『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』は、子どもの可能性を広げる言葉がけがわかる本。
著者の坪田信貴さんは、1300人以上の子どもたちを指導してきたそうです。
『ビリギャル』の著者でもあります。
どんな言葉が子どもをワクワクさせて、自分で選択できる力を育むのかがわかります。
★『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』の要約ポイント★
・子どもの可能性をつぶす呪いとは?
・「人に迷惑をかけるな」より「助け合おう」
・子どもにラベリングしない
親にも寄り添った書き方で安心して読める本です。
この記事では『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』の要約を紹介します。
目次
要約①:子どもの可能性をつぶす呪いとは?
ほとんどの親は、子どもの可能性をどんどん広げたいと思っていますよね。
子どものためだと思っていても、行き過ぎると子どもの可能性をつぶす呪いになってしまう声かけがあります。
幼児期に親から子どもに伝える常識的なしつけを拮抗禁止令と言い、それが厳しく刷り込まれていると知らない間に子どもを縛ってしまうのです。
特にネガティブな影響を与えやすい厄介な拮抗禁止令を5つのドライバーと言います。
<5つのドライバー>
①完全、完璧であれ
⇒自分にも他人にも厳しくなる
②他人を喜ばせ、満足させよ
⇒自分よりも他人を優先する、他人の目が気になる
③努力せよ
⇒努力しないと認められないと思いこむ
④強くなれ
⇒弱さを見せられない、人に頼れない
⑤急げ
⇒いつも焦りを感じる、予定がないと不安
子どもにはフィア・アピール(不安や恐怖を煽る)よりも、ワクワクを引き出す声かけをしましょう。
「あんなことを言ってしまった」と自己嫌悪しなくても大丈夫。
間違ったら謝ればいいのです。
親も”①完全、完璧であれ”から抜け出して、率直に向き合えばいいんですね。
要約②:「人に迷惑をかけるな」より「助け合おう」
「人に迷惑をかけるな」は、行動を抑制してしまう言葉です。
それよりも「困っている人は助けよう」のほうが行動に結びつきます。
人生を切り拓くには、自分で選択して行動する必要があります。
そのときに、「人に迷惑をかけるな」はブレーキになるのです。
また、子どものうちにたくさん失敗する経験をさせると、失敗から学び、失敗を恐れずチャレンジできます。
失敗するのを見守るのは、忍耐が要りますよね。
「ほめられて調子に乗るな」というのも行動を抑制します。
何か達成したらその喜びをしっかり味わうことで、満足感が得られます。
個人的におもしろかったのは、”調子に乗るほどほめるのは難しい”という部分。
ちょっとした言葉で調子に乗るようなら、それは親子関係が良好な証です。
もし「あなたすごいじゃない!」とシンプルにほめただけで子どもが調子に乗るくらい喜ぶのであれば、それはほめたお父さん・お母さんが尊敬されているからです。とても信頼されているからです。あなたも、ものすごく尊敬する人から一言「すごいね」とほめてもらえたら、嬉しくて調子にのりそうではありませんか?
要約③:子どもにラベリングしない
〇〇な子とラベリングすることで、子どもはラベル通りに生きようとします。
子どもの可能性を広げるには、親の決めつけを押し付けないようにしましょう。
この理論に基づけば、「この子はやることがいつも遅い」というラベルを貼ることで、「やることがいつも遅い子」を生み出します。
「この子は人前で話すのが苦手」というラベルを貼ることで、「人前で話すのが苦手な子」を生み出します。
誰かに自分の子どもがほめられたとき、つい謙遜して「うちの子なんて〇〇がダメで・・・」などと言っていませんか。
そのときは「そうなんです!」とほめ言葉を受け取っておけばいいのです。
ポジティブなラベリングなら、ポジティブな行動を促すことができます。
「きれい好きな子」とラベリングされた子は積極的に掃除をするようになったという実験結果もあります。
しかし、著者は、ポジティブなものであってもラベリングは避けるべきという考え方です。
なにがポジティブなのかは子ども次第ですし、たとえポジティブなラベリングであったとしても期待に応えるのが苦痛になる可能性もあります。
ラベリングしないためには「今回は~だったね」という言い方が便利です。
過去と今を切り離すことができ、次回(未来)は今と違う自分になれそうな気がしてきます。
対象をその1回の行動という範囲に絞ることで、人格否定にもなりません。
子どもにかける言葉だけでなく、自分にかける言葉でも使えます。
「自分はいつも~だ」を「今回は~だった」に変えるだけで、自己嫌悪感が減り、前向きな気持ちになれます。
『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』の次に読むなら?
『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『才能の正体』
『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』と同じ著者、坪田信貴さんの本。
才能の見つけ方・伸ばし方がテーマです。
正しい方法でコツコツ努力することの大切さ、何が才能かは捉え方次第ということがわかり、
才能は自分の中にもある!と勇気をもらえます。
参考記事:『才能の正体』の要約まとめ:才能は誰にでもある【認知の仕方次第】
②『親子のための言いかえ図鑑』
親から言われた言葉は、良くも悪くも子どもに大きな影響を与えます。
叱る・ほめる・勉強や習い事などケース別に、どのように言いかえたら良いかが具体的にわかる本です。
参考記事:『親子のための言いかえ図鑑』の要約まとめ:子どもと親は別人格であると心得るべし
③『学力の経済学』
個人の成功体験ではなく、データに基づいた教育の知見がまとめられた本です。
科学的に効果のあるご褒美のあげ方や学力向上に影響するもの・しないものがわかります。
参考記事:『「学力」の経済学』の要約まとめ:データでわかる子育ての正解とは?
まとめ:子どもの可能性は無限大
・ネガティブな影響を与えやすい拮抗禁止令(5つのドライバー)
完全、完璧であれ/他人を喜ばせ、満足させよ/努力せよ/強くなれ/急げ
・間違ったら謝ればOK!親も完璧でなくていい
・「人に迷惑をかけるな」は行動にブレーキをかける言葉
・ラベリングするとラベル通りに生きようとする
・「今回は~だったね」と過去や人格と切り離す
子どもに対する言葉がけだけでなく、会社の部下や後輩にも気を付けたいポイントがたくさんありました。
相手がだれであれ、勇気づける・元気を与えられるような言葉を贈りたいです。
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