『他者と働く』の要約:正解のない適応課題を対話とナラティヴで解決する

『他者と働く』の要約:正解のない適応課題を対話とナラティヴで解決する

『他者と働く』は、知識やノウハウで一方的に解決が難しい問題(適応課題)を対話で解決する方法がわかる本です。

対話は単なるコミュニケーションではなく、”新しい関係性を構築すること”と表現されています。

忖度や説得ではなく、自分と相手の解釈の仕方の溝を埋めるイメージです。

★『他者と働く』の要約ポイント★

 

・正解のない適応課題は対話(=新しい関係性の構築)が解決の糸口

 

・自分と相手のナラティヴ(解釈の枠組み)の溝に橋を架ける

 

・適応課題を解決する手順は準備⇒観察⇒解釈⇒介入

合理的に説得してもなぜか全然話が進まない、部門間・チーム間での対立が多い、

等の悩みを抱える人にぴったりの本です。

ハウツー系のビジネス書というより、

他者との関係を見つめ直す哲学っぽい雰囲気の本でした。

この記事では『他者と働く』の要約と感想を紹介します。

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『他者と働く』の要約

『他者と働く』の要約ポイントは次のとおりです。

★『他者と働く』の要約ポイント★

 

・正解のない適応課題は対話(=新しい関係性の構築)が解決の糸口

 

・自分と相手のナラティヴ(解釈の枠組み)の溝に橋を架ける

 

・適応課題を解決する手順は準備⇒観察⇒解釈⇒介入

1つずつ詳しく紹介します。

正解のない適応課題は対話(=新しい関係性の構築)が解決の糸口

ビジネス上で起こる課題は多岐に亘りますが、

知識やノウハウで解決できる問題と解決できない問題の2つに分類できます。

技術的課題:知識やノウハウで一方的に解決できる

 

適応課題 :明確な正解がなく一方的に解決できない

 

インターネットで検索したり、書籍やプロの手を借りたりすれば、

たいていの技術的課題は解決します。

 

〇〇が壊れた!という問題なら、〇〇の修理方法を検索すればよいし、

△△のスキルが足りない!という問題なら、△△の書籍やトレーニングを受ければ解決です。

 

しかし、既存のノウハウが通用せず、自分の努力だけでは解決できない問題もあります。

それが適応課題です。

 

たとえば、自分の案が受け入れてもらえない、他部門が非協力的である、

部下から信頼が得られない等。

 

適応課題の特徴は、他者との関係性に起因していること。

適応課題を解決するには、対話=新しい関係性を構築することが必要です。

 

関係性を変えないまま、技術的課題の解決策であるノウハウを駆使しても、

根本的な解決には至りません。

自分からみた相手と相手から見た自分のズレを認識しないままで、いくら説得術やロジカルな説明、好感度が上がるふるまいをしてもムダなんですね。

 

まずは自分と相手がわかりあえていないことを認識することから始めましょう。

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自分と相手のナラティヴ(解釈の枠組み)の溝に橋を架ける

 

『他者と働く』では、対話は”新しい関係性を構築する”と表現されています。

そのためには、自分と相手のナラティヴに注目することが大切です。

ナラティヴ:物語を生み出す解釈の枠組み

たとえば、自分が提案するとっておきの企画が反対されて通らない場合、自分は”企画案は新しさが最重要で現段階で具体的な計画は求められていない”というナラティヴを持っています。

しかし相手は、”企画段階で実行可能性も重視すべき”というナラティヴを持っているかもしれません。

 

どちらのナラティヴが優れている/正解であるということではなく、

お互いに違ったナラティヴを持っていると気づくことが第一歩です。

前述の例の場合、企画案がいかにトレンドで最先端かをいくら説明しても効果は少ないでしょう。

それよりも実行までの計画を示すほうが効果があります。

 

新しい関係性を構築するとは、私と”それ”の関係から私とあなたの関係に変えることを意味します。

私と”それ”の関係(道具):”それ”は代替可能な機能

 

私とあなたの関係(固有):あなたは替えの効かない存在

上司を承認を得るための障害物と見るか、良い仕事をするためのアドバイザーと見るかで、

働きかけに差が出るのではないでしょうか。

 

対話とは、権限や立場と関係なく誰にでも、自分の中に相手を見出すこと、相手の中に自分を見出すことで、双方向にお互いを受け入れ合っていくことを意味します。

”自分の中に相手を見出すこと、相手の中に自分を見出すこと”が、

自分と相手のナラティヴに橋を架けることになるのです。

 

次に、具体的な解決までの4つのアプローチを紹介します。

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適応課題を解決する手順は準備⇒観察⇒解釈⇒介入

 

適応課題を解決する対話のプロセスは次の4つです。

①準備:自分のナラティヴをわきに置いてみる

 

②観察:相手はどんなナラティヴを持っているか?

 

③解釈:相手から自分がどう見えるか?

