『プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える』は人を動かすためのストーリーテリングがわかる本。
人を動かすのは客観的な事実ではなく、私的なストーリーです。
ストーリーには心を揺さぶる要素があり、相手に考える余地を与えます。
データの裏付けがなくても直感的に真理とわかるようなストーリーは、相手の中にずっと残り、影響を及ぼし続けます。
★『プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える』の要約ポイント★
・私は何者か、なぜこの場にいるのかを語る
・私的なストーリーが聞き手の視点を変える
・自分の正しさを立証する<相手を動かす
特に協力を仰ぎたいときやビジョンを語るときに役立つヒントがたくさん載っています。
この記事では『プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える』の要約を紹介します。
目次
要約①:私は何者か、なぜこの場にいるのかを語る
人前で話をするときに大事なことはなんだと思いますか?
話す内容の正しさ?画期的な新情報?
情報過多な現代において、一番重要なのは話し手の信用です。
どんなに正しい話もすばらしい新企画も、話し手が信用されていなければ相手に届きません。
同じ情報をキャッチしても、人によって結果は違いますよね。
すばらしい情報だと思って行動して結果を出す人もいれば、疑ってかかって結局行動せず、せっかくの情報を活かせない人もいます。
人前で話すことで相手に影響を与えるには、まずは話し手であるわたしは何者で、なぜこの場にいるかの現実感のあるストーリーが必要です。
・わたしは何者か:人柄がわかる私的ストーリーを語る
・わたしはなぜこの場にいるか:健全な利己的動機、善良な意図を語る
わたしが何者かを伝えるストーリーは、聞き手にとって重要なテーマに関連したもので、かつ、何者かという感触がある話にします。
自分がどういう人間かを相手に理解させ、「直接知っている」ように感じさせられれば、相手の中であなたの信頼性が一挙に高まるのだ。
わたしはなぜこの場にいるかは、わたしが受ける恩恵を隠さないのがポイントです。
「この話はあなたのため」とだけ言われるより、「あなたの役にも立つしわたしもこういった恩恵がある」と伝えられるほうが信用されます。
要約②:私的なストーリーが聞き手の視点を変える
私的なストーリーは客観性や汎用性に欠ける、と思われるかもしれません。
しかし、事実だけで解決する問題はほとんどなく、頭で理解した話より直感的に真実だと腑に落ちた話のほうが人を動かします。
重要な問題はことごとく「私的」な問題だ。人を動かすときに、自分の魂の重要な一部である私的な部分を切り離す必要などない。相手の心を最も強く揺さぶるストーリーを語れるのは、あなたの魂なのだ。
客観的な事実やデータに基づく話は、相手に考える余地を与えず、押し付けている印象を持たれがちです。論理で詰めすぎて、「言っていることは正しいけれど、あの人にはなんか協力したくない」と思われたことはありませんか?
ストーリーを語ることで、聞き手にそっと新しい視点を提供することができます。
ストーリーを語るとは、ある特定の視点を選択し、それを聞き手に伝えることだ。あなたには誰かに見てほしいストーリーがある。しかし、その人物はそれを見ていないらしい。そういうときストーリーを語れば、その人に自分の選択や行動をいまと別の視点から見るように促せるかもしれない。
人間は無意識の判断や思い込みが行動に大きな影響を与えています。
新たな視点を手に入れると、無意識の判断が意識下に浮かび上がり、本当にその判断で良いのか?を今一度聞き手に考えさせることができます。
ストーリーで提供するのは新しい情報ではなく、新しい視点=解釈です。
すでにある情報から自分なりの知恵を見出す助けになるのが新しい解釈であり、新しい解釈によって意味づけが変われば行動が変わります。
要約③:自分の正しさを立証する<相手を動かす
人前で話すことのゴールは、聞き手を動かすことです。
自分の正しさを立証したり、話のうまさを誇示したりするためではありません。
聞き手を動かすには、まず聞き手にあなたの話を聞くスペースがあるかが重要です。
マイナス感情でいっぱいになっているところに新しいストーリーは入りません。
まずは相手のストーリーに耳を傾け、マイナス感情を取り除きましょう。
話を聞いてもらうことは癒し効果もあるそうです。自分の気持ちを受け止めてもらった、と感じて初めて、人の話を聞くスペースが生まれます。
懐疑/無力感/無関心の3つのマイナス感情とその対処法をピックアップして紹介します。
懐疑の感情を持つ人は、あなたの話を疑っています。
わたしは何者かのストーリー通りの生き方を実践し、言行一致を示すことで信頼を積み重ねていきましょう。
無力感の感情を持つ人は、「わたしにはできない」と自信を失っている状態です。
「事実」が人々に無力感をいだかせるのではない。無力感は感情によって生み出され、習慣化するのだ。
できないという自己評価は捉え方次第であり、自分の力を自覚させて希望を持てるように促すことで、無力感が軽減されます。
他人に希望を持たせられるのは、自分自身に希望を持っている人だけです。
無関心な人とは、まず感情のむすびつきを取り戻しましょう。
正面突破で無関心な人に関心を持て!と言っても、ますます心理的な壁は厚くなります。
壁を迂回して、テーマと離れたところでも良いので、感情がつながるようなコミュニケーションを取ります。
無関心な人は本当にそのテーマに関心がないとは限りません。
がっかりしたくないから、失望したくないから、最初から関心がないふりをしていることも多いです。
失望感を認めたうえで、それでもやってみたい!と希望を持てる理由を示せば、壁も自然となくなるかもしれません。
人を動かす力を強めるにつれて、あなたは気づくはずだ。あなたが相手に売り込んでいるものの本質は、希望なのだということに。
『プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える』の次に読むなら?
『プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『パブリック・スピーキングの教科書』
セミナーや講演会などでのスピーチの心構えとテクニックがわかる本。
話し方だけでなく、集客やセールスについても詳しいです。
商品を販売するためのプレゼンやセミナーをしている人、営業職の人にはとても実践的でおすすめ。
参考記事:『パブリック・スピーキングの教科書』の要約まとめ:心をつかむ話し方とは?
②『予想どおりに不合理』
行動経済学のベストセラーです。
人間は合理的には行動せず、感情で判断する生き物であるとわかります。
通じるものを感じました!
参考記事:『予想どおりに不合理』の要約・感想:行動経済学のはじめの一歩に最適!
③『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』
認知神経科学者が書いた本。
他人の意見や行動を変えたいときに客観的な事実がいかに無力であるか、
そして感情や周囲の状況のほうがはるかに影響を与えていることがよくわかります。
参考記事:『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』の要約まとめ:他人を動かすには?
まとめ:ストーリーで人を動かす
・話を聞いてもらうには話し手の信用が重要
・わたしは何者で、なぜここにいるのかを語る
・ストーリーで聞き手に新しい視点や解釈をそっと提供する
・新しい情報を与えるのではなく、無意識の考えに意識を向けさせる
・ゴールは聞き手を動かすことで、正しさを証明することではない
・まず聞き手に話を聞くスペースをつくる=話を聞く
・人を動かす=相手に希望を持たせること
ストーリーの持つ力がわかる本でした。
冒頭の1分でもストーリーテリングを取り入れてみたいです。
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