『オルフェウス・プロセス』の要約まとめ:指揮者がいないオーケストラのリーダーシップとは?

『オルフェウス・プロセス』の要約まとめ:指揮者がいないオーケストラのリーダーシップとは?

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『オルフェウス・プロセス』は、指揮者のいないオルフェウス室内管弦楽団を参考に、メンバーそれぞれがリーダーシップを持つ組織の作り方がわかる本です。

 

指揮者がいないからと言って、リーダーがいないわけではありません。

リーダーの権力や責任をメンバー全体で共有している、マルチ・リーダーシップマネジメントが機能しています。

 

メンバーにどうオーナーシップ(所有者意識)を持ってもらうかがポイントです。

★『オルフェウス・プロセス』の要約ポイント★

 

・指揮者の権力と権威をメンバー全員で共有する

 

・オルフェウスプロセスの3つの要素

 エンパワーメント/流動的なリーダーシップ/開かれた対話

思った以上に、オーケストラは指揮者の権力が強いとわかりました。

新しい組織の形として参考になります。

この記事では『オルフェウス・プロセス』の要約を紹介します。

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要約①:指揮者の権力と権威をメンバー全員で共有する

 

指揮者がいないオーケストラがどうやって演奏方法を決めているかというと、

指揮者の権力と権威をメンバー全員で分散し、共有しているのです。

 

具体的には、次のように決まります。

・曲目によってコアと呼ばれるリーダーを5~10人選出、その中からコンサート・マスターを選出。

 

・コアが曲の解釈についてたたき台をつくり、それぞれ全体に伝える。

 

・全体で合わせるリハーサルで、全楽員が意見と批判を出す。全員の合意形成に向けてじっくり話し合う。

 

・演奏会直前に数名がホールから演奏を聞いてフィードバックする。

コンサート・マスターは指揮者の代わりではなく、合意形成を促す役割を果たします。

コアを選ぶのも楽員自身です。

 

オーケストラでは指揮者の権力が絶対的に大きく、指揮者と対等に意見交換することや他の楽器の演奏家に意見を出すこともないのだとか。

それに対してオルフェウスでは、打楽器奏者が管楽器奏者に意見をするなど、すべてのメンバーが全体の演奏の質にオーナーシップ(所有者意識)を持っています。

オルフェウスの最も重要な特徴は、指揮者不在ではなく、演奏家が組織のあらゆる場所で大きな権力と職権を行使することにある。

 

オルフェウスのマルチ・リーダーシップマネジメントには次の8つの原則があります。

<オルフェウスプロセスの8つの原則>

 

①その仕事をしている人に権限をもたせる

 

②製品と品質に自己責任をもたせる

 

③役割を明確にする

 

④リーダーシップを固定させない

 

⑤平等なチームワークを育てる

 

⑥話の聞き方を学び、話し方を学ぶ

 

⑦コンセンサスを形成する

 

⑧職務へのひたむきな献身

ポイントを3つにまとめて次から紹介しますね!
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要約②:オルフェウスプロセスの3つの要素

 

オルフェウス・プロセスに欠かせない要素を3つにまとめました。

エンパワーメント/流動的なリーダーシップ/開かれた対話

1つずつ詳しく紹介します。

エンパワーメント

エンパワーメントとは、権限を委譲することです。

その仕事を一番よくわかっているメンバーに権限を委譲し、創造性を発揮する機会や責任感を持つ機会を与えます。

 

権限が与えられている=信頼されている、尊重されているということです。

オルフェウスでは、自分が取るに足りない人間だと感じることはない。私たちは権力を与えられており、私たちがすることは大いに尊重され、そして結果に影響をおよぼすことができる。だから私たちは、どんな状況にあっても、どうしたら貢献できるか、何を来たいされているのかを考える習慣が身についている

 

エンパワーメントされたメンバーは商品やサービスの品質を自分事に捉え、

問題が起きたら自分が解決しようとするでしょう。

 

エンパワーメントは具体的に次のような取り組みで実現します。

・全員に意思決定させる、目標設定に参加させる

 

・マイクロマネジメントをしない

 

・メンバーに情報を公開する

 

・フィードバックされる仕組みを持つ

オーナーシップ(所有者意識)を持つには、

”自分が結果に影響を与えられる”と信じられることが必要です。

 

流動的なリーダーシップ

オルフェウスではリーダーが流動的です。

リーダー経験を持つ人が増えると、リーダーとしても考えられるフォロワーが増えていきます。

オルフェウスでは、リーダーとそれに従う人びととのあいだに、いつも流動性と相互作用がある。

 

リーダーが流動的だと、一貫性に欠けるという問題があります。

リーダーを固定させずに一貫性を保つには次の要素に注意します。

・バランス:個人の考えとグループ全体の動きのバランス

 

