『なぜ、あの人には何でも話してしまうのか』は心理カウンセラーの聞く技術・姿勢がわかる本。
信頼関係をつくる聞き方/本音を話してもらう聞き方/聞き疲れしない技術を学べます。
フラットに素直に聞くことの奥深さを知るとともに、少しの工夫で傾聴力がアップできると希望が持てました。
★ 『なぜ、あの人には何でも話してしまうのか』 の要約ポイント★
・信頼関係をつくる聞き方
・本音を話してもらう聞き方
・聞き疲れしない技術
聞き疲れしない技術はこの本で初めて知りました。
この記事では 『なぜ、あの人には何でも話してしまうのか』 の要約を紹介します。
目次
要約①:信頼関係をつくる聞き方
信頼関係をつくるには、「そうだよね」「そっか」などと解釈を挟まずに受容して聞くことが大切です。
人間には所属欲求があり、誰かに聞いてほしい・知ってほしいと思っています。そして、それはコンピュータでは代替できません。人間同士だから意味があります。
自己受容には、他者からの受容が必要です。
なぜなら、ほかの人に認められてはじめて、自分で自分の存在を認められるからです。
とはいえ、解釈を挟まないで聞くのはとても難しいですよね。ポイントは「何を話すか」よりも「何を話さないか」を決めることです。
話さないこと
アドバイス/自分の意見/自分のエピソード/”でも~”で始まること/
正論/あなたはこういう人だ
特に、「わかる」という言葉は禁句です。「あなたの気持ちはわかります」、「言いたいことはわかります」等を言わないようにしましょう。
「わかるよ」というのは、相手に寄り添うつもりでつい言ってしまいがちな言葉です。しかし実は「わかる」は禁句。なぜなら、わかるわけがないからです。
同じ言葉でも人によって浮かぶイメージは違います。自分と同じ見方だと決めつけてしまうと、フラットに聞くことができません。
要約②:本音を話してもらう聞き方
本音を話してもらえるには、自己一致レベルが高い必要があります。
自己一致:自分が自分であること、ありのままでいられること
聞き手の自己一致レベルが高いと、それを見たクライアントが「わたしもありのままでいいのかもしれない」と徐々に本音を話せるようになります。
本音を聞きだすには沈黙に耐えられるようになりましょう。沈黙は相手が思考を深めている時間かもしれません。話しても話さなくてもいい、沈黙も大切な時間です。
思考を深める質問例には次のようなものがあります。
・どうしてそう思うの?
・そうすると何が起こる?
・そうするとどんな感じですか?
・そうするとどんなメリット/デメリットがある? など
理想の聞き手は、良い意味で話し手に意識されません。
いてもいなくてもよい存在になる。
それが、上手な聞き手の理想像です。
それを、カウンセラーの世界では、「透明な鏡になる」といいます。
要約③:聞き疲れしない技術
心理カウンセラーはたくさんの人の話を聞くため、聞き疲れしないことも良い聞き手になるコツ。
聞き疲れしないためには、すべてを聞かないことと自分の価値観をしっかり持つことが重要です。
まず1つ目は、クライアントの言葉のなかで感情が乗っているところに注目して聞きます。
注目するのは、高くなったり低くなったりしている振れ幅が大きいところ。そこが相手の話で大事なところであり、聞き逃してはいけないところです。
自分の価値観を強く持つために日頃からできるトレーニングがあります。
それは、何か買うときに「わたしはこれが絶対にほしいのか」「本当にこれがいいのか」と意識的に価値観を確認することです。
自分の価値観が揺るがないものになると、必要なときに価値観を横に置いておけるようになります。なぜなら、いつでも元に戻せる自信があるからです。
自分の価値観にいつでも戻れるなら、それをいっかい横に置いて、相手の価値観に寄り添って世界を見てみようという気持ちになれます。
違う価値観を一時的にでも受け入れられないのは、自分の価値観に自信がないからかもしれません。
『なぜ、あの人には何でも話してしまうのか』 の次に読むなら?
『なぜ、あの人には何でも話してしまうのか』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『コーチングよりも大切なカウンセリングの技術』
ビジネスの場面で使えるカウンセリング技術がわかる本。
コーチング的なコミュニケーションがダメなわけではなく、コーチングが機能するためにはカウンセリング的な関わりでまずエネルギーを充電しよう!という内容です。
カール・ロジャーズのカウンセラーの3条件も紹介されています。
参考記事:『コーチングよりも大切なカウンセリングの技術』の要約まとめ【徹底的に受容・共感】
②『できるリーダーは、「これ」しかやらない[聞き方・話し方編]』
部下の考えや思いを聞くテクニックと問いかけが具体的にわかる本。
自分の聞きたいことではなく相手が思っていることを聞く、拡大質問で思いを引き出す等、良い聞き手になる具体的な方法が学べます。
参考記事:『できるリーダーは、「これ」しかやらない[聞き方・話し方編]』の要約まとめ
③『ホメ出しの技術』
最大の肯定からはじめて、相手のホメるポイントをどんどん見つけよう!という本。
コピーライターの思考法を、褒めることにどう生かすかがわかります。
相手の資産になる言葉を贈り、社会を元気にしよう!というコンセプトがとても良かったです。
参考記事:『ホメ出しの技術』の要約まとめ:ダメ出しよりホメ出しで社会を良くしよう
★今回紹介した本★
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