『「人それぞれ」がさみしい』の要約まとめ:やさしいようで冷たい言葉

『「人それぞれ」がさみしい』の要約まとめ:やさしいようで冷たい言葉

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『「人それぞれ」がさみしい』は、「人それぞれ」という言葉の裏にある社会の息苦しさに目を向けられる本です。

 

「人それぞれ」は個人の意思を尊重する一見良い言葉に思えますが、お互いに踏み込まない一線を引いているような、突き放した印象もあります。

「人それぞれ」のあふれた社会がどのようなもので、どんなデメリットがあるか、どうすればさみしさを払拭できるかのヒントがわかります。

★『「人それぞれ」がさみしい』の要約ポイント★

 

・「人それぞれ」はどこか冷たい言葉

 

・「人それぞれ」のデメリット:対話を遮断、自己責任

 

・異質な他者を積極的に取り込む

対話が先に進まないもどかしさの理由がわかりました。

人間関係に悩む人にぜひ読んでほしい1冊です。

この記事では『「人それぞれ」がさみしい』の要約を紹介します。

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要約①:「人それぞれ」はどこか冷たい言葉

 

「人それぞれ」は個人を尊重しているようで、どこか冷たい印象もあります。

Aさん:「〇〇について、わたしは△△だと思うけど、Bさんはどう思う?」

 

Bさん:「たしかにそうかもしれないけど、まぁ、人それぞれだよね。」

 

Aさん:「…そうだよね。」

「人それぞれ」と言われたら、それ以上意見を述べるのは個人の権利を損害しているような気になりますよね。「話はここでおしまい!」と言われている印象を受けます。

 

いまの社会は、昔よりも自分で自由に決められる範囲が拡大しています。

誰と結婚するか、もしくは結婚しないか、どの会社に入るか、休日はどう過ごすか、どんな趣味を持つかなど、数十年前よりは自由に決められますよね。

 

「人それぞれ」の社会が成り立つようになったのは、物の豊かさと個人を重視する思想が浸透したからです。

<物の豊かさ>

・集団に属さなくても1人で生活できるインフラがある

・お金があれば誰かと協力しなくてもたいていの物は手に入る

<個人を重視する思想>

・1人ひとりの多様性を尊重する思想が広まってきた

・定番のライフコース(終身雇用、結婚)が存在しなくなった

物質的に豊か・便利になったり、1人ひとりを尊重するようになったりしたのは良い側面ももちろんあります。ご近所の密な関係でお互いに助け合ったり、ライフコースの選択肢が少ない時代に戻りたい人は、少数派ですよね。

ただ、「人それぞれ」の社会が進むことによるデメリット、息苦しさも同時に発生しています。

要約②:「人それぞれ」のデメリット

 

「人それぞれ」の社会にはデメリット、負の影響があります。

対話を遮断する、自己責任を強めるという2点について紹介します。

「人それぞれ」のデメリット:対話を遮断する

「人それぞれ」という言葉には、それ以上話を掘り下げられない響きがあります。

踏み込んではいけないラインの手前の表面的な会話では、お互いの理解は深まらず、上っ面の関係性しか築けません。

主義・信条を率直に表明できる「個を尊重する社会」を目指した私たちは、いつの間にか、それぞれの人たちを不透明な膜で仕切った「人それぞれの社会」をつくりあげてしまいました。「人それぞれ」の横行する社会で、対立や批判をも含んだ強靭な関係や、共感をともなう関係をつくることは難しいでしょう。

2012年に青年研究会が行った調査によると、16~29歳の人のうち、友だちといるより一人のほうが落ち着くと答えたのは71.7%、友だちと連絡を取っていないと不安と答えたのは84.6%だったそうです。

つまり、一人でいるほうが落ち着くにも関わらず、友だちと連絡を取っていないと不安と感じる人が多いということ。

 

「人それぞれ」のラインを侵さないように気を遣いながら、でもつながりはほしいというジレンマがうかがえます。

 

「人それぞれ」のデメリット:自己責任

「人それぞれ」の社会では、周りを巻き込むような、一人では叶えられないことをリクエストしにくくなります。なぜなら、リクエストが相手の権利を侵害するリスクがあるからです。

 

大学生がオンライン授業ではなく友だちと一緒に対面の授業を受けたいと思っても、それは友だちがオンライン授業を受ける自由を制限するようで要望しにくくなります。

その結果、多くの大学生が対面授業を望んでいたとしてもオンライン授業が続く…ということが起こるかもしれません。

 

