『問いかける技術』は、良好な人間関係を築くための謙虚な問いかけがわかる本。
相互に依存していることを自覚し、自分の無知をさらし、相手に興味・関心を抱くことが謙虚な問いかけにつながります。
オープンで多様性のあるチームづくりや信頼できる人間関係を構築するのに、特に身につけたい姿勢です。
★ 『問いかける技術』 の要約ポイント★
・今ここで必要な謙虚さを持って問いかける
・問いかけの4つのタイプ
・謙虚な問いかけで多様性のあるチームをつくる
この記事では 『問いかける技術』 の要約を紹介します。
目次
要約①:今ここで必要な謙虚さを持って問いかける
人の話を聞くのと自分の話をするのは、どちらが楽しいですか?
ほとんどの人にとって(そして私にとっても)話すほうが楽しいです。
でも、一方的に話す行為は、たとえ親切心からだとしても「知らないから教えてあげよう」という上から目線の印象を与える可能性があります。
一方的に話すのではなく、問いかけることで、一時的に自分を弱い立場(わたしは知らない/あなたは知っている)に置き、相手の心を開くことができます。
「謙虚に問いかける」は、相手の警戒心を解くことができる手法であり、自分では答えが見出せないことについて質問する技術であり、その人のことを理解したいという純粋な気持ちを持って関係を築いていくための流儀である。
もちろん、ただ問いかければいいというわけではなく、問いかけに見せかけた誘導や主張は謙虚な問いかけとは言えません。
大切なのは、相手に興味・関心を持ち、今ここで必要な謙虚さを発揮することです。
今ここで必要な謙虚さ:相互依存していると認識する
たとえば、部下が上司に依存しているだけでなく、上司も部下に依存しています。
部下が仕事をしなければ上司はたちまち困るでしょう。
社会はどんどん複雑になり、一人で完結することはほとんどありません。
立場が上か下かは関係なく、ただへりくだればいいということでもなく、相互に依存していると認識して関係性を大切にするという意識が今ここで必要な謙虚さにつながります。
要約②:問いかけの4つのタイプ
問いかけには4つのタイプがあります。
謙虚な問いかけに決まった表現の形があるわけではなく、同じ問いかけでも謙虚な問いかけになったりならなかったりします。
あなたがよくするのは、どの問いかけでしょうか?
①謙虚な問いかけ
②診断的な問いかけ
③対決的な問いかけ
④プロセス指向の問いかけ
①謙虚な問いかけ
謙虚な問いかけは”自分が知らない”ということを積極的に認めて相手に質問します。
謙虚なポーズだけ取っても、相手は敏感にシグナルを感じるものです。
また、問いかけだけでなく、相手の話を聞く姿勢にも謙虚さが表れます。
実のところ、あなたが興味を持ってくれているかどうかを相手が判断する最大の決め手は、どんな質問をされたかということだけではない。どれくらい熱心に聞いてくれたかというのも決め手になるのだ。会話が続いていくと、なぜあなたがその人に関心を持ったのか、どのような姿勢でいるのかということが、その先々のあなたの質問から透けて見えるようになる。
②診断的な問いかけ
診断的な問いかけとは、会話をコントロールして思考プロセスに影響を与えます。
つまり、「どうして~したんですか?」、「~についてどう感じましたか?」のような、コーチングのように気づきを与える質問です。
このような問いかけは、質問する側が何にフォーカスするかをコントロールしています。
相手に頼まれたことを遂行するために問いかけているなら謙虚な問いかけになり得ますが、自分が知りたいだけで聞いている・野次馬根性を満たすだけに聞いているなら、謙虚さを欠いていることになります。
③対決的な問いかけ
対決的な問いかけは、質問という形で自分の考えを差しはさむ、謙虚ではない問いかけです。
「~なんておかしいよね?」等、賛同を求めたり非難したりするのが意図になっています。
