『リーダーのための行動分析学入門』の要約:性格ではなく行動に着目する

『リーダーのための行動分析学入門』の要約:性格ではなく行動に着目する

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『リーダーのための行動分析学入門』は、行動分析学をリーダーシップや人材育成に活かす実践的な方法がわかる本です。

アメリカのコンサルティング会社CLG(Continuous Learning Group)のポジティブな行動マネジメントが基になっています。

個人の性格ではなく、行動に着目するのが大きな特徴です。

行動分析学:「人がなぜそのように行動するのか」について科学する心理学

 

業績につながる望ましい行動を起こさせるにはどうしたらよいか、

生産性の高いチームをつくるにはどうしたらよいか、

と悩めるリーダー、マネジメント層におすすめの1冊。

★『リーダーのための行動分析学入門』の要約ポイント★

 

・成果=行動!個人の性格ではなく行動に着目する

 

・ABC分析で望ましい行動を増やす/望ましくない行動を減らす

事例や演習問題もあるので実践しやすいです。

この記事では『リーダーのための行動分析学入門』の要約を紹介します。

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要約①:成果=行動!個人の性格ではなく行動に着目する

 

組織の成果や業績は、組織に所属する人の行動の集積で成り立ちます。

成果につながる行動が増えれば、成果もおのずと増えるはずです。

 

行動分析学をもとにしたマネジメントでは、行動と行動を起こす環境(随伴性)に着目します。

 

随伴性が変わる⇒行動が変わる⇒成果が変わるという流れです。

 

どういう行動を増やしたいのか/減らしたいのかを決めて、

その行動が増える/減るような環境を整えます。

 

行動を変えるためには、行動を具体的にとらえる必要があります。

 

特に〇〇性、〇〇力(〇〇スキル)という抽象的な言葉に注意しましょう。

その言葉がどのような行動を表しているか、人によって捉え方が異なります。

自主性、創造性、コミュニケーション力、営業力、思考力など

「もっと自主性を発揮しろ!」、「コミュニケーション力を磨け!」と言われても、

どうしたらよいかわかりません。

 

具体的な行動で示しましょう。

死人テストで行動をチェック

具体的な行動になっているかを確かめる方法として、死人テストがあります。

(名前がちょっと怖いですが・・・)

 

本書では”行動=死人にできないことすべて”と定義しています。

”~しない”、”黙る”、”放置する”などは死人でもできるので行動に言い換えましょう。

(例)

・望ましくない行動”黙る”⇒望ましい行動”発言する”

・望ましくない行動”放置する”⇒正しい場所に戻す”

 

「あの人は自主性がない」等と個人の性格のせいにするのは思考停止です。

 

自主性がある人とない人を比べて、差が出る行動を明確にし、

その行動を取れるように支援するのが建設的なアプローチです。

性格は行動の原因ではありません。行動の傾向をまとめて表現したのが性格なのです。

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要約②:ABC分析とは?

ABCモデル

ABCモデルとは、随伴性の分析に使われるモデルです。

何が行動を増やす(好子)/減らす(嫌子)のかを分析するために使います。

 

たとえば、下記の場合は結果が正の強化となり、「また指示どおりにやろう」という動機づけになります。

誘発要因:上司が指示したとき

 

行動  :指示通りに行動する

 

結果  :ほめられる

 

イノベーションを強化したいなら、次のようにマネジメントします。

誘発要因:これまでの慣習のやり方

 

行動  :異なるやり方を試してみる

 

結果  :うまくいく、ほめられる

うまくいかなかったとしてもチャレンジしたことをほめられれば、

また次も新しい提案をするモチベーションになりますね。

 

成果を上げたいなら、成果が上がるための行動を増やすことを考えましょう。

 

そのためにまず行動に着目し(行動化)、どの行動をどのように変えることが成果に直結するかを見極めます(焦点化)。

変える対象の行動を標的行動と呼びます。

 

標的行動が変わるように、随伴性に考慮しながらサポート(介入)を考えましょう。

 

本書では、人見知りな田中さんが部下への声掛けを増やす例が紹介されていました。

・行動化で行動に着目

田中さんの行動:笑顔がない、部下と話さない、目を合わさない等

 

・焦点化でどの行動を変えるか選定

標的行動:部下とさりげなく仕事の話をする

 

・標的行動が増えるようにサポート(介入)

話しかける練習、準備、記録

田中さんが話しかけやすいように、部下の座席表を入手したり、

部下と話しかけた回数を記録してモチベーションを上げたりします。

 

また、標的行動を行うスキルが足りていない場合は練習をします。

シェイピング:標的行動をスモールステップで練習する

 

シェイピングは今できていることから徐々にゴールの行動ができるように練習することです。

 

たとえば、まずは話しやすい部下にはい/いいえで答えられる質問をするところから始めて、

最終的には笑顔で仕事の話が数分できるところまで目指します。

 

サポートするときに大切なことは”学び手はいつも正しい”ということです。

 

うまくできなかったなら、課題の設定の仕方に問題があったのであり、

できない学び手を責めてはいけません。

 

『リーダーのための行動分析学入門』の次に読むなら?おすすめ本3選

 

『リーダーのための行動分析学入門』とあわせて読みたい3冊を紹介します。

①『教える技術』

 

部下・後輩を指導するときに知っておくべき教える技術がわかる本です。

 

行動に着目することで、望ましい行動を引き出すにはどうすればよいか?

がわかります。

参考記事:本『教える技術』の要約まとめ:行動科学を元にした再現性のある教え方とは?

 

②『成人発達理論による能力の成長』

 

知性発達科学の観点から大人が能力を成長させるための理論を紹介した本。

カート・フィッシャーの「ダイナミック・スキル理論」を元に、能力の特性や成長の段階を解説しています。

 

能力開発にどんな課題・環境・サポートが必要なのかのヒントになるでしょう。

参考記事:『成人発達理論による能力の成長』の要約:能力は具体的な課題に取り組むことで成長する

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まとめ:ポジティブな行動マネジメントに取り組もう

・随伴性が変わる⇒行動が変わる⇒成果が変わる

 

・性格のせいにせず、行動に注目しよう(性格はよく現れる行動をまとめたもの)

 

・具体的な行動で指示や評価をしよう(死人テストに合格するか?)

 

・ABC分析で行動に影響する環境(随伴性)を調べよう

 

・適切な介入やシェイピングで行動変容をサポートする

ポジティブな行動マネジメントは、行動に着目するので人格を否定するようなマネジメントに陥らない利点があると感じました。

 

リーダーシップを育てる方法や実践する上でのよくある疑問も載っています。

部下の指導に悩むリーダーにおすすめの本です。

 

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