 

④介入:行動する(行動の結果も②観察する)

ハーバード・ケネディスクールのハイフェッツ教授が提唱する3プロセスに、日本で取り組みやすいように著者が+①準備を加えたそうです。

 

まず①準備では、自分のナラティヴをいったんわきに置いておきます。

 

自分のナラティヴを捨てる必要はなく、

ただ「自分に見えていないことがあるかも」という前提に立ってみましょう。

 

②観察では、相手がどんなナラティヴを持っているか?を言動から観察してみます。

次のような点に注目すると良いでしょう。

相手の大事にしていること/関心事/悩み/恐れていること

 

③解釈では、相手から自分がどう見えるか?、自分のナラティヴの中に相手にとっても意味があることはないか?を考えます。

相手の中の自分・自分の中の相手を見出して、橋を架ける部分を探すプロセスです。

 

最後の④介入で実際に行動します。

行動した結果も②観察し、ループを回すことで解決に近づいていきます。

1回でうまくいくとは限らないので、アジャイル手法で改善していきます。
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『他者と働く』のオーディオブック

 

『他者と働く』は耳で聴けるオーディオブックがあります。

 

『他者と働く』は聞き放題対象外ですが、

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『他者と働く』の感想

 

『他者と働く』を読んで個人的に心に残ったポイントを紹介します。

実は主体性を発揮してほしいと思うことは、こちらのナラティヴの中で都合よく能動的に動いてほしいと要求していることがほとんどです。そして、今の職場のナラティヴの中で活躍できる居場所を失ってしまっているので、「主体性がない」ように見えるに過ぎません。

主体性を発揮してほしいというのは、ほとんどの上司が抱える悩みではないでしょうか。

 

主体性が感じられないのは部下の問題ではなく、

上司のナラティヴ通りに動けと要求している上司の問題ではないか?と問題提起しています。

 

上司は自分の上司としてのナラティヴをわきに置き、

部下が仕事で主人公になれるにはどうサポートできるのか?を考えるべきです。

 

対話に挑むことを別な言い方をするならば、それは組織の中で「誇り高く生きること」です。

つまり、成し遂げられていない理想を失わずに生きること、もっと言うならば、常に自らの理想に対して現実が未完であることを受け入れられる生き方を選択することです。

対話を重視することは、妥協・忖度・迎合などとは違います。

 

自分の至らなさや視野の狭さに直面しながら、

それでも理想を求める姿勢が対話に挑むことだと感じました。

 

また、自分のナラティヴを変える=妥協ということでもありません。

 

自分のナラティヴに違和感があれば違和感の原因を探ることで、

もっと納得できるナラティヴを作れる可能性もあります。

1つの考えに固執せず、

もっと良いものがあれば素直に受け入れる柔軟性を持っていたいです。

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『他者と働く』の次に読むなら?おすすめ本3選

 

『他者と働く』とあわせて読みたい3冊を紹介します。

①『組織が変わる』

 

『他者と働く』と同じ著者の本で、

組織が抱える複雑な問題における対話の重要性がわかります。

 

ゆるやかに悪化していく業績や組織の雰囲気をなんとかしたい!

と考えるリーダーやマネジメント層に役立つ1冊。

参考記事:『組織が変わる』の要約:2on2ミーティングで問題を外在化する

 

②『両利きの組織をつくる』

 

既存事業と新規事業を共存させる組織カルチャーをつくるための本。

既存事業を守る保守的な文化とイノベーションを起こす挑戦的な文化、

組織を継続するにはどちらも必要です。

 

対話を通じて社会の変化に適応しながら自己変革する重要性がわかります。

参考記事:『両利きの組織をつくる』の要約まとめ:深化と探索を共存させるには組織文化が重要

③『プロの思考整理術』

 

相手の状況/事実を整理して感情を整えるための方法がわかります。

 

人はアドバイスされるのが嫌いな生き物なので、

事実と感情を整えて信頼関係をつくった上で相手が自分で納得できるように対話します。

具体的な会話例で理解を深めたい人におすすめです!

参考記事:『プロの思考整理術』の要約まとめ:相手の状況と感情を整理するだけ【アドバイスは不要】

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まとめ:『他者と働く』で適応課題を解決する手順がわかる

・適応課題とはノウハウで解決が難しい、他者との関係性が関わる問題

 

・適応課題を解決するには対話(=新しい関係性の構築)が必要

 

・自分と相手のナラティヴが違うことに気づくのが第一歩

 

・私と”それ”という道具的な関係ではなく、私とあなたの固有の関係を築く

 

・適応課題の解決手順:準備⇒観察⇒解釈⇒介入

 

・自分のナラティヴをわきに置いて、相手のナラティヴを観察する

かんたんに言えば、相手の立場に立って共通点を見つける、というだけなのですが、

一歩進んでそれがどういう意味を持つのか、哲学的な解釈も楽しめます。

ビジネスシーンでの実践例も載っていますが、

ハウツー満載のビジネス書をイメージしていると期待外れかも…

 

哲学や倫理、他者理解に興味がある人にはおすすめできます!

 

★今回紹介した本★

 

 

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