『シュガーマンのマーケティング30の法則』は、モノを買う顧客心理を利用した心理的トリガーが30こまとめられています。
アメリカ伝説のマーケターと言われる著者が、実際の広告を使いながら心理的トリガーの使い方を説明してくれます。営業や販売に関わる人におすすめです。
どれもすぐに取り入れられそうな気軽さで、アクションステップも載っています。
★ 『シュガーマンのマーケティング30の法則』 の要約ポイント★
・何よりも正直であること
30.正直さ/7.誠実さ/14.信頼性/4.欠点の告知/5.抵抗感の克服など
・感情で買い、理屈で正当化する
2.適切なアピールポイント/3.顧客の特徴/11.感覚/12.理屈による正当化など
・体験させて販売プロセスに巻き込む
6.巻き込みとオーナーシップ/8.物語/16.リンキングなど
この記事では 『シュガーマンのマーケティング30の法則』 の要約を紹介します。
目次
要約①:何よりも正直であること
広告や販売で一番重要なトリガーは、正直さです。
お客様には正直かどうかバレてしまうと考えたほうが良いでしょう。どんな心理的トリガーも、正直さがあってこそ効果があります。
正直であることに関わる心理的トリガーは次のようなものがあります。
30.正直さ:正直であることでお客様を味方にすることができる
7.誠実さ:誠実かどうかは驚くほどお客様に伝わる
14.信頼性:信ぴょう性に欠けるメッセージは見破られる
4.欠点の告知:欠点はまっさきに伝える
5.抵抗感の克服:お客様の抵抗感を先読みして処理する
人は、正直かどうか、信じられるかどうかを敏感に感じ取ります。
結論から言って、消費者はちょっとしたコミュニケーションからも本当と嘘を見抜くのだ。私が広告で正直であればあるほど、その広告が効果的だったことからも明らかだ。広告コピーに嘘を書いても、だませるのは自分だけなのだ。広告は伝えたいと思ったことを伝えてくれるが、隠したつもりのことも伝えてしまう。文章にさっと目を走らせるだけの相手にも、違和感だけは伝わるのだ。
正直であろう・誠実であろうとするには、意識することが重要です。自分の考え、言葉、行動が一致しているか、約束を守っているかをいつも厳しいレベルで確認します。
商品に欠点があるときは、真っ先に欠点を伝えましょう。欠点を隠さないこと+早く伝えることが重要です。
欠点を最初に提示することによって、お客は初めに持っていた警戒心を解いてくれる。そして、あなたのことを人をだます人間ではなく、正直者とさえ思ってくれる。信頼や敬意を抱いたお客はバリアが低くなる。そして、あなたの商品やサービスの本来の利点を受け入れようとしてくれるのだ。
相手に気がかりなこと=抵抗感があれば、その抵抗感が解消されない限り警戒心は解かれません。抵抗感を先読みし、売り込む前に処理しなければ、どんなに説得してもムダです。
ただし、ここで取り上げる抵抗感は、お客様が誰でも思いつきそうな典型的で重大な問題に限ります。大したものではない問題まで対処しようとすると、気づいていない抵抗感を抱かせ、対処する手間が増えるだけです。
要約②:感情で買い、理屈で正当化する
人がモノを買うときは、感情で買い、あとからもっともらしい理屈で正当化します。
その性質を考慮に入れて、まずは感情に注目しましょう。
お客の感情的ニーズを調べること。とりあえず、合理的なニーズについては忘れていい。お客が買いたいと思う動機の本質の部分は、感情を酌んでこそ理解できる。そして、お客の心に近づくためのさまざまなヒントは、「感情」にこそ隠れている。
感情で買い、理屈で正当化する心理的トリガーは次のようなものがあります。
2.適切なアピールポイント:商品の特性を理解し、お客との接点を見つける
3.顧客の特徴:お客を知る、買う気にさせる理由を知る
11.感覚:感覚的な理由で買う、どんな言葉にも感覚的意味合いがある
12.理屈による正当化:感覚的な買い物の論理的理由を提示する
9.権威:自分の買い物に対する確信がほしい
商品のアピールポイントと顧客の特徴から、顧客が商品を買う感情的な理由と論理的な理由を探します。商品知識や自分の人生経験から、一番ぴったりくるお客様との接点を見つけましょう。実際にお客様の声を聞き、どれが反応が良いかテストすることも重要です。
人は感覚でモノを買うので、広告に使う言葉が与える感覚的意味合いに注意を払います。
言葉には、一語一句、短い物語とも言えるような感覚(的意味合い)が備わっている。それに気づくことができたら、特定の言葉が販売にどんな効果をもたらすかが分かるようになるはずだ。
