『7つの習慣』は原理原則を中心に生きる重要性がわかる本。
『7つの習慣』は世界で4000万部、日本で240万部も売れていて、キング・オブ・自己啓発書と言っても過言ではありません。
小手先のテクニックではなく、人格を高めることで真の成功・幸福が手に入るという内容です。人格を高めるための原理原則が7つの習慣です。
★ 『7つの習慣』 の要約ポイント★
・7つの習慣を理解するためのポイント
インサイド・アウト、P/PCバランス
・依存から自立への第1~第3の習慣
・自立から相互依存への第4~第6の習慣+第7の習慣
それから数年おきに読み返しているくらい人生の指針になっている本です。
この記事では 『7つの習慣』 の要約を紹介します。
目次
要約①:7つの習慣を理解するためのポイント
7つの習慣に入る前に、7つの習慣をよく理解するための概念を2つ紹介します。
・インサイド・アウト
・P/PCバランス
インサイド・アウト(内から外へ)
インサイド・アウトとは、まずインサイド(内側)が変わり、その後アウト(外側)が変わるということです。
インサイド・アウト:自分自身の内面を変えることから始める
たとえば、まず自分から始める、与えてからもらう、理解してから理解される、というのはインサイド・アウトの考え方になります。
反対はアウトサイド・インです。アウトサイド・インはまず外側から変えようとするので、相手や環境を正そうとします。
インサイド・アウトが重要なのは、自分の内面が世界をどう見るかを決めているからです。
ものの見方(パラダイム)を変えることで、内側が変わります。
私たちは世界をあるがままに見ているのではなく、私たちのあるがままに(条件づけされたままに)世界を見ているのだ。
原則中心のパラダイムを持てば、原理原則を人格に内面化でき、真の成功が手に入ります。
7つの習慣の中での真の成功とは、永続的な成功、幸せのことです。
小手先のテクニックではその瞬間は成功しても長続きしない、もしくは仕事では成功しても家庭では幸福を得られないかもしれません。
本質的に人格を高めることでしか、真の成功は得られないのです。
パラダイムを、人格から切り離すことはでいない。それは「どうあるか」は「どう見るか」に直結しているからである。
7つの習慣もインサイド・アウトに従っています。
つまり、まずは私的成功を収めるための習慣(第1~第3の習慣)を身につけて自立してから、公的成功のための習慣(第4~第6の習慣)に進みます。第7の習慣は再新再生、上向き螺旋のループを登っていく習慣です。
依存:「あなた」の世界
⇓
自立:「私」の世界
⇓
相互依存:「私たち」の世界
「あなたがやってくれる」、「あなたのせい」という依存から主体性を発揮して「わたしはできる」、「わたしがやる」という自立の段階まで成長します。
自立した個人同士だけが「私たちはできる」、「私たちは協力してすばらしい結果が出せる」という相互依存に成長できるのです。
P/PCバランス
『7つの習慣』の原題は、”the seven habits of highly effective people”です。
highly effective=効果性が高いという意味。つまり7つの習慣は人生を効果的に生きるための習慣です。
効果性はP/PCバランスで表されます。
P(performance):成果
PC(performance capabillity):目標達成能力
ガチョウと黄金のたまごのイソップ寓話からP/PCバランスの教訓がよくわかります。
<ガチョウと黄金のたまごのイソップ寓話>
ある日、農夫はガチョウが金のたまごを1日1個生むのを発見した。金のたまごで農夫は大金持ちになったが、1日1個しか生まないことに物足りなくなり、「ガチョウのお腹に金塊があるに違いない」と思ってガチョウを殺してしまった。ガチョウのお腹には金塊はなく、金のたまごを生むガチョウもいなくなった。
金のたまごがP(成果)、金のたまごを生むガチョウがPC(目標達成能力)です。
Pばかり追い求めてPCをないがしろにすれば、いずれPは得られなくなります。PCばかりに時間をかければPの恩恵を享受できません。
PとPCのバランスを取ることが、真に効果的な人生を送るということです。
要約②:依存から自立への第1~第3の習慣
依存から自立への第1~第3の習慣は次のとおりです。
第1の習慣:主体性を発揮する
第2の習慣:目的を持って始める
第3の習慣:重要事項を優先する
第1の習慣:主体性を発揮する
主体性を持つとは、自分の人生に対する責任を取ることです。
自分が人生の出来事にどう反応するかは自分で選択する自由があります。
アウシュヴィッツの強制収容所に送られたヴィクトール・フランクルは、刺激と反応の間に選択の自由があることを発見しました。
