『心の境界線』は、心地よい人間関係を築くために自分の期待や欲求を明確に示す重要性がわかる本です。
頼みごとを断れない、やることが多すぎて燃え尽きてしまう人は、境界線があいまいになっている可能性があります。逆に、人間関係に厳しいルールを設定して友だちが少ない人は、境界線が壁のように他者と分断をしているのかもしれません。
★ 『心の境界線』 の要約ポイント★
・境界線が足りないとどうなるか
・境界線を引くメリット
・境界線を引く2ステップとポイント
この記事では 『心の境界線』 の要約を紹介します。
目次
要約①:境界線が足りないとどうなるか
著者によると、境界線とは”安心できる心地よい人間関係を築きやすくするため、期待と欲求を明確に示す行い”です。
人間関係の悩みのほとんどは、境界線が足りないことによって引き起こされています。
次のようなことを感じる人は、境界線が足りないサインかもしれません。
<境界線が足りないとき>
・セルフケア不足:自分の時間を犠牲にして他人のために働く
・重圧感:他人から引き受けすぎ
・恨み:他人に利用されていると感じる、いらだち、不満
・回避行動:人から離れたい、何もかも捨てて逃げ出したい など
境界線があいまいな人は、他者から簡単に境界線を踏み越えられがちです。境界線を踏み越えられるとは、他者に自分に関する決定権を奪われている状態です。
そのせいで、自分のために使う時間が減ったり、やることが山積みになったりします。そして、他人に利用されているという恨みの感情になり、何もかもイヤになってしまいます。
要約②:境界線を引くメリット
境界線を引くことには、次のようなメリットがあります。
<境界線を引くメリット>
・がんばりすぎない
・他者を頼りやすくなる
・自分の要求を主張しやすくなる
・人間関係の役割を明確にしてくれる など
境界線を引くことで、自分がすべきことと他者に要求してもよいことが明確になります。離れるべき人間関係に早く気づき、良好な人間関係を自分でつくっていくことができるでしょう。
境界線なら何でも良いわけではなく、心地よい境界線を引くように心がけましょう。
<境界線の3つのタイプ>
・もろい境界線
⇒断れない、巻き込まれやすい、拒絶されるのが怖い、つい引き受けてしまう
・かたくなな境界線
⇒人付き合いが希薄、厳しいルールを常に守る、依頼をバッサリ断る
・心地よい境界線
⇒明快なコミュニケーション、信頼を置いた人からほどよく影響を受ける
境界線の問題がある人と聞くと、境界線がもろい人を思い浮かべがちですが、かたくなな境界線も同様に問題があります。かたくなな境界線の人は、自分を守るために線どころか他者との間に壁をつくってしまいます。
何があっても依頼やお願いを断るという柔軟性のないルールを課している人は、少し境界線をゆるめる必要があるかもしれません。
心地よい境界線を引ける人は、自分の依頼が断られても被害者にならず、他者からの依頼を心苦しく思わずに断ることができます。
要約③:境界線を引く2ステップとポイント
境界線を引く行為は2ステップに分けられます。
<境界線を引く2ステップ>
①コミュニケーション:求めることを言葉で伝える(×察してもらう)
わかりやすく端的に、「してほしいこと」を伝える
②行動:守られないときには実際に行動する
守られないときにはもう一度伝える、直らない場合は関係を見直す
まず、してほしいことを明快な言葉で伝えます。してほしくないことを伝えても、代わりにどうすればよいかがわかりません。「わたしは~してほしい」と伝えましょう。
<境界線のコミュニケーションの例>
・その話は聞いていて気分が良くないので、やめてくれませんか。
・酔っているときは話をしたくありません。電話をくれるときはお酒を飲んでいないときにしてくれませんか。
そして、求めることがないがしろにされたときには、行動で示します。具体的には、繰り返し求めることを伝えたり、守られていないことを抗議したりします。それでも、相手が真剣に受け止めない場合は、関係自体を見直して離れる選択肢も考えたほうがよいでしょう。
境界線を引くときの最も大きな障害は、境界線を引くときの不快感です。
相手に拒絶されたら、嫌われたら、反論されたら、ムッとされたらどうしよう。こんなことを求めてよいのだろうか。そんな不快感は残念ながら避けられません。
不快感を乗り越えて境界線を引くポイントは、境界線を引く重要性を忘れないことです。一時の不快感より、自分の人生を守るほうが価値があります。境界線を持つのは健全なことであることを思い出しましょう。
『心の境界線』 の次に読むなら?おすすめの本
『心の境界線』 とあわせて読みたい本を紹介します。
「わかりあえない」を越える
NVCを使えば、自分の感情に自覚的になり、率直にリクエストを伝えられます。
NVC(非暴力コミュニケーション):
自分の内側と外側に平和をつくる、思いやりのある与え合いのコミュニケーション
自己尊重と他者の尊重を両立させるコミュニケーションがわかる本です。
参考記事:『「わかりあえない」を越える』の要約まとめ:NVC(非暴力コミュニケーション)とは?
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