『「学力」の経済学』は、教育経済学でわかった教育に関する発見がわかる本。
つまり、個人の成功体験ではなく、データに基づいた教育の知見がわかります。
教育経済学:教育を経済学の理論で分析する応用経済学の一分野
東大に入れた親の成功体験はサンプル数が少なく、本当にその学習法が効果があったのかは検証できません。
★『「学力」の経済学』の要約ポイント★
・インプットに目先のご褒美をあげるのが効果的
・自尊心と学力に因果関係があるかは明らかでない
・ピア・エフェクトは同じような学力の子にプラス
・幼児教育で非認知能力を伸ばすことは投資対効果が高い
思いこみで信じていた説もあったので、読んでよかったです!
この記事では『「学力」の経済学』の要約を紹介します。
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目次
要約①:子どもに効果的なご褒美とは?
子どもをご褒美で釣るのは良くないと思っていましたが、ご褒美の上げ方を間違えなければ効果があります。
効果的なご褒美の上げ方とは、インプットに対して目先のご褒美をあげることです。
”インプットに”というのは、結果ではなく行動をご褒美の対象にします。
インプット :勉強する、宿題をする、練習する、読書する
アウトプット:テストの点数、成績、順位
アウトプットをご褒美の対象とした場合、どうすればアウトプットが上がるのかを子どもに教える必要があります。
アウトプットが上がる行為(インプット)に対してご褒美を設定するほうが効果的です。
”目先のご褒美”とは、ご褒美までのタイムラグを小さくすることです。
ご褒美の対象となる行為をしたらすぐにご褒美をあげます。
「1時間勉強したら、勉強が終わった後にお小遣いをあげるよ」
「テストでよい点を取ったら、お誕生日にお小遣いをあげるよ」
前者ではインプットに対して近い将来のご褒美をあげているので、より効果が期待できます。
実験後の調査によると、ご褒美によりお金を得た子どもたちは無駄遣いをせず、堅実なお金の使い方をしたそうです。
ご褒美にお金をあげてよいか?については、金融教育を同時に行うなら悪影響はない、というのが著者の見解です。(家計簿をつける、貯金用の口座を開設するなど)
要約②:自尊心と学力に因果関係があるかは明らかでない
子育て=自尊心や自己肯定感を高めるというイメージを持っていました。
しかし、自尊心と学力に因果関係は証明されていないそうです。
学力まで上げてくれるわけではないんですね。
ほめればなんでもうまくいくような気がしていましたが、
根拠なくほめると子どもの成長の機会を奪ってしまうという結果もあります。
つまり、悪い成績を取った学生に対して自尊心を高めるような介入を行うと、悪い成績を取ったという事実を反省する機会を奪うだけでなく、自分に対して根拠のない自信を持った人にしてしまうのです。
”自尊心が高まると学力が高まる”は因果関係が逆で、”学力が高いと自尊心が高い”だけでした。
相関関係と因果関係の違いには気を付けないといけません。
相関関係:AとBに関係がある
因果関係:Aが原因でBが起こる
因果関係があれば相関関係もありますが、相関関係があっても因果関係があるとは限らないのです。
たとえば、”読書をする子どもは頭が良い”とか、”リビングに地球儀がある子は賢い”など聞いたことがありますが、因果関係があると証明されているのでしょうか。
そもそも頭がいいから読書を楽しめるのかもしれませんし、リビングに地球儀を置く家=生活水準が高いから教育費にお金を使えるのかもしれません。
要約③:優秀な子に囲まれていると優秀になる?
ピア・エフェクトとは周りの人から受ける影響のこと。
次のような研究結果があります。
・学力の高い友だちの中にいるとプラスの影響がある
・学力の低い子は学力優秀な友人といるとマイナスの影響がある
・問題児は学級全体にマイナスの影響を与える
平均的に学力が高い集団の中にいると子どもの学力も上がりますが、
学力が低い子には自信喪失などマイナスに働く場合があります。
学力に合ったクラス(習熟度別学級)は、学力が高いクラスも低いクラスでも学力向上にプラスの影響があり、特に学力の低いクラスに効果が高いとわかりました。
要約④:幼児教育は投資対効果が高い
教育のコストを投資として考えると、幼児教育にお金をかけるのが一番投資対効果が高いです。
貧困家庭の支援を目的としたペリー幼児教育プログラムでは、社会収益率が7~10%という結果が出ました。
社会収益率とは、どれだけ社会にプラスの影響があったかを算出したものです。
社会収益率7~10%
⇒4歳のときに100円投資すると、65歳で6000~3万円になる
ペリー幼児教育プログラムを受けた家庭は、受けていない貧困家庭に比べて、
学歴・経済的な安定が高かったです。
プログラムでは読み書きや歌のレッスン、親への育児サポートを行いましたが、
大きな効果は非認知能力が伸びたことです。
非認知能力:認知能力の土台となる心の能力
粘り強く取り組む力(グリット)、内発的に取り組む意欲、
困難なことに遭遇したときの回復力(レジリエンス)などを含む。
非認知能力を鍛えるためには、しつけや学校外の活動が有効です。
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『「学力」の経済学』の次に読むなら?
『「学力」の経済学』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『私たちは子どもに何ができるのか』
非認知能力を身につけるためにはどうすればよいか?をさまざまな研究や支援の取り組みから解説した本です。
非認知能力:認知能力の土台となる心の能力
粘り強く取り組む力(グリット)、内発的に取り組む意欲、
困難なことに遭遇したときの回復力(レジリエンス)などを含む。
参考記事:『私たちは子どもに何ができるのか』の要約まとめ:非認知能力は環境の産物である
②『数学的思考トレーニング』
恣意的なデータに惑わされないために、数学的思考が役に立ちます。
子育てや教育に関する本は個人的な成功体験が真理のように語られがちなので、
データの定義は明確か、比較や分類の仕方が妥当か等、情報リテラシーが重要です。
参考記事:『数学的思考トレーニング』の要約まとめ:定義・分析・体系化で自分の答えをつくる
③『神子育て』
親自身のメンタルが安定していて幸せであることが子育てで重要なこと。
学力を重視し過ぎると他人との比較や足りないところが目につくこともありますが、
何より大切なのは子どもと親が幸せを感じていることです。
参考記事:『神子育て』の要約まとめ:イライラを手放すには親の自己評価を変えよう
まとめ:根拠のある教育の成功法則がわかる
・教育経済学では個人の成功体験よりデータを重視する
・子どものご褒美はインプットにすぐご褒美を上げるのが良い
・金融教育を一緒に行うならご褒美はお金でも良い
・自尊心が学力を上げるという因果関係はない(因果関係と相関関係を混同しない)
・自分の学力に合った友人に囲まれることはプラスのピア・エフェクトがある
・非認知能力を高める幼児教育は費用対効果が高い
子育て本を読むときは、一個人の成功体験なのか科学的に根拠があると証明されているのかを確認する必要があります。
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