『広告コピーってこう書くんだ!読本』は、広告コピー作りの思考法がわかる本。
広告コピーを書く人だけでなく、文章や写真、動画などいろいろな手段で人の感情を動かすものを届けたい人におすすめです。
発想法のハウツー本というより、発想が豊かになるための心構えがわかります。
★『広告コピーってこう書くんだ!読本』の要約ポイント★
・「なんかいいよね」の理由を言語化する
・さまざまな視点を自分に蓄積する
・コピー=「そういえばそうだよね」
この記事では『広告コピーってこう書くんだ!読本』の要約を紹介します。
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目次
要約①:「なんかいいよね」の理由を言語化する
情報の発信側・作品をつくる側に大切な姿勢は、「なんかいいよね」の理由を考えて言語化することです。
なんかいい、なんかかっこいい、なんかステキ、なんか気になる等、
そう感じたときに一歩進んで「なぜそう感じるのか?」を考えます。
なぜなら、「なんかいい」の理由を言語化せずに、いいものは作れないからです。
受け手は、一生、「なんかいいよね」「なんかステキよね」と言い続けます。「つくり手」は、「なぜいいのか。これこれこうだからじゃないか」と考え続けます。
また、いいコピーを書き続けるためには、自分の書いたコピーの良いところも言語化できている必要があります。
「あるレベル以上のものをくり返し書く」ために必要なのは、自分の書いたコピーがなぜいいのか、どこがいいのかを正しく認識できていることです。
要約②:さまざまな視点を自分に蓄積する
コピーを書く手順は、散らかす⇒選ぶ⇒磨くです。
散らかす:関係性に注目して量を出す
選ぶ:受け手にとって意味があるものを選ぶ
磨く:受け手にとってわかりやすく、印象深くする
散らかすには、自分視点以外の関係性を理解できることが強みになります。
この、人とモノとのさまざまな関係性を考えていくうえで、じつは忘れてはいけないことがひとつあります。それは、他人の気持ちを”カッコつき”でわかってあげようと考えることです。
自分が唯一絶対の正解ではなく、「自分には良さがわからないけどきっとこういう理由でそれが好きな人もいるよね」という視点が持てるとアイディアの幅が広がります。
わたしは正しくて相手は間違っている、という単純な二元論から抜け出して、多様な価値観を受容する・判断を保留することができればいいですね。
また、昔の自分の感情も覚えておくと、さらに多くの気持ちを理解できます。
昔の自分は視野が狭かった、考えが足りなかったと否定しがちですが、その時しか感じられない感情があります。
他人や昔の自分も含めて、自分の中にどれだけの視点を持てるかが重要です。
いまの現在の自分の考え方を「これが正しい!」と決めつけすぎることなく、昔からいまに至るまでのさまざまな視点を、自分のなかに蓄積していくことが、いかに大切かわかるのではないでしょうか。
要約③:コピー=「そういえばそうだよね」
コピーは受け手が「そういえばそうだよね」と納得できるところを狙います。
常識 ⇒「そりゃそうだ」
コピー⇒「そういえばそうだよね」
芸術 ⇒「そんなのわかんない」
誰でも知っていることをわざわざ言われても心に残らないし、斬新だけど意味がわからなければ伝えたいことが伝わりません。
誰でも知っている「そりゃそうだ」でも、誰も知らない「そんなのわかんない」でもコピーにはならない。そうではなくて、「知っているのに意識の下に眠っているようなもの」を言語化することによってよみがえらせてあげる。そこに、コピーの納得が生まれるポイントがあるような気がします。
コピーライターの時代感覚とは、その時代での「そういえばそうだよね」をつかむことです。
たとえば、時代で「そういえばそうだよね」の感覚が変わる事例として次のコピーが紹介されていました。
1980年 丸井のギフトのコピー「好きだから、あげる。」
2022年だったら、「好きだから、あげる。」は「そりゃそうだ」ですよね。
しかし、1980年ではギフト=お歳暮やお中元という儀礼的な贈り物のイメージでした。
ギフトは儀礼的なものではなくて、好きという気持ちを表して贈ればいいよねという点に、1980年の受け手は「そういえばそうだよね」と思ったのです。
良いコピーを書くコピーライターは、今何が「そういえばそうだよね」なのかを掴んでいます。
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『広告コピーってこう書くんだ!読本』の次に読むなら?
『広告コピーってこう書くんだ!読本』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『ホメ出しの技術』
最大の肯定からはじめて、相手のホメるポイントをどんどん見つけよう!という本。
コピーライターの思考法を褒めることにどう生かすかがわかります。
相手の資産になる言葉を贈り、社会を元気にしよう!というコンセプトがとても良かったです。
参考記事:『ホメ出しの技術』の要約まとめ:ダメ出しよりホメ出しで社会を良くしよう
②『常識の1ミリ先を考える』
人の心に刺さる企画やコピーの考え方がわかります。
著者はベストセラーを生み出してきた編集者なので、本づくりの裏側が知れるのも読書好きには楽しかったです。
⇓要約記事はこちら
『常識の1ミリ先を考える』の要約まとめ:刺さる企画や情報発信をするための着眼点とは?
③『人は感情でモノを買う』
『人は感情でモノを買う』は、セールスレターなどストーリー性のあるメッセージをつくるときに役立ちます。
相手の立場に立ってどのくらい感情を引き出し、共感を得られるかがポイントです。
参考記事:『人は感情でモノを買う』の要約!共感されるストーリーフォーミュラとは?
まとめ:広告コピーの発想法がわかる
・「なんかいいよね」の理由を言語化する
・関係性に注目してコピーの案をたくさん出す
・他人の視点や昔の自分の視点を否定せずに持っておく
・コピーは「そういえばそうだよね」という常識と芸術の間にある
・「そういえばそうだよね」は時代によって変わる
広告コピーをつくる人だけでなく、アイディアを考えたり作品をつくったりする仕事につく人にも参考になる本でした。
視点をたくさん持つこと、時代感覚をつかむことはマーケティングにも生かせそうです。
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