さに振り回されないコツ

ジャムの実験が有名ですが、そのほかの実験もとてもおもしろかったです!

この記事では『選択の科学』の要約を紹介します。

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要約①:選択には個人主義/集団主義で差がある

 

完全に自由に選択しているつもりでも、選択は文化や環境の影響を受けます。

だれしもが、自分の人生は自分でコントロールしたいと思っている。だが、人がコントロールというものをどう理解しているかは、その人がどのような物語を伝えられ、どのような信念を持つようになったかによって決まるのだ。

 

特に選択に影響を与えるのは、個人主義/集団主義の違いです。

個人主義:「わたし」に重点、自分の選択が自分をつくる

(アメリカ、オーストラリア、イギリス等)

 

集団主義:「わたしたち」に重点、自分を自分の属する集団の関係性で捉える

(アジア、中南米諸国など)

個人主義のほうが個人の選択の自由を重視する一方、集団主義のほうは集団の利益や和を大切にします。

 

アングロ系アメリカ人とアジア系アメリカ人の子どもを対象にしたパズルの実験が紹介されていました。

7~9歳までの子どもに6種類の中からアナグラムのパズルをやらせます。

選び方は次の3通りです。

 

①パズルを子どもに選ばせる

②パズルを実験者が選ぶ

③パズルを母親が選んだと伝える

どれが一番子どもたちの成績が良かったでしょうか。

 

アングロ系アメリカ人は①がもっとも成績がよく、②の4倍正しく解きました。

アジア系アメリカ人は③がもっとも成績がよく、①の30%多く、②の2倍正しく解きました。

アングロ系アメリカ人の子どもの1人は、③の指示をされたとき「お母さんなんかに聞いたの?」と嫌悪感を示したそうです。

一方、アジア系アメリカ人の子どもの1人は、「言われたとおりやったって、ママに言ってくれる?」と恥ずかしそうに言ったのだとか。

わたしは日本人なので、アジア系アメリカ人の子どもの発言がよくわかります!

 

育ってきた環境や社会の価値観が、少なからず選択に影響しています。

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要約②:適度に個性的な選択肢を選びがち

 

人が選択するとき、適度に個性的な選択肢が魅力的に感じます。

 

その他大勢と同じ=価値がない、凡庸であるという思い込みがあり、誰もが人とは違う個性があると思われたいのです。

しかし、誰も理解してくれないほど個性的過ぎるのはNG。

わたしたちが一番心地よく感じるのは、「ちょうどよい」位置につけているとき、つまりその他大勢と区別されるほどには特殊でいて、定義可能な集団に属しているときだ。

 

個性的でいたいけど、個性的過ぎてはいけない。

相矛盾する2つの力の板挟みは認知的不協和と言います。

 

自己イメージと自分の選択が一致しないとき、つじつまの合うストーリーをつくりだす等、なんとか自己と選択を一致させようとします。

 

しかし、いつも自己イメージと完璧に一致する選択はできませんし、自己イメージは変わっていくものです。

ありのままの自分自身でいながら順応性を失わずにいるには、変化を自己像と調和するものとして正当化するか、そうでなければ自己像そのものを柔軟に変えても自分の信頼性が損なわれるわけではないことを認識する必要がある。

大切なのは、昔からずっと同じ自分でなくても、自分であることに変わりはないという認識を持つことだ。

自己イメージと違う選択をしたからといって自己を否定する必要はなく、変化しても自分は自分と認識することが認知的不協和を軽減させます。

要約③:選択肢の多さに振り回されないコツ

 

選択の自由は大きい方がよいように思えますが、多すぎる選択肢は逆に選択を邪魔する可能性があります。

 

たいていの人間が一度に知覚できるのは5~9つと言われており、それ以上多い選択肢は認知的負荷がかかったり判断を先延ばしにする原因になったりします。

<ジャムの実験>スーパーでジャムの試食会を行った。

 

・24種類のジャム⇒来店客の60%が立ち止まり、3%が購入

 

・6種類のジャム  ⇒来店客の40%が立ち止まり、30%が購入

来店客が100人だとすると、24種類のジャムの試食会で実際に購入するのは1.8人、6種類のほうでは12人です。

多い方がいいというわけではないんですね。

 

選択肢の多さに振り回されないためのコツが3つあります。

・選択に対する考え方を改める

 

・信頼できる専門家を頼る

 

・選びやすいものから選ぶ

選択に対して、つねに最善のものを選べないからと言って自分を責めるのはやめましょう。

バイアス(先入観)によって、選択を誤るのはよくあることです。

 

また、自分の好みはユニークで自分にしかわからないというのは思い込みです。

専門知識が必要な選択は、信頼できる専門家の言うとおりに選んだほうが良いこともあります。

 

選びやすいものから選ぶというのは、複数選択する事柄がある場合に選択肢の少ないものから選ぶということです。

 

たとえば、車のカスタマイズでは内装の仕様を4種類の中から選び、そのあと内装の色を56種類から選んだほうが完成品への満足度が高くなりました。

内装の仕様を先に決めて具体的なイメージができたことで、色の選択がしやすくなったのです。

 

今のように情報が多くなっている社会では、主体的に選択しなければ意味のない選択肢におどらされてしまいます。

選択のコツをつかんで、自分が満足できる選択をしていきましょう。

選択は創造的なプロセスである。選択を通じてわたしたちは環境を、人生を、そして自分自身を築いていく。

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『選択の科学』の次に読むなら?おすすめ本3選

 

『選択の科学』とあわせて読みたい3冊を紹介します。

①『諦める力』

 

400メートルハードルの為末大さんが書かれた本。

諦めることをポジティブに捉えなおせます。

 

選択をすることは選ばなかったほうを諦めることであり、

自分を活かせる場所を冷静に選ぶ考え方がわかります。

参考記事:『諦める力』の要約まとめ:自分に合ったことを見極めて選ぼう

②『超決断力』

複雑な問題に決断を下す方法がわかる本。

クネビンフレームワークで問題を切り分け、適切なアプローチでなるべく単純な問題に変えていきます。

 

参考記事:『超決断力』の要約:決められない!に効くクネビンフレームワークの入門に最適!

③『異文化理解力』

 

さまざまな文化を持つ人が一緒に働く上で起こる問題とその解決のヒントがわかる本。

個人主義と集団主義の考え方の違いに興味を持った方におすすめです。

参考記事:『異文化理解力』の要約:カルチャーマップで自分と相手の文化を知る

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まとめ:選択が自分をつくる

・本来、人は選択したい本能がある

 

・選択には文化や環境の影響を受ける

 

・個人主義は選択の自由を重視/集団主義は集団の利益や和を重視

 

・その他大勢と同じは嫌だけど個性的過ぎるのも嫌

 

・自己イメージと完璧に一致する選択はできないと心得る

 

・多すぎる選択肢はノイズになる

 

・いつも完璧な選択はできない、時には専門家の助けを借りるのもアリ

他にも自分で選択したほうが良いときと誰かに決めてもらったほうがいいときの違い等、

おもしろい事例や考察が載っています。

ぜひ読んでみてくださいね♪

 

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