『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』は、誰でもオリジナルな人になれること、オリジナルなことを実現するために必要なことが分かる本です。
この本でオリジナルな人の定義は次のとおり。
オリジナルな人とは「みずからのビジョンを率先して実現させていく人」である。 p.20
著者のアダム・グラントさんは組織心理学者で、
ベストセラー『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』の著者でもあります。
創造性がない仕事はどんどんAIなどのテクノロジーに奪われそうな世の中で、
誰もが自分のオリジナルを発揮し実現していくために必要なことが書かれています。
★『ORIGINALS』3つの要約ポイント★
・オリジナルな人は特別な天才ではない。リスクを回避しつつ行動する普通の人。
・創造的なアイディアは思いつくより選ぶのが難しい
・先延ばしは創造性につながる
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目次
『ORIGINALS(オリジナルズ)』の目次・構成
『ORIGINALS(オリジナルズ)』の目次は次のとおりです。
PART1:変化を生み出す「創造的破壊」
PART2:大胆に発想し、緻密に進める
PART3:”無関心”を”情熱”へ変える法
PART4:賢者は時を待ち、愚者は先を急ぐ
PART5:「誰と組むか」が勝敗を決める
PART6:「はみ出す人」こそ時代をつくる
PART7:ダメになる組織、飛躍する組織
PART8:どんな「荒波」も、しなやかに乗りこなせ
PART1でオリジナルな人の特徴を解説し、PART2・3ではどう発表するかにフォーカスしています。
PART4は先延ばしが創造性を高める話。
昨今のビジネス書の流行りと違うので新鮮な驚きがあるかもしれません。
PART5は仲間づくりについて、PART6は家庭環境や教育が与える影響についてです。
PART7は集団思考、PART8は恐怖や不安といった感情にどう対処して行動するかが解説されています。
オリジナルなアイディアも、思いつくだけで実行に起こさなければ、
思いついていないのと同じです。
どう行動に移すかまで解説しているところがこの本の特徴と言えます。
『ORIGINALS(オリジナルズ)』の要約
『ORIGINALS』のポイントを3つにまとめました。
・オリジナルな人は特別な天才ではない。リスクを回避しつつ行動する普通の人。
・創造的なアイディアは思いつくより選ぶほうが難しい
・先延ばしは創造性につながる
1つずつ紹介します。
オリジナルな人はリスクを回避しつつ行動する
オリジナルなことを実現して成功する人は一部の天才ではなく、
既存のものを疑い、リスクを回避しながらより良い選択を探す人です。
リスクを進んで取る人が成功する、偉大な起業家はリスクテイカーであるというイメージがありませんか?
実は、リスクを進んで取っているように見えて、全体でバランスを取っているのです。
会社員として働きながら軌道に乗ったら起業する、学生として籍は残しておきつつ起業する等、
どこかで慎重な判断をすることで、別のところで思い切った行動ができます。
オリジナルな人に必要なのはずば抜けた知能や天性のセンスではなく、
固定概念にとらわれない発想でオリジナルなアイディアを生み出し、
リスクのバランスを取りながら着実に行動できることです。
創造的なアイディアは思いつくより選ぶのが難しい
オリジナルなアイディアを実行に移すときの一番の課題は、
数あるアイディアの中から適切に選ぶことです。
私たちは世界にオリジナリティが欠けていることを憂い、それは人々に創造性が欠けているからだという。新しいアイデアを出すことさえできれば万事うまくいくと思っているのだ。
だが実際は、オリジナリティを阻む最大の障害はアイデアの「創出」ではないーアイデアの「選定」なのだ。 p.61
どのアイディアを実行に移すべきかの判断には2種類の判断ミスがあります。
偽陰性:失敗だと思われたアイディアが成功する
(例)ハリーポッター(出版を何度も断られた)
偽陽性:成功すると思われたアイディアが失敗する
(例)セグウェイ
自分は自分のアイディアを過大評価するため偽陽性の失敗が起こりやすく、
専門家は専門知識や経験があるがゆえに視野が狭くなり、偽陰性の失敗を起こしやすいです。
サーカスのパフォーマンス評価に関する実験で、
もっとも創造性を正確に評価できたのは同じ分野の仲間でした。
また、創造性が発揮されるには幅広い経験と深い経験がどちらも必要です。
科学者、起業家、発明家は芸術の教養を持っていることが多く、
海外経験が長い人ほどオリジナリティが高くなる傾向があります。
特に文化圏がまったく異なる海外経験だと創造性がより高くなることがわかりました。
『多様性の科学』でも”よそ者マインド”は多様性を生み出す要因の1つになっていました。
どんどん新しい環境に飛び込むことが大切ですね。
先延ばしは創造性につながる
キング牧師の歴史に残る演説は、原稿執筆を先延ばしすることで生まれたものでした。
(途中からアドリブだったそうです)
戦略的先延ばしは、いろいろな素材を頭の中にストックして放置することで創造性を高めます。
ただ先延ばしするだけではダメで、意欲を持った状態で頭の片隅に置いておきます。
先延ばしは「生産性の敵」かもしれないが、「創造性の源」になる。 p.161
ここ最近のビジネス書は、生産性を高める・習慣化するというテーマをよく見かけます。
