問いのデザインの要約まとめ:答えのない課題に取り組むときに視野を広げる1冊

問いのデザインの要約まとめ

『問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション』は、

問いのデザインの手法がわかりやすく学べる本です。

 

問いのデザインを課題のデザインとプロセスのデザインに分け、

それぞれ順序立てて説明しています。

課題のデザイン  →解くべき問いをどう設定するか

 

プロセスのデザイン→創造的対話を促進するためにどんな問いを投げかけるか

この本を読めば、適切な問いを立てる重要性・対話における問いが果たす役割がわかります。

 

特にワークショップや会議のファシリテーター、

研修などの講師、学校の先生やコーチ・コンサルを行う人におすすめです。

 

会議でアイディアが出ない、グループディスカッションがまとまらない、という悩みは自分が発する問いが原因かもしれません。

 

この記事では、『問いのデザイン』の要約と感想を紹介します。

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『問いのデザイン』の構成:目次紹介

『問いのデザイン』は、大きく4つのパートに分かれています。

パート1:問いのデザインの全体像

1章:問いのデザインとは何か

 

パート2:課題のデザイン

2章:問題を捉え直す考え方

3章:課題を定義する手順

 

パート3:プロセスのデザイン

4章:ワークショップのデザイン

5章:ファシリテーターの技法

 

パート4:問いのデザインの事例

6章:企業、地域、学校の課題を解決する

パート1では、問いの定義や問いの基本性質を解説しています。

 

パート2では課題のデザインで陥りがちな罠と問題を捉える思考法、

課題をデザインする手順を学びます。

 

パート3ではワークショップでの問いをデザインする方法とファシリテーションの技法、

パート4では実際の6つの問いのデザイン事例を知ることができます。

 

次に、『問いのデザイン』の要約ポイントを3つ紹介します。

要約ポイント1:創造的対話には問いが必要

 

要約ポイント2:課題=解決すべきだと前向きに合意された問題

 

要約ポイント3:抽象度をコントロールして対話を深める

要約ポイント1:創造的対話には問いが必要

 

著者は前書きで、問いのデザインが求められる時代背景として、

認識の固定化と関係性の固定化という病があるとしています。

 

認識の固定化 :当たり前のことを疑わない、新しいことを学ぶ障害になる

認識の固定化とは、バイアスや暗黙の前提と呼ばれるものです。

 

「〇〇ってこういうものでしょ」、「こういうときはこうするのが常識でしょ」

という固定された考えが新しい学びや発想を邪魔してしまいます。

 

人間にはファスト回路とスロー回路がある

と聞いたことがありませんか?

 

脳のエネルギーを節約して素早く答えを出すために、

分かり切ったこと・くり返し経験していることにはファスト回路が使われます。

 

ファスト回路に待った!をかけて、

前提や暗黙の了解を揺さぶるのが問いの役割でもあるのです。

 

ファスト回路・スロー回路については、こちらの本がおすすめです。

関係性の固定化:他者との関係性が変わらない

上司ー部下、先生ー生徒、先輩ー後輩など、

会社はすでに退職したのに、または、学校はもう卒業したのに

関係性が変わらないことはありませんか?

 

コミュニティの中の関係性が固定化してしまうと、

暗黙のうちに固定化した関係性に沿って行動してしまいます。

 

たった1年一緒に過ごした高校の先輩に、

卒業後もずっと頭が上がらないなんて変ですよね。

 

関係性の固定化によって、変わりたくても変われないジレンマに陥ります。

変わろうとする自分に違和感があるからです。

 

問いを使って固定化に気づいて壊し、新しい視点を持つこと。

それが創造的対話です。

 

関係性の固定化は変化を妨げる

経営コンサルタントの大前研一さんによると、

自分を変革するには3つの方法があるそうです。

 

・時間配分を変える

・住む場所を変える

・つき合う人を変える

 

3つ目のつき合う人を変えるというのは、

関係性の固定化を防ぐことも意味していると思います。

要約ポイント2:課題=解決すべきだと前向きに合意された問題

2章~3章は課題のデザインがテーマです。

課題のデザイン→解くべき問いをどう設定するか

 

まず2章で、そもそも課題とは何かが定義されています。

 

「課題」の定義

関係者の間で「解決すべきだ」と前向きに合意された問題のこと

p.58

 

そもそも会議の主催者だけが課題だと思っていることはありませんか?

 

参加者は呼ばれたから来ているだけ、

自分事になっていなければ課題とはいえないのです。

 

課題を定義する手順は5つのステップがあります。

本書では1つずつ具体的に紹介されているのでぜひ読んでほしいのですが、

わたしが特に勉強になった点は目標の性質によって精緻化することです。

 

気づきポイント:目標の性質によって精緻化する

②目標の精緻化では、精緻化する観点として期間・優先順位・性質が挙げられています。

目標の性質とはプロセス・ビジョン・成果です。

 

「違和感のあった目標は、プロセス・ビジョン・成果がごちゃ混ぜだったんだ!」

と気づきがありました。

・成果目標  :最終的に到達したい個人の状態や成果物の要件

 

・プロセス目標:成果目標にたどり着くまでの気づきや関係性

 

・ビジョン目標:成果目標、プロセス目標の先に目指す状態(方向性やコンセプト)