責任(responsibility)は、response(反応する)+ability(能力)からできています。反応を選ぶことが責任です。
選択の自由を行使せずに反応する人は、周りに気分が影響されます。それに対して主体的な人は、価値観に基づいて選択します。
本当の意味では、自分の身に起こる出来事によって傷つけられるのではない。自分がその状況を容認するという選択によって、傷を受けるのだ。
反応的な人か、主体的な人かはその人が使っている言葉でわかります。
反応的な人が使う言葉
どうしようもない、~しなくてはならない、~でないとだめだ、~だったらなぁ、など
主体的な人が使う言葉
他のやり方を考えてみよう、わたしは~に決めた、~の方がいいと思う、など
反応的な言葉を使わないほうが良いのは、それが自己成就予言になるからです。
反応的な言葉を使うほど、自分にはコントロールできないところで決定づけられているというパラダイムを強めてしまいます。
主体的だからといって何でもコントロールできるわけではありません。
主体的な人は自分の影響の輪に集中します。
影響の輪に集中することで影響の輪が大きくなり、最初は関心の輪にあった事柄を影響の輪に入れることができるかもしれません。
反応的な人は関心の輪にフォーカスし、自分の影響の輪を小さくしてしまいます。
主体的であることは自分の責任を引き受けることであり、誰かのせいにしていたほうが楽です。
でも誰かのせいにしている人は依存状態から抜け出せません。
第2の習慣:目的を持って始める
第2の習慣は、目的地をはっきりさせてから旅立つことです。
目的地が間違っていたら、どんなに効率的に進んでも間違った場所に早く着くだけ。まず何を達成したいのかを明確にします。
第2の習慣の冒頭のワークは、自分の葬式を想像すること。自分の葬式で誰にどんな言葉をかけられたいか=自分の人生の目的地です。あなたはどんな場面を想像しますか?
何かを達成しようと思ったとき、まず知的に創造してから物的に創造します。
知的な第一の創造:何を達成したいのか(リーダーシップ)
物的な第二の創造:どうすれば達成できるか(マネジメント)
家の建築に例えると、設計図を描くことが第一の創造、実際に建築することが第二の創造です。
第2の習慣”目的を持って始める”は、第一の創造にあたります(ちなみに、第3の習慣が第二の創造に該当します)。
あなたは何を達成したいのか、どんな価値観を大切にしたいのかを明確にすることで、目的地が定まるのです。
具体的には、個人のミッションステートメント(憲法)を描きましょう。人生の中で自分はどうありたいのか、何をしたいのかを文章で表現します。
私たちは、想像力を生かし、より効果的で、自分の最も深い価値観に合った、原則に沿った脚本をつくり出す能力と責任を持っているのだ。
第3の習慣:重要事項を優先する
第2の習慣で目的地が定まったら、第3の習慣で目的地を目指します。
第3の習慣は自分の約束や決意を守る力、誠実さを発揮する習慣です。
やりたいことはわかっているけど時間がない、ということはありませんか?
重要度と緊急度のマトリクスで時間の使い方を点検してみましょう。
第二の領域(重要だが緊急でないこと)は、自分で意識的に時間を取る必要があります。
第二の領域は問題を予防する機会に集中するので、第二の領域に時間を投入することで第一・第三の領域の仕事がそもそも発生しなくなるのです。
時間は有限です。第二の領域に時間を投入するには、第三の領域の仕事にNoと言いましょう。
ためらうことなく「ノー」と言える秘訣は、自分の中でもっと強い、燃えるような大きな「イエス」を持つことである。小事に振り回されてはならない。「最良」の敵は「良い」なのだ。
自分でやる第三の領域の仕事を減らすには、デレゲーション(人に任せる)が有効です。
デレゲーションには使い走りのデレゲーションと完全なデレゲーションがあります。
使い走りのデレゲーション:手段まで細かく管理しようとする
完全なデレゲーション :手段は任せて結果に責任を持たせる
目指すは完全なデレゲーションです。
使い走りのデレゲーションでは、任された人はあなたの指示を待つようになり、手を離すことができません。
完全なデレゲーションでは、次の5つを明確に示して手段(how)は任せます。
望む結果/ガイドライン/使える資源/責任に対する報告/履行(不履行)の結果
一度任せたら口を出さないことを肝に銘じましょう。
信頼は人間にとって究極の動機づけである。それは人の最善の姿を引き出すものである。しかし、それには時間と忍耐が必要だ。
要約③:自立から相互依存への第4~第6の習慣+第7の習慣
相互依存の関係構築には信頼残高を貯めることが必要不可欠です。
信頼残高は相互依存のP/PCバランスと言えます。
人間関係でP(成果)を得るには、PC(信頼残高)への投資が必要ということです。
