セネカ『人生の短さについて』の名言と要約:自分のために生きる大切さ

セネカ『人生の短さについて』の名言と要約:自分のために生きる大切さ

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『人生の短さについて』は、後期ストア派の哲学者であるセネカ(紀元前1年頃ー65年)が、時間の使い方について語った本。


メッセージを一言でまとめると、『人生の時間を自分のために使え』ということです。

★ 『人生の短さについて』 の要約ポイント★

 

・人生は短いが、みな浪費している

 

・未来に憧れず、現在を生きる

 

・多忙な人は何事も十分には成し遂げられない

自分の時間を他人に奪わせないこと、やりたいことを未来に先延ばしにせず現在を生きる大切さがわかります。現代を生きる人にも心に響く1冊です。

この記事では 『人生の短さについて』 の名言と要約を紹介します。

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要約①:人生は短いが、みな浪費している

人生は本来は長いはずなのに、浪費している人があまりにも多い。時間は貴重であり、自分の時間を自分で守ることで、はじめて人生で意味のあることができます。

人生は十分に長く、その全体が有効に費やされるならば、最も偉大なことをも完成できるほど豊富に与えられている。けれども放蕩や怠惰のなかに消えてなくなるとか、どんな善いことのためにも使われないならば、結局最後になって否応なしに気づかされることは、今まで消え去っているとは思わなかった人生が最早すでに過ぎ去っていることである。

 

たとえば、次のような例が人生の時間の無駄遣いとして挙げられています。

快楽を追い続ける、ムダな仕事に忙殺される、酒びたり、怠けている、他人に左右される、利欲・儲けたいと必死、上の人に気を遣って身をすり減らす、自分の運命を嘆く、無意味な考証のための学問研究をする等

 

自分の領地に人が入ってきたら、訴えるなり何らかの対処をするのに、自分の生活のなかに他人が侵入することには鈍感です。その結果、自分の人生の時間が奪われていきます。

自分の銭を分けてやりたがる者は見当たらないが、生活となると誰も彼もが、なんと多くの人々に分け与えていることか。財産を守ることはけちであっても、時間を投げ捨てる段になると、貪欲であることが唯一の美徳である場合なのに、たちまちにして、最大の浪費家と変わる。

 

時間は目に見えないので、求めるほうも与えるほうもその尊さに気づきません。

時間は何より尊いのに、目に見えないから、何でもないもののように求められ、与えられる。

人生を振り返ったとき、人生を浪費してきたことに気づいて愕然とする。そんな未来にならないために、後悔のない時間の使い方をしましょう。

要約②:未来に憧れず、現在を生きる

セネカは、人間はいつ死ぬかわからないのに未来に期待をしすぎであると指摘します。

諸君は今にも死ぬかのようにすべてを恐怖するが、いつまでも死なないかのようにすべてを熱望する。

未来を考えてあれもこれも心配になる一方、未来まで生きていられるとなぜか信じているものです。

だから、「仕事を引退したら余生を楽しもう」という発想にもなります。

生きることを止める土壇場になって、生きることを始めるのでは、時すでに遅し、ではないか。

いつ死ぬかわからないのだから、やりたいことを引退後まで取っておくのではなく、今始めましょう。引退後には体力も衰えていて、やりたいことも今ほどには楽しめないかもしれません。

 

誰もみな自己の人生を滅ぼし、未来に憧れ現在を嫌って悩む。しかるに、どんな時間でも自分自身の必要のためだけに用いる人、毎日毎日を最後の一日と決める人、このような人は明日を望むこともないし、恐れることもない。

あるかもわからない未来のために今を耐えるより、毎日を自分のために精一杯生きるほうをすすめています。現在を精一杯生きていれば、明日が急に終わったとしても後悔が少ないでしょう。

 

生きることの最大の障害は期待をもつということであるが、それは明日に依存して今日を失うことである。運命の手中に置かれているものを並べ立て、現に手元にあるものは放棄する。君はどこを見ているのか。どこに向かって進もうとするか。将来のことはすべて不確定のうちに存する。今直ちに生きなければならぬ。

未来は運命の手の中にあり、未来よりも今を生きるしかありません。

要約③:多忙な人は何事も十分には成し遂げられない

人生で偉大なことを成し遂げようとするなら、ひまを持つことが重要です。ひまがない多忙な人は、日々に追われて一生を終えます。

実際多忙な人にかぎって、生きること、すなわち良く生きることが最も稀である。しかし、生きることは生涯をかけて学ぶべきことである。そして、おそらくそれ以上に不思議に思われるであろうが、生涯をかけて学ぶべきは死ぬことである。

無駄なことに追われる多忙な人は、生涯をかけて学ぶべきことを学ぶひまがありません。そうして人生を浪費して終えてしまったとき、それは長く生きたのではなく長く有ったにすぎない、と言います。

長く生きたのではなく、長く有ったにすぎない。

長く生きるとは、ただ生きた時間を表すのではなく、生き方次第です。

人生は三つの時に分けられる。過去の時と、現在の時と、将来の時である。このうち、われわれが現在過しつつある時は短く、将来過すであろう時は不確かであるが、過去に過ごした時は確かである。なぜならば、過去は運命がすでにその特権を失っている時であり、また何人の力でも呼び戻されない時だからである。この過去を放棄するのが、多忙の者たちである。

過去はすでに起きたことであり、思い出して味わうことができます。それなのに、多忙な人は不確実な未来を見ながら現在を浪費しています。

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『人生の短さについて』 の次に読むなら?おすすめの本3選

 

『人生の短さについて』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。

①『限りある時間の使い方』

 

人生の短い時間にどう向き合うか考えさせられる本。時間に追われるのではなく、いまを味わうような生き方の良さがわかります。

時間術の本は、重要なことから片付けていく、効率よく多くのことをこなすという視点の本が多いです。しかし、時間は本当に自分の所有物なのか?、時間を換金できるリソースと考えることは本当に幸せなのか?という問いをガツンと突き付けられます。

人生はいつ終わるかもわからない、時間は神様からの贈り物と捉えれば、もっと時間に対して謙虚になって他人を時間をシェアする喜びを味わえるのではないでしょうか。

 

ただ時間があっても意味はない、誰かと豊かな時間を過ごすから時間には価値がある。

時間に追われて人生終わりたくない、と思える本でした。

要約記事:『限りある時間の使い方』の要約まとめ:人生は短いからこそ大事なことを選ぶ

②『神時間力』

 

自分の得たい結果を明確にし、そのためにどう時間を使うのか?がわかる本。

得られる結果は投資した時間と行動レベルで決まります。得られる結果を明確にして投資する時間をどう増やすのか、行動レベルをどう上げるのか、自分の人生戦略を考えられます。

参考記事:『神時間力』の要約まとめ:得られる結果=投資した時間×行動レベル

③『YOUR TIME(ユアタイム)』

人によって時間術が効いたり効かなかったりするのは、時間感覚に個人差があるからです。自分のタイプに合った時間感覚の調整方法を知ることができます。

また、生産性を追い求めるのが本当に幸せなのか?を考えられます。退屈な時間、何もしない時間の価値を再考できる本です。

参考記事:『YOUR TIME(ユアタイム)』の要約まとめ:時間に対する考え方が変わる1冊

 

★今回紹介した本★


 

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