リクエストしにくいわりに、自分の選択の結果は自分で負うべきという自己責任論が強くなります。

しかし、選択肢をそもそも知らない環境にいる人の選択は、100%自己責任と言えるでしょうか。

 

自由な選択は格差を拡大させます。

たとえば、「勉強するのもしないのも自由」とした場合、親が勉強させるように働きかけたり、子ども自身が親を見て勉強したりする家庭と、そうではない家庭で学力差が広がるでしょう。

「人それぞれ」に選んだ結果は、平等や公平な状況をもたらすとはかぎらないのです。「人それぞれ」の社会には、そうした選択には関与せず、結果の責任を個々人に押しつける厳しさがあります。

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要約③:異質な他者を積極的に取り込む

 

「人それぞれ」の社会の問題の裏には、異質な他者の不在という共通点があります。

異質な他者:自分とは異なる、あるいは批判的な意見を持った他者

異質な他者とかかわらないと、お互いに自分が正しいと信じ込んで主張・批判しあうだけで、社会の分断が進みます。言いたいことだけ言って、相手の話を聞いていないのですから、溝は埋まりません。

 

同じ意見の人とだけ結びつくことで異質な他者は排除され、どんどん主義・主張が純化されていきます。

特にインターネットが普及した社会では、SNSや検索エンジンのアルゴリズムによって純化は進みます。自分と同じ意見のものばかり表示されることで、自分の主張がどんどん強化されていくのです。

 

このような事象は、フィルターバブルやエコーチェンバー現象と呼ばれます。

リコメンド(おすすめ)機能は便利ですが、フィルターバブルに陥りやすいと自覚して使わないと危険ですね。

 

「人それぞれ」の社会でもつながりを感じながら、自分の主義・主張を妄信しないためには、異質な他者を積極的に取り込む必要があります。

 

具体的には、コスパの論理抜きで人とつき合うことです。

本書に引用されている、菅野仁さんの”気の合わない人とでも一緒にいる作法”という言葉が印象的でした。

つき合いにかけるコスト(時間やエネルギー)に見合ったリターンがあるかという基準で人間関係を築いていると、一緒にいて楽な人とばかりつき合うことになります。

考え方が同じだから一緒にいるのではなく、自分と違ったとしても信頼できる・一緒にいたいと思える人とつながりをつくる心がけをしましょう。

コスパで人間関係を考える人ばかりの社会では、あなた自身がコストと判断されたときには切られるリスクがあります。

私たちは豊かになったからこそ、「一人」になるだけでなく、相手の前にあえてとどまり、「ただつき合う」ということをもっと意識したほうがよい。そこから得られる多様性もあるのではないかと私は考えています。

『「人それぞれ」がさみしい』の次に読むなら?おすすめ本3選

 

『「人それぞれ」がさみしい』とあわせて読みたい3冊を紹介します。

①『対話力 私はなぜそう問いかけたのか』

著者はノンフィクションライターで、アスリートをはじめ多くの著名人をインタビューしている小松成美さんです。

対話の喜びやすばらしさ、特に聞く力の大切さがわかります。

豊かなコミュニケーションをしたい、もっと人とのつながりを感じたいという人におすすめの本です。

参考記事:『対話力 私はなぜそう問いかけたのか』の要約・感想:心が豊かな聞き手になる

 

②『実力も運のうち』

 

生まれつきの才能や環境の不平等さはあるから、実力も運だとして謙虚にならなければならない。

謙虚さを忘れたとき、恵まれた者と恵まれなかった者の分断が進みます。

関連記事:【要約】実力も運のうちー能力主義は正義か?ー能力主義のデメリットとは?

 

③『多様性の科学』

 

多様性が組織に与えるプラスの影響がわかる本。

人それぞれを理解し合えば、新しい価値が生み出せます。

個人的に、2021年おすすめベスト3に入る本です!

参考記事:『多様性の科学』の要約と感想:多様性がなぜ必要なのか?がわかる本

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まとめ:相手に一歩踏み込む勇気がもらえる本

・「人それぞれ」には自分と相手を線引きする冷たさがある

 

・物の豊かさと個人を重視する思想により「人それぞれ」が浸透した

 

・「人それぞれ」は対話を遮断し、相互理解が進まない

 

・「人それぞれ」の選択の結果は自己責任に思われやすい

 

・自分と異なる考え方の他者を積極的に取り込む

 

・コスパの論理抜きで人とつき合う、気の合わない人とでも一緒にいる

自分が「人それぞれ」と言うときの、突き放したような諦めたような感覚を思い出しました。

人間関係や社会問題の解決を考えるうえでとても参考になる本です。

 

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