『異質な力を引き出す対立のススメ』はコンフリクトマネジメントが学べる本です。
対立とは何か、対立の種類と解決方法がわかりやすく紹介されています。
対立は悪いもの・避けるべきものではなく、良い方向に導くためのチャンスです。
これからのリーダーにはよい対立を起こしてマネジメントする力が求められます。
★『異質な力を引き出す対立のススメ』の要約ポイント★
・対立(コンフリクト)はチャンス
・コンフリクトのタイプ別解決方法
・これからのリーダーはよい対立を起こす人
この記事では『異質な力を引き出す対立のススメ』の要約を紹介します。
目次
要約①:対立(コンフリクト)はチャンス
対立(コンフリクト)と聞いてどんなイメージを持ちますか?
嫌なもの・避けたいもの・人間関係が壊れるものというネガティブなイメージを思い浮かべがちですよね。
しかし、対立は相手と分かり合うチャンスです。
自分の知らなかったことを知る・新しい世界に気づくチャンスとして捉えれば、
対立は新しい価値・アイディアの創造に欠かせないものとなります。
対立 ≠ 避けるもの、人間関係を壊すもの
対立=分かり合うチャンス、新しい価値創造に欠かせないもの
特に日本人は対立を避ける傾向が強く、反対意見を言わない・空気を読む人が多いです。
表面上の対立が起きていないからといって、コンフリクトマネジメントがうまいわけではありません。
むしろ、対立に慣れていない分、対立への対処法は下手な国民かもしれませんね。
どんな対立でもすばらしいというわけではなく、やはり悪い対立もあります。
よい対立の裏には相手の想いや信念があり、それに気づいて理解できたとき、
対立は新しい世界を見せてくれる価値のあるものになります。
対立は、人が持つ信念や高い次元の想いによって、嫌なもの、避けたいものから、人生の大切なものへと変わることがある。
自分が親になる等で視点が変わって相手の想いが理解できた、ということです。
要約②:コンフリクトのタイプ別解決方法
コンフリクトはタスク・コンフリクトとリレーションシップ・コンフリクトがあり、
タスク・コンフリクトはさらに2つに分けられます。
タスク・コンフリクト:異なる意見・視点があることから発生する対立
ー条件の対立:条件面で対立している
ー認知の対立:価値観の違いで対立している
リレーションシップ・コンフリクト(感情の対立):好き嫌いで対立している
タスク・コンフリクトはモノやコトにフォーカスした対立であり、イノベーションや新しいアイディアの元となります。
それに対してリレーションシップ・コンフリクトは価値創造につながらない、悪い対立です。
もともとタスク・コンフリクトだった対立がこじれてヒトの対立になると、
解決するのに多大な労力が必要になります。
それぞれの解決プロセスを紹介します。
コンフリクト解決方法:条件の対立
条件の対立は立場の違いから起こります。
品質重視vs納期重視、価格vs品質、ルールを遵守したいvs柔軟に対応したい等、
部署やチームで守りたいこと・優先したいことが違うと条件の対立が起こりやすいです。
条件の対立:交渉⇒合意
条件の対立を解決するには、相手の情報を集めて許容範囲を探ることです。
そのためには相手の要望をしっかりと聞いて、その裏にある真の目的・上位の目的を考えましょう。
そして、自分の許容範囲と相手の許容範囲をすり合わせて合意できるポイントを見つけます。
コンフリクト解決方法:認知の対立
認知の対立は、価値観の違いから起こります。
価値観が違えば、同じ出来事でも違う解釈・ものの見方をしているかもしれません。
何を大切にするかは人それぞれであり、
「自分が正しいとは限らない」という姿勢を持つことが解決の第一歩です。
認知の対立:共有⇒理解
認知の対立を解決するには、相手の立場に立って自分との違いを理解することです。
相手のものの見方を知ることで、自分の隠れたこだわりが見つかることもあります。
自分と相手のこだわりが明確になったら、相手にメリットがある形で自分に何ができるかを考えます。
コンフリクト解決方法:感情の対立
感情の対立は、条件や認知の対立が積み重なってモノからヒトの対立になったものです。
感情の対立では表面的に対立に見えている問題はきっかけに過ぎず、
感情のもつれを解決してから具体的な問題解決に進みます。
感情の対立:関心⇒共感
感情の対立を解決するには、関心を持ち続けることです。
相手の感情が落ち着いて一緒に問題解決に向かえる状態=共感がゴール。
いきなり具体的な問題解決に進むと「そういう問題じゃない」「頭ではわかっているけど気持ちの収拾がつかない」という状態になります。
辛抱強く相手の話を聞き、誠意を尽くすことが重要です。
相手の話を聞くときに使えるテクニックが2つあります。
・判断保留 :自分の判断やアドバイスを脇に置いて聞き役に徹する
・パラフレーズ:相手の言葉を言い換えて正確に理解できたか確認する
夫が「子育ては妻の仕事」と決めつけているように感じた妻が爆発してしまうケースです。
要約③:これからのリーダーはよい対立を起こす人
よい対立は相互理解や新しい価値創造につながります。
これからのリーダーには”対立は協調的に解決する”というコンフリクト・カルチャーづくりが求められます。
対立を避けるor対立が起きたら自己主張を押し通すというカルチャーは時代遅れです。
よい対立を有効活用するためのヒントは次のとおりです。
・目的を共有する:なんのために意見を出すのか
・上下関係に敏感になる:上下関係があるとよい対立を起こしにくい
・求心力で人を動かす:権力は悪い対立を生みやすい
日頃の信頼関係に基づいた、上下関係に頼らないマネジメントによって、
コンフリクトの活用ができます。
新しいアイディアが「できない理由」でかき消されている。
いつも「落としどころ」を探っている。
そんな状況は変えていこう。「対立に向き合うこと」は、そんな状況を打開する可能性を秘めている。対立は新しい価値を生み出す資源だ。
『異質な力を引き出す対立のススメ』の次に読むなら?
『異質な力を引き出す対立のススメ』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『他者と働く』
知識やノウハウで一方的に解決が難しい問題(適応課題)を対話で解決するための本。
適応課題≒コンフリクトです。
特に意見が対立するときや一緒に目指すゴールを見つけたいときに、
他者との関係性を見つめて再構築する方法がわかります。
参考記事:『他者と働く』の要約:正解のない適応課題を対話とナラティヴで解決する
②『Listen』
良い聴き手になること、聴き手になるメリットがわかる本。
どんなコンフリクトでも、相手の話をじっくり聴くことは必須です。
参考記事:『LISTEN-知性豊かで創造力がある人になれる』の要約:聞き上手な人の性格や特徴がわかる本
③『人を動かす』
『人を動かす』はデール・カーネギーの古典的名著です。
人の信頼を獲得する、心を動かすために知っておくべき原則がまとまっています。
参考記事:『人を動かす』の要約まとめ:相手の自己重要感を満たすことを習慣にしよう
まとめ:コンフリクトを価値創造に活用しよう
・対立(コンフリクト)は良い方向に導くためのチャンス
・よい対立は新しい価値を創造するが、早期に解消すべきわるい対立もある
・コンフリクトは次のタイプがある。
ータスク・コンフリクト(条件の対立、認知の対立)
ーリレーションシップ・コンフリクト(感情の対立)
・”対立は協調的に解決する”というコンフリクト・カルチャーづくりが重要
コンフリクトは悪いもの・避けるものという固定概念は捨てて、
新しいアイディアが生まれるチャンスと考えましょう。
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