対決的な質問をする前に、なぜそれを聞きたいのかを自分自身に問うことだ。私は相手に対して謙虚な気持ちや好奇心を抱いているだろうか。それとも、私には解決策が見えているので、自分が正しいことを証明して見せようと思っているだろうか。
④プロセス指向の問いかけ
プロセス指向の問いかけは、会話の中身ではなく会話そのものに焦点をあてる、メタコミュニケーションの問いかけです。
<プロセス指向の問いかけの例>
・どうなさいましたか
・少々深入りしすぎたでしょうか
・私たち2人の間で今どのようなことが起きていると思いますか
・何か気に障ることを言ったでしょうか
プロセス指向の問いかけも、謙虚な問いかけになる場合とならない場合があります。
相手の態度に不服で「何か気に障ることを言ったでしょうか」と問えば、非難のニュアンスが伝わるでしょう。
プロセス指向の問いかけをうまく使えば、関係性を見直す機会になります。
表現の形ではなく、その裏に心から謙虚な姿勢があるかどうかが重要です。
要約③:謙虚な問いかけで多様性のあるチームをつくる
謙虚に問いかける態度を育てることで、多様性のある人たちとも良好な人間関係をつくることができます。
多様性がある人とは異なる文化的背景や価値観を持つ人であり、自分の価値観が通じにくい相手です。
多様な人をチームとしてまとめ、その多様性を強みとして活かすためには、「文化の島」をつくります。
「文化の島」をつくる
=それぞれの文化が定めるルールはいったん置いて、共通基盤をつくる
多様性をお互い理解して信頼関係を結ぶには、次のような問いかけが有効です。
「あなたの文化的環境では、上司を信用できるかどうか、同僚と信頼関係を築けるかどうかは、どうしたらわかるのですか。」
文化的背景が違う人と正解/不正解を議論しても決着はしません。
「そういう考えがあるんですね」と多様な価値観があることを知り、今までの価値観は置いておいて、そのチームの中でコミュニケーションの共通基盤をつくります。
個人で謙虚な姿勢を育むには、内省の習慣を持つのが効果的。
自分の頭と心で何が起きているかを把握すれば、思いこみや反応的な態度を見直すことができます。
『問いかける技術』 の次に読むなら?おすすめの本3選
『問いかける技術』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『Listen』
良い聴き手になること、聴き手になるメリットがわかる本。
話を聴いてほしい、情報を受け取ってほしい人ばかりの社会で、人の話を本当の意味で聴ける人は貴重です。
参考記事:『LISTEN-知性豊かで創造力がある人になれる』の要約:聞き上手な人の性格や特徴がわかる本
②『多様性の科学』
多様性が組織に与えるプラスの影響がわかる本。
画一的な組織の弱さ、自分が正しいと思いこむ怖さもわかります。
参考記事:『多様性の科学』の要約と感想:多様性がなぜ必要なのか?がわかる本
③『「わかりあえない」を越える』
NVCを使えば、自分の感情に自覚的になり、率直にリクエストを伝えられます。
NVC(非暴力コミュニケーション):
自分の内側と外側に平和をつくる、思いやりのある与え合いのコミュニケーション
自己尊重と他者の尊重を両立させるコミュニケーションがわかる本です。
参考記事:『「わかりあえない」を越える』の要約まとめ:NVC(非暴力コミュニケーション)とは?
まとめ:謙虚な問いかけで相手に関心を向ける
・一時的に自分を弱い立場に置き、相手の心を開く
・相互依存を意識すれば今ここで必要な謙虚さを発揮できる
・問いかけの4つのタイプ
①謙虚な問いかけ
②診断的な問いかけ
③対決的な問いかけ
④プロセス指向の問いかけ
・表現の型に限らず、心で思っていることが相手に伝わる
・文化の島=それぞれの文化はいったん置いておいた、共通基盤
多様性が広がった世界で人とつながるには、謙虚な問いかけが必要だとわかりました。
みなが文化の島を共有したら、きっと多様性を活かした素晴らしいチームができそうですね!
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