たとえば、リペア(修理する)をフィックス(元通りにする)と変えただけで、レスポンスが2割増えたそうです。
感覚で買う気になったお客様でも、ふと「これを買って本当に後悔しないかな?」と疑問が浮かぶことがあります。そんなときに重要なのが、合理的な買うべき理由です。あとで家族や友人に「なんで買ったの?」と聞かれたとき、堂々と答えられる理由が必要なのです。
自分の買い物が間違っていない、一番良い選択肢だという確信がほしいもの。買うべき合理的な理由があり、さらに権威のお墨付きがあれば安心して買うことができます。権威は、肩書や経験、知識などで表すことができますし、切り口によってNo.1や最も〇〇をつくることも可能です。
要約③:体験させて販売プロセスに巻き込む
販売プロセスの過程で商品を体験させたりお客様を巻き込んだりすると、購買意欲が高まります。
体験させて販売プロセスに巻き込む心理的トリガーは次のようなものがあります。
6.巻き込みとオーナーシップ:行動を起こす自分を想像させる
8.物語:使っているシーンなどを物語で想起させる
16.リンキング:すでに知っていること、理解していることにひもづける
車なら試乗する、サンプルを使ってもらうなど、実際に商品を試してもらえば、お客様に所有感が生まれます。実際に試してもらうのが難しい商品の場合も、部品の一部を持っていって触ってもらう、使うまでの具体的な準備(組み立てや設置など)や使っているところを想像させるなどの方法が有効です。
お客様を巻き込むための仕掛けをインボルブメント・デバイスと呼びます。
たとえば、スペルチェックの機械を販売した際、実際に広告のスペルミスを全部見つけて送付すると安く買える、というキャンペーンを行ってよく売れたそうです。
また、人は物語が好きなため、商品にまつわるストーリーなどを入れると、セールスに人間味を与えてお客様と商品がつながりやすくなるでしょう。お客様の日常に馴染みがあるもの、すでに知っているものにひもづけることで、親しみやすく、購入のハードルも下がります。
最後に、個人的に心に残った心理的トリガーを紹介します。それは21.単純明快さです。
複雑なオファーを聞いてくれるのは一回買ってくれた顧客だけ。最初のオファーはシンプルに、すでにお客様に必要なものを選定した上で提示します。
優秀なセールスパーソンとは、お客に何を買うべきかをシンプルに教えられる人だ。お客が選びやすいように選択肢を絞り込み、購入のプロセスも単純で手軽なものにする。それはセールスパーソンの大きな仕事なのだ。
具体的なエピソードを省略していますが、本にはたくさんの実例やエピソードが載っています。
ここで紹介しきれなかった心理的トリガーもあるので、ぜひ読んでみてくださいね。
『シュガーマンのマーケティング30の法則』 の次に読むなら?おすすめの本3選
『シュガーマンのマーケティング30の法則』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『10倍売る人の文章術』
セールスレターに特化した、同じくシュガーマンの本です。
いかに広告を最後まで読んでもらうか、のテクニックがまとまっています。
事例が古いのが難点ですが、”購買は情緒的行動である”としており、購買につながる文章とはどういうものか?がわかります。
参考記事:シュガーマン『10倍売る人の文章術』の要約まとめ:セールスライティングの原則がわかる
②『PRESUASION(プリスエージョン)』
PRESUASIONとは、persuasion(説得)の接頭辞perをpre(前)にもじった造語です。
説得の前に何に注意を向けているかが、その後の判断に大きく影響します。
顧客の心理状態を把握して注意をコントロールする大切さがわかります。
参考記事:『PRESUASION(プリスエージョン)』の要約まとめ:説得の下準備が大切
③『ハイパワー・マーケティング』
マーケティングの古典、名著と言われる本。
ビジネスを大きくするための必要なこと、特に顧客との関係性がいかに重要かがわかります。
『ハイパワー・マーケティング』に出てくるクライアントの定義は次のとおりです。
クライアント=”あなたの保護下にある人”
商品を一度買ってくれた人という意味ではなく、あなたのことを信頼できるアドバイザーと捉えている人がクライアントです。信頼されるような関係性を作り出すことで、ビジネスは大きくなっていきます。
参考記事:『ハイパワー・マーケティング』の要約まとめ:シンプルで効果的なビジネスの成功法則
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