自立から相互依存への第4~第6の習慣、再新再生の第7の習慣は次のとおりです。
第4の習慣:WinーWinを考える
第5の習慣:理解してから理解される
第6の習慣:相乗効果を発揮する
第7の習慣:刃を研ぐ
第4の習慣:WinーWinを考える
WinーWin(自分も相手も勝つ)とは、”人生を競争ではなく、協力する舞台と見るパラダイム”です。
WinーWinを達成するためには、まず自分のWinを知っている必要があります。
だから、第1~3の習慣で自分の大切にする価値観を大切にできる自立した個人でないと、相互依存の関係は成り立ちません。
WinーWinを考えられる人は豊かさマインドを兼ね備えています。
豊かさマインド:すべての人を満足させられると信じている、容易に分かち合える
豊かさマインドの反対は欠乏マインドです。
欠乏マインドは、他人との比較で成り立っているので他人の成功=自分の失敗になります。
欠乏マインドは相手がWinなら自分はLose、だからWinーWinを築くのが難しいのです。
豊かさマインドの人は分かち合えばもっと大きくなる、WinーWinになる答えが存在するというパラダイムを持っています。
第5の習慣:理解してから理解される
「理解された」と感じさせることは、信頼残高の大きな預け入れになります。
あなたが相手に何をするかではなく、あなたと接するときに相手が経験したことが、あなたの信頼に影響します。
理解するためには話を聞く態度が重要です。ほとんどの人は真の意味で話を聞いていません。
話の聞き方には段階があります。
・無視する、聞いていない
・聞くふりをする(適当に相槌を打つ)
・選択的に聞く(聞きたいことだけ聞く)
・注意して聞く
・感情移入して聞く(心の底から理解しようとして聞く)
感情移入して深く聞くと相手の影響を受けやすくなるので、自分の中の強い安定性が拠り所です。強い安定性は、第1~3の習慣で自分の価値観に基づいて行動していることで手に入ります。
感情移入とは、相手の見地に立ち、相手の立場から物事を眺め、相手が見ている世界を見ることであり、相手のパラダイムを理解し、相手の気持ちを感じ取ることなのだ。
第6の習慣:相乗効果を発揮する
相乗効果は、違う強みが組み合わさることでより大きな成果を得ることです。
その本質は相違点を尊重することにあります。
自分のものの見方の限界を認め、相違点を活かすことで、より他者と効果的なコラボレーションができます。
本当の一致とは相互補完することで、同一になるということではない。本当の意味では、同一は創造力もなく、つまらないものである。相乗効果の源は、相違点を尊ぶことである。
第7の習慣:刃を研ぐ
刃を研ぐとは、個人のPC(目標達成能力)を整えることです。
これは第二の領域の活動なので、意識して時間を取る必要があります。
PCを整える領域は次の4つです。
・肉体:体を大切にする(運動する)
・精神:価値観につながり、エネルギーを充電する(瞑想など)
・知性:自分のパラダイムを拡大する(本を読む)
・社会・情緒:家族やコミュニティに貢献する
7つの習慣にゴールはありません。
学び、決意し、実行することで登っていく、上向き螺旋に成長していくプロセスです。
『7つの習慣』 の次に読むなら?おすすめの本3選
『7つの習慣』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『タイムクエスト(TQ)』
『7つの習慣』のスティーブン・R・コヴィー博士が大絶賛という本。
自分にとって大切な価値観を日々の行動に反映させることで、心の安らぎ(満足感・幸福感)を得ることが目的です。
時間の使い方を見直して、他人軸ではなく自分軸で生きる大切さがわかります。
参考記事:本『タイムクエスト(TQ)』の要約まとめ:自分の価値観と行動を一致させる
②『エッセンシャル思考』
”大きなイエス以外はすべてNO”というスタンスで、1番大切なことに集中する。
第3の習慣の重要性がよくわかる本です。
愛読書に掲げる経営者も多いので、ぜひ読んでみてくださいね!
参考記事:エッセンシャル思考を要約まとめ!デメリットや実践の注意点はある?
③『アドラー心理学入門』
アドラー心理学の基本理論がわかる本です。
『7つの習慣』にはアドラー心理学的な要素が入っているので、
『7つの習慣』が気に入った人にはアドラー心理学関連の本は合うと思います。
参考記事:『アドラー心理学入門』の要約:アドラー心理学の基本理論がわかる【はじめの1冊に最適】
まとめ:『7つの習慣』で人格を高める
本をたくさん読みますが、「これは『7つの習慣』に書いてあったことだな」と思うことが本当に多くて驚きます。自己啓発書はまず『7つの習慣』を読んでおけばOK!
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