ラッセル『幸福論』の要約まとめ:幸福な人は客観的な生き方をしている

ラッセル『幸福論』の要約まとめ:幸福な人は客観的な生き方をしている

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ラッセル『幸福論』は、アランの幸福論、ヒルティの幸福論と並んで三大幸福論の1つと言われています。


ラッセルの幸福論のキーワードは、外に目を向ける大切さ・思考のコントロール・自由な愛情と広い興味です。

著者のバートランド・ラッセルはイギリスの数学者、哲学者で、学校の運営や平和活動も積極的に行いました(1872年に誕生し、1970年に97歳で逝去)。

もともと数学者だったラッセルらしく、前半では不幸の原因分析をして、後半では幸福になる方法と幸福な人の考察が述べられています。

★ ラッセル『幸福論』 の要約ポイント★

 

・不幸の原因は自己没頭である

 

・幸せになる方法

 

・幸福な人は客観的な生き方をしている

不幸に傾きそうになったとき、自分に向いている意識を客観的なポジション置き直すことが大切だとわかりました。

この記事では ラッセル『幸福論』 の要約を紹介します。

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要約①:不幸の原因は自己没頭である

 

不幸になる最大の原因は自己没頭です。

自己没頭:自分の内面に意識を向け、自分の世界に閉じこもる

自己没頭によって、罪悪感で自分を責める罪びとや承認欲求が強いナルシシスト、権力を求める誇大妄想狂が生まれます。

ラッセルは、自己没頭が引き起こす不幸をソーセージ製造機の例えで紹介しています。

<ソーセージ製造機>

ソーセージ製造機が2台ある。1台はブタをどんどんソーセージに変えていく。もう1台はブタへの興味を失い、ブタより自分の内部構造のほうがすごいと思うようになり、自分の研究に取りかかる。しかし、ブタが入ってこないと機能が動かないため、何のためにあるかわからなくなってしまった。

外からのインプットあってこその自分の思考や精神であり、自分に閉じた世界ではそれだけで意味のあるものを見つけることはできません。

精神は、不思議な機械であって、提供された材料をまったく驚くべき仕方で組み合わせることができるが、外界からの材料がなければ無力である。

ここでいう”外界からの材料”を得るために、外の世界に向けた関心や熱意が必要です。

 

したがって、内部のみに注意を向けている人は注目に値するものを何ひとつ見つけない。一方、外に注意を向けている人は、たまに自分の魂を調べてみるようなとき、心の中に、限りなく多様で興味ぶかい種々の成分が分析され、組み替えられて、あるいは美しい、あるいは有益な模様を作りつつあるのを発見することができる。

自分の内面に目を向けることが悪いというわけではなりません。外からの刺激を遮断して内面ばかり見ているのが良くないということです。ラッセルは、外の世界と内面の世界、バランスよく考えることをおすすめしています。

 

ラッセルはさらに、不幸の原因を8つに分類しています。

<不幸の8つの原因>

 

・ペシミズム(悲観主義):こんなに大変なら生まれてこなければよかった

 

・競争:成功だけを追い求めて他を犠牲にする

 

・退屈:刺激を求め続ける

 

・疲れ:心配や不安なことを考え続ける

 

・妬み:自分が持っているものより他人が持っているものに注目する

 

・罪の意識:子どものころに刷り込まれた不合理な道徳に縛られる

 

・被害妄想:自分は被害者であると考える

 

・世評に対する恐れ:人からどう思われているか気にする

それでは、不幸にならないために・幸福になるために、どうすればよいのでしょうか。

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要約②:幸せになる方法

 

ラッセルの『幸福論』で紹介されている幸せになる方法は、次のようなものがあります。

・思考のコントロール

 

・幅広く興味を持つ

 

・バランスよく熱意を持つ

 

・愛情を与えるー受ける

 

・仕事と人生の目的を一致させる

1つずつ紹介します。

思考のコントロール

思考のコントロールとは、”ある事柄を四六時中、不十分に考えるのではなくて、考えるべきときに十分に考える”こと。

このままいくとどうなるか?を客観的に考え、考えるべきことと考えなくてもよいことを分けます。

 

深くハマりすぎないコツとして、宇宙レベルで考えるというのが載っていました。

どういう結果になっても宇宙には変化がないと思えば、大らかな気持ちで考えられます。

幅広く興味を持つ

自分の内面の世界に閉じこもるのではなく、外の世界に目を向けることが大切です。

そのためには、幅広く興味を持つことで外の世界との接点を持つことができます。

 

なんでも良いのですが、たとえばフットボールよりは読書のほうが良いとラッセルは述べています。なぜなら、フットボールを何時間もやるのは限界があるけど、読書はいくらでもできるからだそうです。

