『5W1H思考』はビジネスに5W1Hをどう使うかがわかる本。
「いまさら5W1H?」と思った人も発見があるはず。
5W1Hは単なる実行プランの抜け漏れチェックだけでなく、汎用的に使える思考ツールです。
5W1H:What/When/Where/Who/Why/How
どれだけ本質的で多面的な問いを立てられるかによって、答えの質が変わります。
課題提起/アイディア発想/コミュニケーション/問題解決の場面で5W1Hをどう使うかが、事例とともにくわしく紹介されています。
★『5W1H思考』の要約ポイント★
・課題提起 :Big-Whyで真の目的を問う
・アイディア発想 :別の角度から見る
・コミュニケーション:3W1Hで人を動かす
・問題解決 :WhatとWhereで問題を特定
そのくらい仕事の成果に直結する考え方です。
この記事では『5W1H思考』の要約を紹介します。
目次
要約①:課題提起
課題提起ではBig-Whyで真の目的を問うことが重要です。
真の目的を理解しないままにwhat(何をやるか)やhow(どうやるか)が先行することで、本来の目的とはかけ離れてしまいます。
表面的なwhy(なぜやるか)だけでなく、突き詰めたBig-Why(どうありたいか)まで意識することで、手段の目的化が防げます。
たとえば、顧客の満足度を上げる活動に注力するために社内手続きのペーパーレス化を図るとします。
Big-Why:顧客志向の促進
why:コスト削減
what:社内手続きのペーパーレス化
whyを意識できていなければ、今まで以上の時間をかけてペーパーレス化をすることになります。
(ペーパーレス化の進捗会議を定例で行う等)
whyは意識できていて時間を捻出できたとしても、Big-Whyが意識できていなければ、空いた時間を他の新たな社内業務に費やすことになるかもしれません。
課題提起には、どんなありたい姿を実現するためのwhatなのか?という視点を忘れないようにしましょう。
Big-Whyをマーケティングに活用すれば、顧客のベネフィットになります。
メガネを売っている会社はメガネ(what)を通じて、よく見えること(why)、
さらにはよく見えることによって可能になった体験(Big-Why)を売っているのです。
Big-Whyになっているか確認してみよう!
要約②:アイディア発想
アイディア発想には、別の角度から見て発想を広げるときに4Wが使えます。
ただやみくもに「発想を広げて考えろ~」と言われても困りますよね。
そんなときは4Wを元にズラして発想の転換をしてみましょう。
when:いつ使うのか
where:どこで使うのか
who:誰が使うのか
why:なぜ使うのか
たとえば新しい水族館を考えるとします。定番の使われ方は次のとおりです。
when:休日、日中
who:家族連れ、カップル
why:レジャー、観光、デート
要素をズラせば、平日朝に癒しを目的とするビジネスマン向けの朝活プログラム、
夜に魚好きの人が1人でも参加しやすい専門的なプログラムなどが考えられます。
要約③:コミュニケーション
ビジネスにおけるコミュニケーションの多くは人を動かすことが目的です。
4W1Hで説得力のある説明ができます。
<説明の4W1H>
why:なぜやるのか
ーwhat:なぜこれなのか
ーwho:なぜ私(の部署)なのか
ーwhen:なぜ今なのか
how:どうやってやるのか
4Wでやるべき理由を納得させ、howで具体的な行動を提示します。
やらない理由を1つずつ片付けていくことで、納得感が生まれます。
なぜ?をwhat/who/whenに分解するのが新しい発見でした。
要約④:問題解決
問題解決では原因(why)と解決策(how)に目が行きがちですが、
その前にWhatとWhereで問題を特定する思考が重要です。
そもそも解決すべき問題なのか、何を問題として捉えているのかが曖昧だと、
原因や解決策も的外れなものとなってしまいます。
解決が運任せです。
<問題解決の流れ>
what(何を問題として扱うか)
↓
where(どこが問題か)
↓
why(なぜ起こっているのか)
↓
how(どうやって解決するか)
たとえば、売上が減っているという問題(らしきもの)があったとします。
毎年この時期は季節的な要因で売上が落ち込むなら、問題として扱う必要はないかもしれません。
売上が減っているという事象をいろいろな切り口で分析して、問題の箇所がどこかを絞り込みます。
たとえば、女性顧客の売上は変化がなく、男性顧客の売上だけ減っていることがわかれば有効な原因分析や解決策につながります。
筋の良い切り口とは、問題のある/ないの線引きがきれいに分かれるところです。
性別では違いがないなら、性別はこの問題に対しての有効な切り口ではなく、もしかしたら利用時間帯や購入頻度、居住区、年齢層などが有効な切り口である可能性もあります。
何が問題でどこで発生しているかがわかってから、原因と解決策にうつります。
問題の発生個所がわかれば、ポイントをしぼった解決策が実行できるでしょう。
whatとwhereを飛ばしてwhyから着手すると、どのwhyを優先して対応すべきか絞り切れません。
『5W1H思考』の次に読むなら?おすすめ本3選
『5W1H思考』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『問題解決』
『問題解決』は、問題解決の定番教科書をイメージして書かれた本。
問題解決の手順をWhere⇒Why⇒Howの順で進めていきます。
Whereでどこに問題があるのかを明確に設定し、Whyで広く深く掘り下げます。
参考記事:【本の要約】『問題解決-あらゆる課題を突破するビジネスパーソン必須の仕事術』
②『地頭力を鍛える』
仮説思考、フレームワーク思考、抽象化思考をフェルミ推定で鍛える本。
地頭力が良いとはどういうことか?がわかります。
参考記事:『地頭力を鍛える』の要約まとめ:地頭力に必要な3つの思考とフェルミ推定
③『パン屋ではおにぎりを売れ』
考えを広げる・深めるためのヒントが、実践しやすい形でまとまっています。
アイディアを見つける楽しいヒントがわかります。
参考記事:『パン屋ではおにぎりを売れ』の要約まとめ:考えを広げる&深める思考法がわかる
まとめ:5W1H思考で仕事の生産性アップ!
・5W1Hを使いこなすと本質的で多面的な問いを立てられる(答えの質もアップ)
・課題提起ではBig-Whyでどうありたいか/真の目的を問う
・アイデア発想では4Wをずらして新しい視点を持つ
・コミュニケーションでは4W1Hで行動しない言い訳に対処する
・問題解決ではWhatをWhereで問題の定義から始める
思考力の本は抽象的すぎて「それ、どうやって適用すればいいの?」という内容の本もありますが、『5W1H思考』はビジネスでよくあるケースの事例がたくさん紹介されていてわかりやすいです。
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