『不確実性超入門』は、不確実性との向き合い方がわかる本。
著者は金融アナリストの田渕直也さんです。金融アナリストでも株価など未来は予測できないし、不確実性を過小評価すると意思決定を誤ります。
不確実性とはチャンスと脅威の両面があり、必ずしも悪いものではありません。リスクを適切にとるためにも、不確実性をどう捉えるか?を学びましょう。勝率にこだわらずに小さな失敗を受け入れることが長期的な成果を上げるコツです。
★ 『不確実性超入門』 の要約ポイント★
・ランダムなものに因果関係を求めない
・べき分布はフィードバックループで生まれる
・予測に頼らない生き方
万人におすすめできる1冊です!
この記事では 『不確実性超入門』 の要約を紹介します。
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目次
要約①:ランダムなものに因果関係を求めない
不確実性の1つの要因にランダム性があります。
ランダム性はサイコロやコインを思い出す人が多いかもしれません。サイコロの目がいくつかは6分の1の確率、コインの裏表は2分の1の確率です。
1回1回の試行で何が出るかはわかりませんが、回数を重ねるほど確率どおりの結果に近づきます。
人間には、結果に因果関係を見出す心理バイアス(思考のクセ)があります。
どんなに小さな確率でも、誰かには起こっているし、たまたま的中することもあります。宝くじに当たる確率はごく小さい(100万分の1など)ですが、でも実際に当たっている人はいますよね。
宝くじに当たった人が、「あそこの窓口で買ったから当たったんですよ」なんて言っていたら、頭では関係ないとわかっていても、ちょっと試しにその窓口で宝くじを買いたくなります。
因果関係を見出すのは、脳の負荷を軽減して素早く判断できる利点があります。しかし、ランダムなものに因果関係を見出すと、誤った意思決定をしてしまう可能性があります。
すべてに因果関係があるという決定論は、量子力学によって否定されています。
ラプラスの悪魔のように状況を完全に理解する能力とそれを計算して導き出す処理能力があれば、因果関係によって予測できる、というのが決定論の考え方です。
ラプラスの悪魔:ある時点の状況を完全に理解している超越的存在
たとえば、コップが落ちて割れるかどうかは、コップが落ちる角度や高さ、スピード、床の材質などの状況を完全に把握していて計算できれば、完全に予測できる、というのです。
しかし、量子力学では、観測によって状態が定まることがわかっています。だから、いくらラプラスの悪魔でも観測前に計算して予測することはできないのです。
人間は本能的にランダム性を過小評価し、因果関係を過大評価する傾向があります。因果関係で説明できないときは、運命を持ち出してくることも。だから、ランダムなものをランダムと認知できないこともあります。
10回連続でコインの表が出たら、なんだか今日はラッキーなのかも?と思ってしまいますよね。でも、10回表が出る確率も✖✖〇✖〇✖〇〇✖✖と出る確率も同じです(なぜか前者のほうが珍しく感じてしまいます)。
要約②:べき分布はフィードバックループで生まれる
ランダムなものは正規分布の形を取りますが、もう1つの不確実性のタイプとしてべき分布になるものがあります。
べき乗則:物事の分布に極端な偏りがあること
発生頻度が下がるにつれて数は少なくなりますが、なかなかゼロにはなりません。正規分布の裾に比べると、べき分布のほうが極端なできごとの数は多くなります。
たとえば、身長は正規分布の形になりますが、保有資産はべき分布の形になります。AさんのほうがBさんより100倍身長が高い、というのはあり得ませんが、AさんのほうがBさんより100倍資産がある、は容易に想像がつきます。
正規分布は平均と標準偏差がわかれば計算できます。しかし、べき分布は何がわかれば計算できるというパラメータが特定できないため、不確実性はより高いです。
べき分布のような極端な偏りが生まれるのは、フィードバックループが働くからです。
フィードバックループ:結果が結果を再生産する
インプット⇒反応の過程⇒アウトプットがまたインプットになる
身長が高いという結果はさらに身長を高くするインプットにはなりませんが、資産が多いことはさらに資産を増やすインプットになります。
フィードバックループには2つのタイプがあり、必ずしも極端を促進するだけではありません。
自己増幅:極端なほうへ促進する
自己抑制:極端を抑制する
たとえば、株価が大幅に下がったとき、不安で売る人が増えれば株価が下がるほうへ促進しますが、下がったから買い時だと考える人が多ければ株価は持ち直す(極端に下がらない)可能性もあります。
どっちのフィードバックループがどのくらい働くかはけっきょくのところランダムであり、フィードバックループを理解したところで完全な予測はできません。
要約③:予測に頼らない生き方
人間には生存に有利な心理バイアスが多く備わっており、不確実性が高くプレッシャーがかかる状況では、時間をかけて合理的に考えるよりも反応的な心理バイアスが強く働きます。
たとえば、次のような心理バイアスがあります。
・過剰な因果関係づけ:ランダムなものに因果関係を見出してしまう
・自己奉仕バイアス:うまくいったことは自分のおかげ
・自己正当化バイアス:自分が正しい証拠ばかり集める、理屈を後付けする
・同調:みんなの判断が正しいと感じる、集団に合わせる
バイアスそのものが悪ではなく、バイアスがあると踏まえたうえで判断することが重要です。
著者は予測に頼らない生き方を提唱しています。
予測は当たらないのが当たり前であり、不完全な仮説にすぎないと理解して複数のシナリオを考えておく。そして、小さな失敗を受け入れられる人が長期的な成果を生み出せる、と言います。
予測に頼らない生き方は、勝率より総得失点を重視する考え方です。勝率を重視すると、負けを認めたくない、勝率を下げたくないので損切りができません。
予測はできないものと割り切り、数多くの手を試して小さな失敗を重ねながら大きなチャンスを手にしていく。それが不確実性との上手なつき合いかたです。
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『不確実性超入門』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『サイコロジーオブマネー』
お金とつきあうマインドがわかる本です。自分の感情と行動をコントロールし、長期・安定的に資産形成するための心構えを知ることができます。
紹介される事例が示唆深くて読みものとしても面白かったです。
参考記事:『サイコロジー・オブ・マネー』の要約:お金持ちになるには感情のコントロールが大切
②『「アンコンシャス・バイアス」マネジメント』
アンコンシャス・バイアスとは無意識の思いこみや偏見のこと。
多様な価値観を活かすためにアンコンシャスバイアスに気づいて対処するマネジメントがわかる本です。
自分のアンコンシャス・バイアスに気づける人は、
「これはアンコンシャス・バイアスではないか?」と自分に疑問を投げかけています。
参考記事:『「アンコンシャス・バイアス」マネジメント』の要約:最高のリーダーは自分を信じない
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