ラッセル自身は、川の収集が趣味だったそうです。川を上ったり下ったりする時間が好きだったのだとか。。。

バランスよく熱意を持つ

熱意を持つことは良いことですが、バランスに注意しましょう。

1つの分野に熱意を向けすぎて、他の分野が疎かになると、幸福からは遠ざかってしまいます。

 

次の4つの分野のバランスをとることを勧めています。

健康/人並みの能力/ある程度の収入/社会的義務(子供の養育など)

愛情を与えるー受ける

ラッセルのいう愛情とは、”一つの幸福を共有する結合体と感じられるもの”です。

愛情を与えていて受け取っていれば、自信につながり、それが安心になり、外に熱意を向けることができて幸福になる。だから愛情は幸福に必要不可欠な要素です。

二人の人間がお互いに対して真の相互的関心をいだいているという意味での愛情ーつまり、お互いを幸福のための手段として見るだけではなく、むしろ一つの幸福を共有する結合体だと感じる愛情は、真の幸福の最も重要な要素の一つである。

 

愛情は一方的に与えるだけ/受け取るだけではなく、与えるー受けるのどちらも必要です。

愛情を受け取るだけでは決して十分ではない。受け取られた愛情は、与える愛情を解放しなければならない。そして、両者が同量に存在する場合にかぎって愛情は最上の可能性を達成するのである。

仕事と人生の目的を一致させる

仕事も幸福の源の一つです。仕事はそれ自体を面白くすることで幸福に近づきます。

仕事を面白くする要素は2つあります。

・技術の行使:技術を向上させる

 

・建設性  :仕事を通してなにかをつくり上げる

人は自分の人生を一つの全体として見つめます。仕事と人生の目的が一致していると、人生に首尾一貫したものを感じ、それが幸福につながります。

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要約③:幸福な人は客観的な生き方をしている

 

ラッセルは、幸福な人について客観的な生き方をしている人だと述べています。

幸福な人とは、客観的な生き方をし、自由な愛情と広い興味を持っている人である。また、こういう興味と愛情を通して、そして今度は、それゆえに自分がほかの多くの人びとの興味と愛情の対象にされるという事実を通して、幸福をしかとつかみとる人である。

幸福でいるためには、自己中心的な情念を手放すことです。自分のことばかり考えていても、世界が広がりません。

たとえば、子どもがおぼれていて思わず助ける行為は道徳的ですが、「私は道徳的になりたいからあの子を助けよう」と思って助けるなら、助ける前より後のほうが悪い人間になってしまう、とラッセルは説明しています。

 

社会とのつながりも幸福には必要な要素です。不幸の特徴は分裂、統合の欠如であり、幸福な人は自我と社会が統合している状態です。

 

ラッセルは平和活動にも積極的に取り組みました(2回も投獄されるほど…)。

その背景には、人びとが幸福であるためには社会も平和でなければならないという考えがあったのかもしれません。

 

ラッセル=アインシュタイン宣言では、核兵器廃絶と科学技術の平和利用を次のように訴えました。

私たちは、人間として、人間に向かって訴える。あなたがたの人間性を心に深く刻み、それ以外のことを忘れよ、と。それができるならば、新しい楽園への道は開かれる。できないならば、全面的な死の危険が待ち受ける 『原典で読む20世紀の平和思想』

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ラッセル『幸福論』 の次に読むなら?おすすめの本

 

ラッセル『幸福論』 とあわせて読みたい本を紹介します。

①『THE THREE HAPPINESS 精神科医が見つけた3つの幸福』

 

脳内で幸福物質が分泌されている状態を幸福と定義し、幸福を感じる方法を教えてくれる本。

どうすれば心身のエネルギーをチャージできるのかがわかります。

参考記事:『THE THREE HAPPINESS 精神科医が見つけた3つの幸福』の要約まとめ:幸せには順番があった

②『幸福優位性7つの法則』

 

幸せが成功の要因であり、どうしたら幸福優位性がつくれるかわかる本。

ハピネス・アドバンテージ(幸福優位性)とは、幸福であることが競争優位性になるということです。

 

「成功したら幸せになれる」と思っていませんか?実は反対で、幸せだと成功する可能性が高くなるのです。「たとえ何も成し遂げていなくても今すぐ幸せになっていいんだよ~」と癒しを与えてくれるような本でした。

幸せはとても主観的な感覚であり、すべては心の持ちよう・世界の捉え方次第。幸せになりやすい心の持ちようがわかります。

参考記事:『幸福優位性7つの法則』の要約まとめ:幸せだから成功する

 

③アラン『幸福論』


 

アランの幸福論のキーワードは、幸福になるのは義務・意志と行動・礼儀正しさです。

アランの幸福論はプロポという形式で書かれており、原稿用紙2枚程度の短いコラムを連ねた作品になっています。

幸福になるのは義務である、というのが印象的です。

参考記事:アラン『幸福論』の要約まとめ:幸福は自分の力でつくりだすもの

 

★今回紹介した本★


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