【ビジョナリーカンパニーzeroの要約】起業家・リーダー必読の古典的名作

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『ビジョナリーカンパニーzero』は世界で1000万部以上!売れている、

ビジョナリーカンパニーシリーズの最新作です。

 

ビジョナリーカンパニーとは、長年繁栄を続ける偉大な企業という意味。

単に利益が大きいだけでなく、変化し続ける・大きな変革を起こし続ける企業のことです。

 

ビジョナリーカンパニーシリーズでは、

ビジョナリーカンパニー(偉大な企業)になるための要素や過程、

かつての偉大な企業が衰退する要因などがテーマです。

 

ビジョナリーカンパニーシリーズは1から4まであります。

 

『ビジョナリーカンパニーzero』はシリーズの要点がまとまっているので、今までシリーズを読んだことない人にもおすすめ。

 

この記事では、リーダーシップ(第3章)ビジョン(第4章)を中心に、

『ビジョナリーカンパニーzero』を要約しました。

 

この部分は、NetflixのCEOが「起業家なら、本書の86ページ分を丸暗記せよ」

絶賛した内容だとか。

 

たしかに経営者やリーダーに必要な要素がぎゅっとつまっていました。

 

経営者はもちろん、経営に近い部署(経営企画など)、コンサルタント、

採用や人材育成に関わる人事部門の方に幅広くおすすめです。

 

この本を読めば、

リーダーシップやビジョン系の自己啓発本は必要ないかも。

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ビジョナリーカンパニーzeroの特徴と目次

 

『ビジョナリーカンパニーzero』はビジョナリーカンパニー1の前に書かれた本、

『ビヨンドアントレプレナーシップ』のアップデート版です。

だからzeroなんですね。

 

『ビヨンドアントレプレナーシップ』は1992年に発行された本で日本語に訳されていません。

 

約30年前の本の内容が役に立つのか?と疑問に思うかもしれませんが、

適宜新しい事例や視点が入っていて、古さは感じませんでした。

 

オリジナル版は薄いグレーの紙面、新しく書き下ろした部分は白い紙面になっています。

↓微妙に紙の色が違います。半分以上が書き下ろし分です。

 

『ビジョナリーカンパニーzero』の目次構成は下記のとおりです。

※青いアンダーラインは章ごと新しく追加された部分

第1章 ビルと私の物語

第2章 最高の人材がいなければ最高のビジョンに意味はない

第3章 リーダーシップ・スタイル

第4章 ビジョン

第5章 幸運は諦めない者に訪れる

第6章 偉大な企業をつくるための「地図」

第7章 戦略

第8章 イノベーション

第9章 卓越した戦術の遂行

リーダーシップ(第3章)とビジョン(第4章)の要約を紹介します。

 

ビジョナリーカンパニーzeroの要約:リーダーシップ

第3章のリーダーシップ・スタイルでは以下の2点が重要です。

・効果的なリーダーシップは機能+スタイル

 

・効果的なリーダーシップに必要な7つの要素

1つずつ紹介します。

効果的なリーダーシップは機能+スタイル

リーダーシップは統率力や組織で成果を出す力など、定義はいろいろあります。

本書の中ではこう紹介されて言います。

真のリーダーシップとは、従わない自由があるにもかかわらず、人々が付いてくることだ。単に権力を行使しているだけなのに、自分にはリーダーシップがあると思っているリーダーは多い。権力がなければ誰も自分について来ないことに気づくと愕然とする。 p.78

強制するのではなく自然とやりたいことにしてしまう、それがリーダーシップです。

 

リーダーシップは機能とスタイルから構成されます。

機能  :ビジョンを明確にして伝え、実行を促す(リーダー必須)

 

スタイル:リーダーシップを発揮する方法(個人によって違う)

機能はリーダーがリーダーたる所以、どんなリーダーも果たすべきことです。

ビジョンがないリーダー、部下の行動を促進できないリーダーは

もはやリーダーとは言えません。

 

それに対してスタイルは、個性が出るところです。

 

雄弁なリーダーもいれば寡黙なリーダーもいる、

エネルギッシュなリーダーもいれば穏やかで落ち着いたリーダーもいます。

 

表面上のリーダーシップスタイルをマネしても意味がありません。

自分が1番リーダーシップを発揮できるスタイルで良いのです。

効果的なリーダーシップに必要な7つの要素

自分のスタイルで良いと言われても、

やっぱりリーダーに外せない要素はありますよね。

 

それをまとめたのがリーダーシップに必要な7つの要素です。

言われてみれば当たり前の要素ばかりですが、

本書では1つ1つの要素について深く説明されています。

 

たとえば人間味について、ただ人当たりが良いということではありません。

 

リーダーシップに必要な人間味とは、

現場の声に耳を傾ける、近づきやすい・声を届けやすい存在であること。

 

ビジョンに関わることは細部まで徹底的にこだわるが、

社員を信頼していて万事を管理しようとはしないこと。

 

7つの要素を覚えるだけでは意味がありません。

 

誠実さとはどういうことか?決断力があるとはどういうことか?と、

1つずつ自問自答しながら読むのがおすすめです。

ビジョナリーカンパニーzeroの要約:ビジョン

『ビジョナリーカンパニーzero』では、

コリンズ・ポラス式ビジョンのフレームワークを元にしています。

 

つまり、ビジョンはコアバリューと理念/パーパス(存在意義)/ミッションから

構成されるということです。

コアバリューと理念は大切にしている価値観・哲学・原則のこと。

パーパスはコアバリューから生まれる存在意義、ミッションは野心的な目標です。

 

日本人には特にパーパスが曖昧・なじみがないものではないでしょうか。

 

