『リーダーの仮面』は識学という意識構造学をベースにした組織マネジメント論を解説した本。
約2000社に導入され、効果を上げている組織論だそうです。
部下をほめる、部下のモチベーションを上げる、部下を気にかけるなど、
昨今のリーダー論をバッサリ切り捨てています。
昨今のリーダー論の問題提起になっていて読んで良かったです。
『リーダーの仮面』式のマネジメントでは、リーダーが見るべきポイントは5つあります。
★リーダーが見るべき5つのポイント★
・ルール:ルールを言語化して守らせる
・位置 :部下と距離を取り、上の視点から要求する
・利益 :集団の利益が個人の利益につながる
・結果 :プロセスは評価しない
・成長 :リーダーが先頭を走らない。成長の場を用意する
軍隊的なピラミッド構造を是とする組織論という評判でしたが、
権力や高圧的な態度は否定していて、
あくまでリーダーと部下の役割の違いをはっきりさせるという内容でした。
★『リーダーの仮面』の要約ポイント★
・感情によるマネジメントをしない
・ルール、立ち位置を明確にしてビジネスをスポーツに近づける
・点と点のマネジメントでプロセスに介入しない/評価しない
自由な職場の弊害を知る上で勉強になる本です。
この記事では、『リーダーの仮面』の要約と感想を紹介します。
目次
『リーダーの仮面』の要約
『リーダーの仮面』の要約ポイントは次のとおりです。
★『リーダーの仮面』の要約ポイント★
・感情によるマネジメントをしない
・ルール、立ち位置を明確にしてビジネスをスポーツに近づける
・点と点のマネジメントでプロセスに介入しない/評価しない
1つずつ詳しく紹介します。
感情によるマネジメントをしない
タイトルの『リーダーの仮面』は、
5つのポイント以外は見ないでスルーする=リーダーの仮面をかぶることを表しています。
素の自分で接していると、5つのポイント以外にも気にかけたくなるかもしれません。
仮面をかぶるというのは、素の自分とリーダーとしての自分を心理的に分ける意味で有効です。
『リーダーの仮面』で特徴的なのはできるだけ感情を排していること。
・部下のモチベーションは上げない(上がったら下がる)
・ささいなことでは部下をほめない(ほめると基準が下がる)
・嫌われることを恐れない(利益が下がること・結果が出ないことを恐れる)
など
特にインパクトがあったのはフィードバックの仕方です。
・目標を達成した場合の正しいフィードバック
「達成ですね。お疲れ様でした。」
・目標が未達だった場合の正しいフィードバック
「未達ですね。次からはどうしますか?」
ほめてくれた/くれなかったと一喜一憂させないんですね。
感情によるマネジメントをすると、人間関係の摩擦が生まれて効率が落ちます。
「上司に好かれるためには…」、「部下に嫌われないように…」、
「あの人のほうがひいきされているのでは?」など。
うまくマネジメントできるかをリーダーの人間性に依存するのではなく、
感情を排して科学的にマネジメントしようという内容です。
ルール、立ち位置を明確にしてビジネスをスポーツに近づける
リーダーが見るべきポイントに”ルール”と”位置”があります。
どちらも避けるべきことのように感じますよね。
ルールは悪者ではなく、
言語化して平等に守らせることで空気を読む必要がなくなります。
特に誰にでも守れる”姿勢のルール”を設定すれば、
同じルールを守る=仲間意識を芽生えさせることにもつながります。
<姿勢のルールの例>
・あいさつをする
・会議には遅れず出席する
・日報は〇時までに出す など
また、立ち位置をはっきりさせることは、
責任の所在がどこにあるか明確にすることにつながります。
結果の責任はリーダーにあることが明確になります。
「〇〇を△時までにお願いできる?」というお願い形式で依頼すると、
受けるか受けないかが部下の手に委ねられます。
これは立ち位置に反しているので、「〇〇を△時までにお願いします」と要求するのです。
部下に断る権利がないということではなく、
「これとこれがあるので、▲時までならできます」等は情報として判断材料にします。
ルールと立ち位置について、
”ビジネスをスポーツに近づける”という表現が腑に落ちました。
考えてみれば、すべてのスポーツには「ルール」があり、「フェア」な立場でプレーしています。
なのに、会社においてはそれが明確になっておらず、リーダーである監督はアンフェアな判断をしていることが往々にしてあります。
それを正していく。つまり「仕事」を限りなく「スポーツ」に近づけていくのが、目指すべきリーダーの役割です。
ルールを明確にして公平に誰でも同じスタートラインから始める。
明確な基準で順位がつく。
