『成人発達理論による能力の成長』の要約:能力は具体的な課題に取り組むことで成長する

『成人発達理論による能力の成長』の要約:能力は具体的な課題に取り組むことで成長する

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『成人発達理論による能力の成長』は、知性発達科学の観点から大人が能力を成長させるための理論を紹介した本です。

カート・フィッシャーの「ダイナミック・スキル理論」を元に、能力の特性や成長の段階を解説しています。

端的に述べると、知性発達科学は、「私たちが持っている様々な知性や能力が、どのようなメカニズムで成長し、どのようなプロセスをたどりながら成長していくのかを解明する学問」のことです。

知性発達科学に関する本は初めて読みましたが、

わかりやすく実践しやすい形で書かれていました。

★『成人発達理論による能力の成長』の要約ポイント★

 

・能力は具体的な課題に取り組む中で成長する

 

・抽象度を上げることで能力のレベルを上げる

 

・他者を通じて最適レベルのパフォーマンスを引き出すと成長する

大人向けの学習カリキュラムを作る方や、企業の研修担当者・人材育成担当者におすすめです。

能力開発にどんな課題・環境・サポートが必要なのかのヒントになるでしょう。

この記事では『成人発達理論による能力の成長』の要約を紹介します。

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要約①:能力は具体的な課題に取り組む中で成長する

 

カート・フィッシャーの「ダイナミック・スキル理論」では、

能力はダイナミックに成長すると考えられます。

ダイナミック・スキル理論:

環境や他者との関わりの中で能力はダイナミックに成長する

 

なぜダイナミックに成長するかというと、

能力には環境依存性・課題依存性・変動性があるからです。

環境依存性:能力は自分が置かれている状況で発揮される

 

課題依存性:どんな課題を解決したいかで求められる能力が変わる

 

変動性  :自分の体調や気分によって発揮される能力にムラがある

能力を成長させるには、自分の置かれている状況を理解し、

伸ばしたい能力を具体的に定義する必要があります。

 

たとえば、リーダーシップのスキルを伸ばしたいと考えたとして、

それはどんな場面で誰にどう働きかける能力なのかを明確にします。

相手のやる気を引き出すスキルかもしれないし、

目標を達成するための計画を立てるスキルかもしれません。

 

能力は環境や他者と切り離して成長させることはできず、

具体的な課題に取り組む中で成長します。

 

7・2・1の法則

人が成長するためにどこから学びを得るか?について、7・2・1の法則というものがあります。

7・2・1の法則は、

・7割が体験から

・2割が他者の助言から

・1割が書籍や研修などから学ぶというもの。

 

実際に体験することが人の成長には不可欠です。

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要約②:抽象度を上げることで能力のレベルを上げる

 

能力にはレベルがあり、レベルが上がるにつれて抽象度が上がります。

 

最初は個別具体的な対象に対して発揮する段階から始まり、

レベルが上がると概念的な理解が進み、高度な概念にまとめ上げることができます。

 

抽象レベルでの理解は汎用性が高く、複雑な事象への応用が効きます。

そして重要なことは、複雑なものに対処する際に、私たちは、常にその複雑性よりも一段上の能力レベルがなければならない、ということです。「いかなる問題も、それが生み出された時と同じレベルで発想をしていては解決できない」というアインシュタインが残した名言は、まさにそのことを指摘しています。

抽象化できる=再現可能・教育可能であるということ。

 

人に教えるためには、

教える内容が抽象レベルで理解できている必要があります。

 

抽象的な思考ができるようになるには、内省と言語化が重要です。

 

知識や経験に自分なりの解釈で言葉を充てることで、

自分なりの持論=抽象化された原則になります。

要約③:他者を通じて最適レベルのパフォーマンスを引き出す

能力を成長させるには具体的な課題を通じた経験+内省と言語化が大切です。

 

しかし、課題が本人の能力に対して適切でないと、

能力開発のモチベーションを失ってしまいます。

「かんたんすぎて退屈…」または「難しすぎてパニック!」になったことはありませんか?

 

能力に対して他者のサポートがあればできるレベル(最適レベル)の課題を、

他者の適切なサポートのもと行うのが最適なトレーニングです。

能力の成長

 

サポートするときにはスキャフォールディング(足場固め)をします。

直接的には手取り足取り教えることですが、

問いかけで内省や言語化を促すことも間接的な足場固めになります。

【成長を促す問いかけの例】

 

抽象度を上げる:「つまり?」「要するに?」

 

具体化を促す :「たとえば?」

具体と抽象の行き来をサポートして自分なりの気づきを得てもらう、

コーチング的な働きかけですね。

 

⇓能力開発にも有効なコーチングについておすすめの本はこちら!

参考記事:コーチング初心者におすすめの本6選:傾聴スキルや心理的安全性に関する本も紹介

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『成人発達理論による能力の成長』の次に読むなら?おすすめ本3選

 

『成人発達理論による能力の成長』とあわせて読みたい3冊を紹介します。

①『直感と論理をつなぐ思考法』

 

自分のワクワクする直感や妄想からアイディアを形にする思考法についての本。

内省と言語化のレベルを上げるヒントになります。

参考記事:『直感と論理をつなぐ思考法』の要約まとめ:ビジョンドリブンとは自分モードで生きること

 

②『教える技術』

 

部下・後輩を指導するときに知っておくべき教える技術がわかる本です。

 

行動に着目することで、望ましい行動を引き出すにはどうすればよいか?

がわかります。

参考記事:本『教える技術』の要約まとめ:行動科学を元にした再現性のある教え方とは?

③『リーダーのための行動分析学入門』

 

行動分析学に興味がある人は『リーダーのための行動分析学入門』がおすすめ。

個人の資質や性格に原因を求めず、行動に注目して成果につながる行動変容を促します。

参考記事:『リーダーのための行動分析学入門』の要約:性格ではなく行動に着目する

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まとめ:能力の成長には体験・内省・他者の関わりが重要

・「ダイナミック・スキル理論」では、能力は他者や環境によって動的に成長する

 

・能力には環境依存性/課題依存性/変動性がある

 

・能力は具体的な課題に取り組む中で成長するものである

 

・能力のレベルが上がる=抽象度が上がる/再現可能/教育可能

 

・内省と言語化で自分の体験から持論をつくる

 

・他者のサポートで適切な難易度の課題に取り組むのが最適なトレーニング

ビジネス書よりは学術的な入門書なので、

具体的なハウツーが知りたい人には物足りないかもしれません。

 

しかし、理論的な基礎知識を知っているだけで、

研修やトレーニングの設計に自信が持てるでしょう。

わかりやすくて読みやすかったです。

ぜひ読んでみてくださいね!

 

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