受験勉強なら、成果目標は受験合格、プロセス目標は毎日3時間勉強すること、

ビジョン目標は望むべき進路に必要な学力を身に着けることかもしれません。

 

会社の人事評価では、成果とプロセスのどちらを重視するかがよく議題に上がります。

どちらかではなく、複眼的に目標を捉えると合意が作りやすいですね。

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要約ポイント3:抽象度をコントロールして対話を深める

4章ではワークショップの問いのデザイン手順が紹介されています。

 

手順(1)課題解決に必要な経験のプロセスを検討する

手順(2)経験に対応した問いのセットを作成する

手順(3)足場の問いを組み合わせてプログラムを構成する

p.127

 

足場の問いとは、問いを活かすための問いのことで、

抽象度をコントロールしながらプログラムの構成を考えます。

 

今まで参加した企画会議では、

漠然とした問いが投げかけられて「自由にブレストしよう!」が多かったです。

 

・どんな観点で、どのくらいの抽象度で意見を出せばよいか

・参加者それぞれの理解度や経験値はどの程度か

を探りながら、無難なアイディアか具体性のないアイディアに帰着…

 

刺さるアイディアが出なかった会議は、

問いの設定が雑だったのかも?

 

ちなみに本書では、

ブレストがうまくいかないのは配慮のない問いかけが原因とされています。

 

抽象度をコントロールする、というのは、

問いによって考えるべき抽象度を設定して迷わないようにする役目と、

具体と抽象の行き来を助ける役目があります。

 

過去の経験・体験を尋ねる問いは具体的ですよね。

逆に、良い〇〇の要件とは何か?というのは抽象度が上がります。

 

具体的な問いに終始するとアイディアが広がらず、

抽象的な問いばかりだと空想の域を出ません。

 

今まで使って1番快適だった〇〇は?

新しい〇〇を考えよう!

具体的な問いしかないので自分の体験ベースのアイディアに終始し、

短絡的で安直な意見しか引き出せません。

 

今まで使って1番快適だった〇〇は?

快適な〇〇の要素は?

そもそも〇〇はどのような価値を提供しているか?

新しい〇〇を考えよう!

抽象度を上げた問いを経ると視野が広がります。

 

抽象と具体の行き来というテーマは、

推論の技術やメタ思考トレーニングでも取り上げられていました。

 

具体的な事象から抽象的な法則を導いて別の事象に当てはめる思考が

ひらめきや新しいアイディアを生み出すというものです。

 

関連記事:メタ思考トレーニングを要約!Why型思考とアナロジー思考の例題が満載

関連記事:【要約】問題解決力を高める「推論」の技術!フレームワークの使い方を気づかせてくれた本

 

『問いのデザイン』で心に残ったポイント・感想

要約ポイント以外に心に残ったポイントや感想を紹介します。

 

問う側が常に正解を知らないといけない、というのはある種、大人や学校の先生が持つ強迫観念のようなもので、問う側の理解度は実は、問われる側の思考や感情を刺激するのに必ずしも直結しません。

p.25

 

問いを投げかけるほうが答えを知っていると、

答えに誘導したり答えありきの面白みのないやり取りになってしまったりします。

 

それこそ、教える側ー教えられる側の関係性の固定化ですよね。

子どもの素朴な疑問から教わることはたくさんあります。

 

いつも”自分は何も知らない”、”年下でも子どもでも誰からでも学ぶ”

という姿勢を忘れたくないと思いました。

 

筆者らが感じてきた現代社会における”認識と関係性の固定化の病い”が蔓延した状況は、言い換えれば、現場の問題解決の担い手たちの「衝動」に蓋がされてしまっている状況のようにも感じます。それが結果として、課題設定の罠である「自己目的化」や「ネガティブ・他責」などの、自分たちの外側に「正解」や「原因」を求める態度で課題を設定してしまい、問題を解決する主体が失われていくのです。

p.108

 

良い課題かの判断基準の1つとして、

内発的動機に基づく課題設定になっているか?という視点があります。

 

内発的動機=解きたい・解決したいという衝動です。

 

問いを投げかけられたとき、

高揚感・ワクワク感がある問いが良い問いなのだと思います。

 

問いに使われる言葉1つとっても、

興味をそそる・イメージを掻き立てるように考える必要がありますね。

 

自分でも考えてみました。後者のほうが考えたくなりませんか?

良い〇〇とは? ⇒1万円でも思わず手に取ってしまうような〇〇とは?

 

新しい〇〇とは?⇒SNSで賛否両論を巻き起こすような〇〇とは?

 

売れる〇〇とは?⇒一度見たら目が離せない〇〇とは?

まとめ:問いのデザインは問いを立てたくなる本

・問いのデザインを”課題のデザイン”と”プロセスのデザイン”に分けて学べる

 

・学校の先生、ファシリテーター、研修講師など問いを投げかける人に必読の本

 

・問いで認識の固定化と関係性の固定化を壊し、創造的対話を促す

 

・課題は丁寧に設定する。課題の設定で導かれる答えが大きく変わる。

 

・抽象度のコントロールで視野を広げる

問いには、思考と感情を刺激したり個人に内省を促したりする性質があります。

「問いとは何か?」という問いで、まんまと思考をめぐらせてしまいました。

 

『問いのデザイン』はじっくり考えるのが好きな方におすすめの1冊です!

 

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