『ザ・チョイス』は、生産的な選択肢を選ぶための思考法がわかる本。
著者は『ザ・ゴール』で有名なゴールドラット博士です。企業の業務改善レポートをベースに博士と娘の対話方式で話が進みます。
チャレンジがうまくいかないとき、結果に対して不満をもらすか、結果から学んで機会にするかの選択肢があります。そのとき、生産的な選択肢を選べないのは、3つの障壁があるからです。
3つの障壁にとらわれない明晰な思考で、より大きな成果を得られる選択肢を選ぶ方法を学べます。
★ 『ザ・チョイス』 の要約ポイント★
・障壁①:ものごとを複雑に考え過ぎる
・障壁②:対立は当たり前だと考えてしまう
・障壁③:問題を相手のせいにしたがる
この記事では 『ザ・チョイス』 の要約を紹介します。
目次
要約①:ものごとを複雑に考え過ぎる
1つ目の障壁は、ものごとを複雑に考え過ぎてしまうことです。
複雑だとすごい、複雑な知識がないと問題解決できない、というのは思い込みであり、ものごとはそもそもシンプル。
ニュートンは「自然は極めてシンプルで、自らと調和している」という言葉を残したそうです。
なぜ?どうして?を繰り返すと、ものごとは収束していき、共通の原因が現れます。ごく少数の要素が支配していることに気づくと、ものごとは一気にシンプルになります。
ものごとは収束する、ものごとはシンプルだと言ったが、これは、この現実世界のすべてに当てはまることなんだ。現実というのは、すばらしいまでのシンプルさの上に成り立っているんだよ。
複雑かどうかは捉え方次第です。
複雑=関係する要素の数が多いと考えれば、大きなシステムほど複雑さが増します。
しかし、複雑=自由度が高い(システム全体に影響を与えるために手を加える箇所が多い)と考えれば、関係する要素の数が多くても相互に関係しているならシンプルかもしれません。
一見複雑に見えても、シンプルに見ることが可能である。システム全体に影響を与える少数の要素を突き止めるのが重要です。
要約②:対立は当たり前だと考えてしまう
2つ目の障壁は、対立は当たり前だと考えてしまうことです。
対立には矛盾が含まれていて、たとえば買い手は安く買いたいし売り手は高く売りたい。そこには埋められない溝があり、解決するのを諦めて妥協点を探してしまいます。
もし自然界で矛盾が発生したら、どうするでしょうか。
たとえば、同じものの高さを測って1回目と2回目で違う結果が出たら、測り方や測りのめもり、水平だったか等、前提条件を疑うはずです。
人間関係の対立でも、矛盾の原因である根本的な前提を疑います。
ゴールドラット博士はもともと物理学者であり、ハードサイエンス(自然科学)の考え方をソフトサイエンス(人間や社会も含めた科学)にも適用しようという発想が根底にあります。
なぜ?を突き詰めると原因は抽象的なものになっていくので、本当に存在するかをよく検証する姿勢が必要です。
ハードサイエンス:原子、酵素、クォーツなど
ソフトサイエンス:感情、知性、動機など
抽象的なものはトートロジー(同じことの繰り返し)になっていてももっともらしく聞こえるので、本当にロジックが通用するかよく検証しましょう。
(例)勝とうというモチベーションがなかったから負けた
(モチベーションがないと示す証拠は負けたことしかない)
抽象的なものには、その存在さえ疑ってかからないといけない。当たり前だと思っていてはダメなんだ。仮説か、あるいは単なる想像程度に考えておいた方がいい。そして今度は、もう一つ別の結果がないかどうか考えてみる。同じ原因に起因する別の結果だ。
要約③:問題を相手のせいにしたがる
3つ目の障壁は、問題を相手のせいにしたがることです。
ニュートンの言葉「自然は極めてシンプルで、自らと調和している」は、シンプルで単に矛盾がないというだけでなく、あらゆる関係に調和は存在する、と博士は解釈しています。
私が言いたいのは、調和は人と人とのいかなる関係にも確かに存在する、しかし、ふつう私たちはそれをわざわざ探したり、築いたりしようとはしないってことだ。
人と人のいかなる関係にも調和が存在する、というのは受け入れにくいのではないでしょうか。現時点で調和しているという意味ではなく、調和が存在するという視点で関係性を見るほうが、調和に向けた変化のポイントを見逃さない、ということです。
つまり、いかなる関係においても、双方の利益につながる変化が存在する、という考えをもってスタートすべきというアプローチだ。実際に、そんな変化が存在するかどうかは問題ではない。重要なのは、窮状を呈した関係に直面した時、相手を責めるのではなく、ウィンーウィンの変化が必ず存在すると信じて取り組むべきだということだ。
『ザ・チョイス』 の次に読むなら?おすすめの本3選
『ザ・チョイス』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『ザ・ゴール』
同じくゴールドラット博士の著書です。
メーカーの工場長である主人公(アレックス)が、本当の目標と生産性に気づき、新しい評価指標で工場を立て直す物語。ジョナという物理学者がアレックスにTOC理論を教えます。
TOC(Theory of Constraints:制約理論)
全体最適化の生産管理手法。制約条件に注目して生産から市場までのフローを管理する。
何を見て生産性を判断するのか、目指すゴールは何なのか?を考える重要性がわかります。
参考記事:『ザ・ゴール』の要約まとめ:本当の生産性とはなにか【TOC(制約理論)がわかる】
②『選択の科学』
賢明な選択をするにはどうしたら良いのか、文化的な背景がどう選択に影響を与えるのかがわかります。
より自分らしい選択が思い通りに生きることにつながります。
参考記事:『選択の科学』の要約まとめ:選択は自分をつくる創造的な行動
③『Humankind 希望の歴史』
『Humankind 希望の歴史』は性善説をベースにした世界がテーマです。
人間のポジティブな面を見る大切さを教えてくれます。
調和する可能性がある、という前提で関係性を築くところに共通点を感じました。
参考記事:『Humankind 希望の歴史』の要約と感想:人の本質は善であると信じられる本
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