まっさきに新しいものに飛びつくイノベーターや行動が速い人を賞賛する本が多いです。
生産性を上げるのは大切なテーマですが、
生産性のために創造性を発揮できる機会を犠牲にしていないか注意したいですね。
早く参入するほうが成功する、というのは成功者バイアスかもしれません。
たしかに、誰よりも先に可能性を見出して成功した人の話は魅力的です。
成功者バイアスとは、成功者の意見しか残らないために、
成功確率が実際より高く感じてしまうバイアス(先入観)のこと。
(失敗した人はビジネス書を出さないですからね)
先行者が良いか後発者が良いかは時流で変わります。
先行者の結果を見て改善できる後発者優位も頭に入れておきましょう。
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『ORIGINALS(オリジナルズ)』の感想:子育てのヒント
『ORIGINALS』はビジネス書・自己啓発書でありながら、
子育てに活かせそうなポイントがたくさんありました。
個人的に心に残ったポイントを紹介します
業績をあげることへの意欲があまりにも高いと、オリジナリティが二の次になる可能性がある。成功を重視すればするほど、失敗を恐れるようになる。つまり、必ず手に入る成功に向かってしか、努力しなくなるからだ。 p.31
天才児が型にはまった成功(高収入な職業や経営者など)に収まりがちなのは、
良い成績を上げたい+失敗したくない気持ちが創造性を低くするからだそうです。
テストの点数などの結果に意識を向けすぎると、
既存の枠組みの中で優秀な成績を取ることに努力してしまいます。
(前略)つねに現状に異議を唱えるような人は、「結果の論理」ではなく「妥当性の論理」を使う。
つまり、「私のような人は、こういう状況ではどうするべきか」と考えるのだ。外側を見回すことで結果を予想するのではなく、内側、つまり自分のアイデンティティと向き合うのである。自分がどういう人間であるかーもしくはどういう人間になりたいのか、というのが決断の基礎となるのだ。 p.246
結果の論理ではなく妥当性の論理で考える人には、失敗という概念がなくなります。
結果の論理で考えると、望むべき結果が得られなければ失敗です。
妥当性の論理で考えると、結果はどうであれ、自分の信念に従ったといえます。
妥当性の論理で考えるようになるには、
自分の行動がまわりの人におよぼす影響を考えるような言い聞かせが効果的です。
大虐殺からユダヤ人を救った人たちに子どものころを思い出してもらうと、親からはある独特なしつけを受けていたことがわかった。オリナー兄弟は、「親からよく『説明を受けた』、というのが、救助にあたった人たちのあいだでよく聞かれた言葉だった」と述べている。 p.259
ユダヤ人大虐殺のときにユダヤ人を救助した非ユダヤ人を調査した結果、
救助した人の親の多くが道徳的価値観を説明するしつけ方法をしていたことがわかりました。
細かいルールをたくさん設定するのではなく、
価値観に照らし合わせて”その行動がなぜふさわしくないのか”を説明すると良いそうです。
根気強く説明したいと思います。
つい、大きい声で注意してしまうんですけどね・・・
『ORIGINALS』の次に読むなら?おすすめ本3選
『ORIGINALS』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『多様性の科学』
多様性が発揮できる環境では創造的なアイディアが生まれます。
”PART6:「はみ出す人」こそ時代をつくる”の内容に共通点がありました。
多様性があり、かつ、安心して発言できる環境がクリエイティブな仕事には重要です。
参考記事:『多様性の科学』の要約と感想:多様性がなぜ必要なのか?がわかる本
②『直感と論理をつなぐ思考法』
自分のワクワクする直感や妄想からアイディアを形にする思考法、
ビジョン思考についての本です。
他人からの評価を気にしないで自分の気持ちに従った先に、
オリジナルで情熱を込められるアイディアがあります。
参考記事:『直感と論理をつなぐ思考法』の要約まとめ:ビジョンドリブンとは自分モードで生きること
③『0ベース思考』
ゼロベースで前提を疑うことで、違った考え方・アイディアが生まれます。
当たり前や常識を疑う楽しさ・面白さがわかる本です。
参考記事:『0ベース思考』の要約:社会常識や一般的な基準を超えて自由に考える
まとめ:『ORIGINALS』で創造的なことを実現できる人になる
・オリジナルな人はみずからのビジョンを率先して行動する人
・創造性を発揮するのに向う見ずなリスクテイクや天才的なひらめきは必要ない
・創造的なアイデアを選びだすのが難しい。専門知識に加えて幅広い経験が必要。
・戦略的先延ばしは創造性を高める
・結果にこだわり過ぎると創造性は下がる。妥当性の論理が創造性を上げる。
内容もさることながら、文章が読みやすくてさわやかな感じがしました。
ビジネス書にありがちな煽り(このままじゃダメになる!)がなく、
「誰でもオリジナルなアイデアを形にできるよ、大丈夫だよ」
という励まし・未来は明るいぞ!という読後感です。
アダム・グラントさんの他の本も読んでみようと思いました。
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本業の会社員では研修講師やファシリテーターをしています。コーチングも提供しているので興味がある方はぜひご検討ください。
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