『聞く技術聞いてもらう技術』の要約まとめ:聞いてもらうから聞くことができる

『聞く技術聞いてもらう技術』の要約まとめ:聞いてもらうから聞くことができる

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『聞く技術聞いてもらう技術』は、「聞く」の不全と回復、つまりなぜ話を聞けないのか・どうすれば話を聞けるようになるのかがテーマの本です。

言葉通りに話を聞くだけでも、心の余裕がないと聞くことができません。聞くことができないときは、まず聞いてもらうことから始めましょう。

 

聞いたり聞かれたりが循環してつながることで、安心した心でいられる社会が保てます。

★ 『聞く技術聞いてもらう技術』 の要約ポイント★

 

・聞いてもらえないのは関係性に問題があるから

 

・孤立を防ぐには安心できる個室が必要

 

・心を回復させるのは身近な人

聞いてもらいたそうな人を見つけたら聞いてあげる。それが社会貢献につながります。

この記事では 『聞く技術聞いてもらう技術』 の要約を紹介します。

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要約①:聞いてもらえないのは関係性に問題があるから

話を聞いてもらえないのは、話の内容ではなく、関係性に問題があるからです。

話の内容は正しいはずなのに、いくら言っても聞いてもらえなかったことはありませんか。聞き手との関係性がこじれているから、何を言っても聞いてもらえなかったのかもしれません。

話を聞けなくなっているのには事情があること、耳を塞ぎたくなるだけのさまざまな経緯があったこと、あなたにはあなたのストーリーがあったこと。

そういうことを聞いてもらえたときにのみ、僕らの心に他者のストーリーを置いておくためのスペースが生まれます。

聞くという行為は、失敗したときだけ気づかれる損な役回りです。

精神分析家のウィニコットが考えた、環境としての母親に似ています。

対象としての母親:1人の人としての母

 

環境としての母親:意識されない母(例:洗濯物がたたまれている)

おなかが空いたと思ったら好きなお菓子が補充されていたり、夜になったらご飯が出てきたり、意識されないけど母がいるからこその環境です。

環境としての母親は当たり前になっていき、失敗したときにだけ気づかれます。

 

聞くという行為もうまくいっているときには意識されず、「聞く」の不全に陥ったとき、初めてなんとかする対象になります。

「聞く」が失敗する、「聞く」の不全に陥るときは、欠乏が起きているときです。

心にとって真の痛みは、世界に誰も自分のことをわかってくれる人がいないことです。

ですから、目の前に動かしがたい欠乏があっても、それでも誰かがその苦しさを聞いてくれ、わかってくれているならば、人はしばしその痛みに耐えることができます。

欠乏が起きていて、聞く側も当事者のとき、聞く側・聞かれる側双方が孤独になります。孤独のなかで話を聞くためには、後ろで支えてくれる仲間が必要です。

要約②:孤立を防ぐには安心できる個室が必要

 

聞く行為の中核には孤独の問題があります。孤独だから聞いてほしいのに、孤独を聞く人も孤独になってしまうのです。

孤独は厳密にいうと、孤独と孤立があり、次のような違いがあります。

孤独:心の中に安心できる個室がある

 

孤立:心は相部屋で悪しき他者がいる

ホームレスの支援でも、まずは住まいを提供するというハウジングファーストという考え方があるそうです。

 

悪しき他者とは、過去のトラウマから生まれる自分を攻撃する他者の声です。まず心の中に安心できる個室を持つこと、そのためには時間をかけて複数ある心のうちの小さい声を聞いてもらう必要があります。

心を見るって、同じ人の中で複数の心が綱引きしているところを見ることだと思うんです。これが繰り返されるなかで、徐々に小さな声のほうとコミュニケーションができるようになり、それに伴ってその子が少しずつ安全感を感じるようになります。関係が少しずつたしかなものになっていく。

こういうとき、この仕事をやっていてよかったなと心の底から思います。

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要約③:心を回復させるのは身近な人

 

カウンセラーなどの専門家は、心の問題をたちまち解決してくれる魔法を持っているわけではありません。心を回復させるのは、家族や友人など身近な人たちです。

専門家の役割は、本人が言葉になっていないことや認識できていないことを通訳し、身近な人のケアを再起動すること。心の問題が大きくなるのを世間知が防いでくれます。

世の中とはいかなるもので、どうすればそこそこ生きていけるのか、そのある程度「みんな」が共有している認識や知恵を教えてくれるのが世間知です。

多様性が尊重される社会で、”ふつう”という言葉を使うのは勇気が要ります。

でも、ふつうは毒にも薬にもなり、薬として使えば視野が狭くなっている人におかしいと気づかせたり自分の理解を深めたりすることができます。

”ふつう”の毒になる使い方⇒排除や否定に使う

「そのくらい働くのがふつうだよ」

 

”ふつう”の薬になる使い方⇒包摂と肯定に使う

「そんなに働いていたら、ふつうは倒れるよ」

身近な人の心のケアが重要であり、心にゆとりがある人は聞くことから始めるもよし、聞くゆとりがなければ聞いてもらうことから始めるもよし。

自分の話を聞いてくれる誰かがいるというだけで救われますし、聞いてもらうと聞く余裕もできる。聞くことのつながりの連鎖が、孤立する人を少なくする鍵です。

『聞く技術聞いてもらう技術』 の次に読むなら?おすすめの本3選

 

『聞く技術聞いてもらう技術』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。

①『コーチングよりも大切なカウンセリングの技術』

 

ビジネスの場面で使えるカウンセリング技術がわかる本。

コーチング的なコミュニケーションがダメなわけではなく、コーチングが機能するためにはカウンセリング的な関わりでまずエネルギーを充電しよう!という内容です。

カール・ロジャーズのカウンセラーの3条件も紹介されています。

参考記事:『コーチングよりも大切なカウンセリングの技術』の要約まとめ【徹底的に受容・共感】

②『なぜ、あの人には何でも話してしまうのか』

 

信頼関係をつくる聞き方/本音を話してもらう聞き方/聞き疲れしない技術を学べます。

イラスト多めで読みやすく、傾聴で大切な要素をまずは知りたい!という人におすすめ。

カール・ロジャーズのカウンセラーの3条件をベースに、カウンセラーでない人にも理解しやすい本です。

参考記事:『なぜ、あの人には何でも話してしまうのか』の要約まとめ:フラットに、素直に聞く

③『「安心のタネ」の育て方』

 

この本では安心を”個人の主観に基づく、人との関係性や環境への信頼感覚”と定義しています。

ポリヴェーガル理論によると、副交感神経には背側迷走神経と腹側迷走神経があり、それぞれを刺激することで安心感が養われるそうです。

 

日常でかんたんにできる、信頼感覚を育てるためのワークがたくさん紹介されています。

参考記事:『「安心のタネ」の育て方』の要約まとめ:ポリヴェーガル理論のワークがわかる

 

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