パーパスを見つけるためには次のような質問が有効です。

「なぜ」という問いを何度か積み重ねていくプロセスは、パーパスの明確化にとても効果的だ。とりわけ有効なのが「なぜ私たちは存在しつづけるのか。私たちが存在しなくなったら、この世界は何を失うのか」という問いだ p.189

 

コアバリュー/パーパス/ミッションの関係性は山登りの旅に例えられていました。

【たとえ話】コアバリュー/パーパス/ミッションの関係性

 

パーパスは案内星であり、向かうべき方角。しかし、到達することはない。

ミッションは今登っている山。

その山を攻略したら、またパーパスを見て次の山(ミッション)を目指す。

山をどう攻略するか、パーパスに向かってどう進むのか等の行動は、コアバリューに従う。

ミッションに1番必要なのは、心を揺さぶること。

 

困難で大胆な目標 、いわゆるBHAG(Big Hairy Audacious Goals)であり、

聞いたときに「やるぞ!」という気持ちになるのが良いミッションです。

 

なぜビジョンが必要かというと、

組織にチームワークや一体感を生み、個人の判断の根拠・拠り所になるからです。

 

ビジョンがない会社では、金銭的報酬がインセンティブの大半を占めます。

 

より良い条件の会社が現れればすぐ転職しますし、

組織間で助け合う文化が生まれません。

 

また、ビジョンがあれば、日々の業務の中で各々がどう判断するかの基準になります。

 

上司が管理しなくてもビジョンを元に自分で考えて行動できる社員が増えれば、

生産性も向上するでしょう。

 

ビジョンは組織の接着剤、かつ、コンパスのような役割ですね。

ビジョナリーカンパニーzeroの感想:心に残ったポイント

 

『ビジョナリーカンパニーzero』で心に残ったポイントを紹介します。

 

偉大な企業をつくるためにもっとも重要なスキルは、人材について優れた意思決定をする能力だ。はっきり言っておこう。正しい人材なくして偉大な企業はつくれない。 p.30

偉大な企業を動かす要因を研究するなかでさまざまな気づきを得てきたが、とりわけ私の生き方を大きく変えたのが「まず目的を選ぶ」から「まず人を選ぶ」への発想の転換だ。 p.51

変化が激しく先が見通せない時代には、

特定のアイディアやサービスに必要な人材を集めるのではなく、

ビジョンに共感して実現に向けて遂行できる人材を集めるべきです。

 

正しい人材が集まっていれば、1つの企画がうまくいかなくても組織は続けられます。

企画ありきで人を集めると、そこで行き詰まることに…

 

育成するか交代させるかの判断基準など、

経営者にとって実践的な基準も参考になりました。

 

私たちは、これから失敗を犯すであろうこと、しかもたくさん失敗してそこから学ぶという事実を受け入れなければならない。失敗は強さの源だ。 p.95

そして成功というコインの裏面は失敗ではなく、成長だという考えに至った。 p.236

 

失敗に対する考え方について、

”失敗=強さの源”、”失敗ではなく成長”は良い言葉ですね。

 

この考え方なら、チャレンジするのに恐れを感じにくくなります。

 

チャレンジして得られるものは成功か成長なら、

やるしかないですね。

 

行動を軽くするための言葉としてメモしておきました。

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『ビジョナリーカンパニーzero』の次に読むなら?

 

『ビジョナリーカンパニーzero』とあわせて読みたい3冊を紹介します。

①『whyから始めよ』

 

人の心を動かすwhy(存在意義、価値観、ビジョン)の重要性がわかります。

 

アップル社やライト兄弟、キング牧師など、whyで人を惹きつけた例がたくさん載っています。

数々のビジネス書に引用されているので、1度は読んでおきたい本です。

参考記事:『whyから始めよ』の要約と感想:インスパイア型リーダーは内から外へ一貫性がある

 

②『ナラティブカンパニー』

 

多くの人を魅了できる物語であり、共創できる余白があり、あらゆる企業活動の中で構造として機能しているか?

この質問にすべてYESなら、その企業はナラティブカンパニーということ。

 

ナラティブ(物語)の核にはビジョンがあります。

参考記事:【ナラティブカンパニーの要約・書評】ビジネスにおけるナラティブの意味とは?

③『ウィニングカルチャー』

 

企業のビジョンはお客様に選ばれるためだけでなく、

所属するメンバーの組織文化の中心的な価値観にもなります。

 

組織文化は人がつくるものであり、

『ビジョナリーカンパニーzero』の”組織は人が大切”という点にも通じます。

参考記事:『ウィニングカルチャー』の要約:組織文化を変革するためには?

まとめ:『ビジョナリーカンパニーzero』は経営者必読の本

・『ビジョナリーカンパニーzero』は偉大な企業の要因がわかる本

 

・効果的なリーダーシップは機能+スタイル

 

・リーダーシップの7要素を取り入れて自分なりのスタイルを目指す

 

・ビジョンはコアバリュー/パーパス/ミッションから成る

 

・パーパスを見つける質問:「なぜ私たちは存在しつづけるのか」

 

・ビジョンがある組織は、チームワークが生まれ自主的にビジョンに沿った行動をする

 

・目的よりまず人を選ぶ

 

・失敗は強さの源、成功の反対は成長

 

リーダーシップとビジョンの章を中心に紹介しましたが、

他の章もとても学びがありました。

 

特に6章はビジョナリーカンパニーシリーズのまとめになっているので、

ここを読んでから深く理解したいシリーズ本を読むのも良いです。

 

経営者はもちろん、経営に近い部署(経営企画など)、コンサルタント、

採用や人材育成に関わる人事部門の方に幅広くおすすめです。

 

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