ルールと判断基準がはっきりしているから、
その他のことを気にせず結果を目指して邁進できるということです。
このときに、ルールが不明確だったり、審査員と仲の良さに左右されたりすると、
根回しや裏のルールを読むというムダな労力がかかります。
点と点のマネジメントでプロセスに介入しない/評価しない
『リーダーの仮面』では、プロセスに介入しない/評価しないのも特徴です。
プロセスに介入すると自分で考える機会を奪ってしまいます。
プロセスを評価しないのは、スポーツが結果がすべてであるように、
途中でどのくらいがんばったかを考慮しないということです。
”残業したほうが偉い”という雰囲気になりがち…
『リーダーの仮面』で推奨されているのは、点と点によるマネジメントです。
点と点のマネジメント=最初に目標設定して最後に報告してもらい評価する
最初に期限と明確な目標を設定し、期限のときに目標に対する結果を報告してもらいます。
結果が未達なら、次にどうするか?を確認し、
必要に応じて期限を短くしたり、目標達成の前提となる小さな目標設定を加えます。
たとえば、1か月で売上100万円の目標が未達なら、
報告期間を半月にしたり、営業プレゼン回数の目標数値を設定する等です。
『リーダーの仮面』のオーディオブック
『リーダーの仮面』は耳で聴けるオーディオブックがあります。
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『リーダーの仮面』の感想
『リーダーの仮面』を読んで、個人的に心に残ったポイントを紹介します。
できなかったときの言い訳を聞いてほしいから、「話を聞いてくれるリーダーが求められてしまう」のです。
つまり、寄り添うリーダーが、成長の止まっている状態を正当化してしまいます。
著者は寄り添い型のリーダーに手厳しいですね。
寄り添い型にも良いところがあると思いますが、
成長意欲がない人に寄り添うのは時間のムダという側面も受けとめます。
かといって、人によって寄り添う/寄り添わないを変えると不平等になってしまうので、
感情によるマネジメントは公平感を維持するのが難しいのかもしれません。
本書で繰り返してきたように、仕事は「仲良くやること」が目的ではありません。「きちんと稼いで、食えるようになること」がゴールです。
そのためには、成長することは避けられません。
成長できずに、食いっぱぐれるのが、もっともダメなこと。つまり「非人間的なこと」です。
識学は”非人間的”や”軍隊のようだ”と批判されることがあるそうです。
たしかに”ピラミッド型組織を良しとして感情に左右されないマネジメント”と聞けば、
冷たいイメージが思い浮かぶかもしれません。
『リーダーの仮面』を読んでみて、”非人間的”や”軍隊”とは感じませんでした。
”結果と成長に必要なリーダーの要素を抽出したらこうなった”という印象です。
営業職など、同じ競技で切磋琢磨して結果も明白な職種には特に有効だと思います。
逆にチームで異なる仕事を担当しながら1つのサービスを作っていくような仕事は、
人とのかかわりの中からアイディアが生まれる面があるので、
感情は大切な要素であると感じました。
感情も考慮した高度なマネジメントが必要なのではないでしょうか。
まとめ:『リーダーの仮面』は感情を排したマネジメント手法
・リーダーが見るべき5つのポイントはルール/位置/利益/結果/成長
・感情によるマネジメントはしないので結果に集中できる
・姿勢のルールを守らせることで仲間意識が芽生える
・ビジネスをスポーツに近づける(公平、わかりやすい評価)
・プロセスに介入しない/評価しない
・最初に目標設定をし、最後に報告させて評価する
・個人で完結する仕事、結果が明確な仕事には感情を排したマネジメントが向いているかも
自由を重要視したマネジメント論はグーグルなどの創造性が高く、
そもそもチームの構成員が優秀な組織で有効なマネジメントです。
個人が切磋琢磨して成長するような環境は、
仲良しチームより良きライバルのチームを作るのが合っているかもしれません。
感情を大切にしたマネジメントで疲弊しているリーダーには、
今のマネジメント方法が自分のチームに最適か?を考えるヒントになる本です。
★今回紹介した本★
★自由度を大切にしたマネジメントの本も読んでみよう★
本『ワーク・ルールズ』の要約まとめ:グーグルの人事制度のヒミツとは?
『心理的安全性のつくりかた』の要約:脱ぬるま湯職場!心理的安全性の4因子とは?
『駆け出しマネージャーの成長論』の要約:マネジャーがぶつかる7つの挑戦課題とは?
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