・公正:他人のアイディアを試している間は疑念を持たない

 

・統合:他人の意見が全体に好ましいと思えば取り入れる

 

・決断力:必要なときに断固たるリーダーシップを発揮する

リーダー=個人の意見を好きに通せる、というわけではなく、全体のビジョンや理想像を共有していれば、誰がリーダーになっても変な方向にはいかないということです。

 

流動的なリーダーシップを実現するには、組織全体で協力的な環境をつくることも必要です。

 

ゴアテックスを製造・販売しているWLゴア&アソシエーツ社が例として挙げられていました。

<WLゴア&アソシエーツ社のラティス型組織>

 

・スポンサーとアソシエイツで構成される

 

・スポンサーはアソシエイツに選ばれ、アソシエイツの成功を支援する

 

・アソシエイツには最低1人のスポンサーがいる

 

・スポンサーにもスポンサーがいる

ラティスとは格子のことです。

 

従来の上司の役目をスポンサーが果たしますが、そこには指示命令系統はなく、

上司だけの特権もありません。

従業員が組織内でリーダーシップを発揮することを望んでいると主張するが、いざ従業員がリーダーシップを発揮しようとすると、それを阻止しようとする会社、マネージャー、上級管理者も多い。

従来の階層型組織のまま流動的なリーダーシップを実現するのは難しいのかもしれません。

開かれた対話

 

3つ目の要素はすべてのメンバーが開かれた対話の方法を理解し、実践していることです。

オルフェウスでは、人の意見を聞くことは、単に仕事として押しつけられた責任ではなく、全員が一様に同僚の経験から学びたいと心から願っている結果なのである。

 

全員が尊重されるからと言って、なんでも思ったことを言い合っていては収拾がつかなくなります。

 

意見の伝え方と同じくらい、聞き方が大切です。

 

他者への尊重と目指しているビジョンを共有しているからこそ、

演奏の質に直結するコミュニケーションができます。

 

オルフェウスでのコミュニケーションには次のようなルールがあります。

<他者を尊重した上で意見を述べるルール>

 

・時間厳守:時間は誰のものでも同じくらい大切

 

・適切な言葉を使う:問題解決を目的にし、ただの問題指摘や人格否定をしない

 

・ささいな事柄は取り上げない:品質に大きな影響がある問題に絞る

合意を形成するのは時間も労力もかかりますが、合意に関わったメンバーが満足し、強固なチームワークとなります。

メンバー全員がオーナーシップを持つためにも、コミュニケーションの時間を惜しんではいけないんですね。

自分の仕事を最高の自己表現の機会ととらえている従業員は、「最高の自己実現」をするために、日課として毎日いつもとちがうことに敢然と挑戦する。

 

仕事への満足度が高く、困難な課題にもチャレンジし続けるメンバーは、どの組織にも欲しいですよね。

組織づくりのヒントがたくさん載っている本でした!

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『オルフェウス・プロセス』の次に読むなら?

 

『オルフェウス・プロセス』とあわせて読みたい3冊を紹介します。

①『チームが機能するとはどういうことか』

 

学習する組織をつくる、チーミングの理論と実践がわかる本。

個人プレーの足し算ではなくチームとして成果を出したい、多様な人材の創造性を活かしたい人におすすめです。

参考記事:『チームが機能するとはどういうことか』の要約まとめ:学習する組織をつくるチーミング

 

②『管理ゼロで成果はあがる』

 

管理ゼロで自由に働ける組織の運営方法がわかる本。

 

肩書や役職がないホラクラシー組織でどうやってモチベーションを保っているのか、

ビジョンを共有するのかがわかります。

参考記事:『管理ゼロで成果はあがる』の要約:自由に働く組織のつくり方がわかる

③『だから僕たちは、組織を変えていける』

 

やる気に満ちたやさしいチームのつくり方がわかる本です。

組織の人間関係の質を改善するポイントがよくわかります。

参考記事:『だから僕たちは、組織を変えていける』の要約まとめ:関係の質を高めるには?

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まとめ:チーム全員でリーダーシップを発揮する

・チーム全員でリーダーシップを分散、共有する

 

・権限を委譲することで創造性を発揮する機会と責任が生まれる

 

・自分が結果に影響を与えられると信じられるとオーナーシップが持てる

 

・リーダーを固定せず、ビジョンで一貫性を保つ

 

・開かれた対話の方法を理解して実践する

 

・合意形成をすることで、強固なチームワークをつくれる

権限委譲やフラットな組織のアイディアを本当に実行に移している組織は少ないです。

 

メンバー全員がオーナーシップを持てば管理が必要なくなり、

より生産的な活動にエネルギーを注げるでしょう。

 

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