『読書会入門』は、日本最大規模の読書会主宰者が読書会の魅力や読書会コミュニティ運営のポイントを語る本。
著者は猫町倶楽部 の主宰者、山本多津也さんです。猫町倶楽部のサイトを見ると、毎日読書会が開催されているのがわかります。
読書会の魅力やコミュニティ運営の考え方を知ることができます。読書会にまつわるエピソードを通して、人とのつながりや対話の重要性について考えさせられました。
★ 『読書会入門』 の要約ポイント★
・読書会は知性を養う
・読書会コミュニティを運営するポイント
わたしはエッセイのような読後感を覚えました。
この記事では 『読書会入門』 の要約を紹介します。
目次
要約①:読書会の効果
読書会の効果は次のようなものがあります。
・見ている世界の違いに気づく、自分の考えを客観視できる
・アウトプットでインプットが完結する
・グレーに留まる力=知性を養う
1つずつ紹介します。
見ている世界の違いに気づく
わたしが読んだ感想と他人が読んだ感想が全然違うときがありますよね。
ものの見方は人それぞれ違いますから、10人いれば10通りの世界があります。
1人で読書していればわたしの見方からしか読めないところ、読書会で感想を共有することでいろいろな世界から見た気づきを共有することができます。
見ている世界の違いに気づけるということは、自分の考えを客観視できるということです。
同じ意見の人とだけ結びついて異質な他者を排除すると、どんどん主義・主張が純化されていき、自分の間違いに気づけないかもしれません。
このような事象は、フィルターバブルやエコーチェンバー現象と呼ばれます。
世界の見方が違う人を排除するのではなく交流することで、フィルターバブルの外の世界に出ることができます。
アウトプットでインプットが完結する
読書はインプットであり、読書会はアウトプットです。
アウトプットすることで自分が理解していない部分に気づいたり、他人に伝えようと言語化することでより理解が深まったりします。
自分しか読まないノート等に書くこともできますが、他人の存在がアウトプットの質をさらに高めてくれます。
相手のリアクションを受け止めながら言葉を発するうちに、本からのインプットが自分の中により深く内在化されていくのだろうと、私は思うのです。
グレーに留まる力=知性を養う
読書会で対話することは、白黒つけたい単純な思考に逃げず、グレーに留まってバランスを取る力を養います。
完全に正しい/完全に間違っていると片方をばっさり切り捨てるのは簡単です。そして、決断力があるように見えます。でも、煮え切らないことに耐えられる、煮え切れなさを受け止め続けられる力が先の見えない不確実なVUCA時代に重要ではないでしょうか。
この”煮え切らなさ”や”グレーに留まる力”の部分を読み、ネガティブ・ケイパビリティを思い出しました。
消極的能力(ネガティブ・ケイパビリティ):
不確かな状態・モヤモヤした状態のまま受け入れられる能力
消極的能力が足りていないと、結論を急いだり、短絡的な答えを出したりしてしまいます。
違う考え方やものの見方を受け入れるには、いったん答えを出さずに保留しておける心のうつわの広さが必要なのかもしれません。
煮え切らない状態を抱え続ける力。安易に白か黒かをはっきりさせず、グレーに留まり続ける力。私はこれこそ「知性」ではないかと思います。これだけあらゆる情報に溢れた今なお、本を読むべき理由、そして、読んだ本について正解のない中で語り合う目的は、こういった意味での知性を養う、ということにあるのです。
要約②:読書会コミュニティを運営するポイント
猫町倶楽部は2006年から続く読書会で、年に約200回、のべ約9000人が参加しているそうです。
そのような大きな読書会コミュニティを長く運営してこれた背景には、次のポイントがありました。
・ヒエラルキーをつくらない
・ポリシーを明文化しない
ヒエラルキーがあって、古株が指南するような雰囲気では新参者が入りにくくなります。運営を手伝うサポーターも他の参加者と同じように参加費を払う、対等な参加者の1人です。
選書するのは主宰者の特権としていて、選書を誰かに任せることはしません。読書会における選書権は権力なんですね。
その日初めて参加する人にとっても、50回目の人にとっても、同じように居心地の良い場所であること。これは、コミュニティを長く存続させる上で、絶対に疎かにしてはいけないポイントなんです。
入口も出口もいつでも全開、風通しの良さが健全なコミュニティを保ちます。
もう1つ特徴的なのが、ポリシーを明文化しないことです。コミュニティには一般的に、ルールやポリシーなどの約束事があり、入会すると最初に読まされますよね。
ポリシーが先にあってポリシーに合う人だけを受け入れるのではなく、全員受け入れて居心地の良さを維持するためにはどうすればいいか、自分で考えるように促すのだそうです。
今の世の中、とかく非効率なことは嫌われる傾向にあります。けれども私は、効率重視では決して作り上げることのできないものがたしかにあると思っています。その最たるものが「文化」です。手間を惜しまず、結果を焦らず、非効率なことをやり続ける。あっという間に過ぎ去ってしまう時間に、ほんの少しずつ、深い溝を掘り続ける。すると、いつか自分たちの背後に驚くほど長い道のりができているのです。
『読書会入門』 の次に読むなら?おすすめの本3選
『読書会入門』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『読書会の教室』
読書会に参加する/主催するポイントがわかる本です。
ノウハウだけでなく、紙上の読書会や読書会主宰者との対談なども楽しく読めました。
読書会主宰者の対談には、『読書会入門』の著者も登場しています。
参考記事:『読書会の教室』の要約まとめ:読書会に参加する/主催する勇気が出る本
②『Listen』
良い聴き手になること、聴き手になるメリットがわかる本。
話を聴いてほしい、情報を受け取ってほしい人ばかりの社会で、人の話を本当の意味で聴ける人は貴重です。
参考記事:『LISTEN-知性豊かで創造力がある人になれる』の要約:聞き上手な人の性格や特徴がわかる本
③『最高の集い方』
記憶に残るイベントを企画するための本。
人を集めることは人とどう向き合うか・どう関わるかをデザインすることであり、
集まった人が「自分の居場所を持てた」と感じられたら成功です。
参考記事:『最高の集い方』の要約まとめ:人とどう向き合うか・関わるかを考え直す
まとめ:読書会で知性を養う
・読書会の効果
ー見ている世界の違いに気づく、自分の考えを客観視できる
ーアウトプットでインプットが完結する
ーグレーに留まる力=知性を養う
・ヒエラルキーをつくらない、入るのも出るのも自由
・ポリシーを明文化しない
・文化は効率化重視ではつくり上げられない
読書会がある生活はステキだなと思いました。勇気を出して参加してみたいです。
興味を持った人は、猫町倶楽部のサイトを見てみてくださいね。
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