『メンタルマネジメント大全』は、メンタルを整える実践的な知識と方法がわかる本。
メンタルヘルスも体の健康と同じように鍛えることができ、不調になる前から投資することで予防もできます。
セルフケアに使いやすいツールがたくさん紹介されていて、悩み別に適した対処法を調べられます。
★ 『メンタルマネジメント大全』 の要約ポイント★
・気分が落ち込むときはクロスセクション分析
・自信をなくしているときはあえて未知の世界に挑戦
気分が落ち込むときと自信をなくしているときのケースをピックアップしてまとめました。
この記事では 『メンタルマネジメント大全』 の要約を紹介します。
目次
要約①:気分が落ち込むときはクロスセクション分析
気分が落ち込むのはさまざまな要因があります。
ネガティブな思考がネガティブな気分をつくる、と思われがちですが、思考だけが気分の落ち込みの原因だけではありません。ネガティブな気分がネガティブな思考を作ったり、身体的感覚がネガティブな気分を作ったりして、複雑に絡み合い、負のループを作り出すのです。
気分が落ち込んだら、要素分解をして、どんなループにはまっているかを可視化しましょう。わかれば抜け出すヒントになります。
具体的には、思考/感情/身体的感覚/行動でわけます。
クロスセクション分析
・思考:そのとき何を考えていたか?何に注意を向けていたか?
・感情:どんな気持ちになったか?
・身体的感覚:その気持ちを体のどこで感じた?どんな感覚に気づいた?
・行動:どんな衝動が現れた?どんな行動を取ったか?
行動は感情や思考にどんな影響を与えたか?
(例)
・思考:私は何をしてもうまくいかない
・感情:悲しみ、気分の落ち込み
・身体的感覚:食欲不振、エネルギー不足
・行動:目標を諦める、友人を避ける
悲しいから目標を諦め、目標を諦めるから何をしてもうまくいかないという思考を強め、その思考が強まるからますます落ち込んでエネルギーが不足する。エネルギーが不足するから一人でいるのを選び、一人でいるからますますネガティブな思考を巡らる…
思考/感情/身体的感覚/行動がそれぞれ相互に関係し合って、ますます落ち込むようになっていることがわかります。
気分が良い時もクロスセクション分析をしてみます。
気分を良くするには、自分にどのように語りかけると良いか?いつもより何を多く/少なくしていたか?などを考えてみましょう。それが負のループに入らない・断ち切るヒントになるかもしれません。
負のループから出るために、気晴らし(テレビ/SNS/食べ物/アルコール等)に走る人もいます。しかし、それは感覚をマヒさせてループを中断させているに過ぎません。対象の行動をやめた途端、またループに戻ってしまいます。
要約②:自信をなくしているときこそ未知の世界に挑戦
誰かに批判されると自信がなくなりますよね。まず、批判はあくまでその人独自の考えに過ぎないと理解しましょう。
特に人格や自尊心に向けられた批判は、恥の感覚とつながり、脅威システムを稼働させてしまいます。
恥を感じないようにするのではなく、恥を感じても再び立ち上がるレジリエンスが重要です。
批判に対してレジリエンスを高める方法は次のとおりです。
・自分にとって何が恥なのか知る、人間性の一部とみなしている部分はどこか
・批判は事実ではなく物語であると知る
・自分にかける言葉に気を付ける、自分の味方になる
・信頼できる人に話す
自分にとって何が恥かを知れば、脅威システムのスイッチがどこにあるか自覚できます。批判は相手のつくった物語なので、事実として受け止めて自分を責めるのはやめましょう。1回の批判で100回のダメージに増幅するのが自己批判です。信頼できる人に話すことで完了し、次に進むことができます。
また、自信を育てるには未知の世界に飛び込むことです。
道の世界に足を踏み入れ、自らの恐れに向き合おうとする勇気が、自信を育てるのだ。(中略)ここで重要なのは、恐れは最善を尽くす助けになるということだ。恐れを排除しなくても挑戦できるようになるには、恐れとの関係を変える必要がある。つまり、恐れと共存することを学ぶのだ。
自分がどうにかできそうなストレッチゾーンに挑戦することで、自信を養うことができます。
自分にとって達成したいことを決めたら、「絶対ムリ!」というパニックゾーンの行動を考えます。その後、どうにかこなせそうなストレッチゾーンの行動を考え、実行に移します。
ストレッチゾーンに挑戦しやすくするために、完璧な保護者というツールがあります。
・完璧な保護者=その人のもとに戻れば自分は守られていて安全だと思える人(想像上の人物でもいい)をイメージする
⇓
・自分が抱えている問題やそれについてどう感じるか、どうしたいかを話して、何と答えるかを想像する
そのときの言葉が、恐れに負けそうなときの支えになります。
他にも、やる気が出ないとき、大切なものを失ったとき、心が満たされないとき等、悩み別に必要な知識がまとめられています。
『メンタルマネジメント大全』 の次に読むなら?おすすめの本3選
『メンタルマネジメント大全』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『「安心のタネ」の育て方』
この本では安心を”個人の主観に基づく、人との関係性や環境への信頼感覚”と定義しています。
ポリヴェーガル理論によると、副交感神経には背側迷走神経と腹側迷走神経があり、それぞれを刺激することで安心感が養われるそうです。
日常でかんたんにできる、信頼感覚を育てるためのワークがたくさん紹介されています。
参考記事:『「安心のタネ」の育て方』の要約まとめ:ポリヴェーガル理論のワークがわかる
②『セルフトークマネジメント入門』
セルフトークとは感情や行動を支配するひとり言のこと。
怒りに支配されているときは、ネガティブなセルフトークが頭にかけめぐっていませんか?
ネガティブなセルフトークを断ち切って、ポジティブに置き換える方法がわかります。
参考記事:セルフトークとは何か&活用方法がわかる!『セルフトークマネジメント入門』の要約まとめ
③『あした死ぬかもよ?』
人生の最後の日から今の自分を見ることで、本当にやりたいことや人生の貴重さが身に染みて分かる本です。
質問やワークで構成されており、落ち込んだとき・人生の目的を見失ったときに読むと、本当にやりたいことに立ち戻ることができます。
参考記事:『あした死ぬかもよ?』の要約まとめ:死を意識すると今を全力で生きられる
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