『やりがいのある仕事という幻想』は、元大学助教授で作家の森博嗣さんの仕事観がわかる本。
その仕事観は”仕事は人間の本質ではない”、”人は働くために生きているのではない”というものです。
仕事に価値を置き過ぎていないか、他人から評価されるために仕事を選んでいないか。やりがいのある仕事をしたいけど見つからない、仕事が楽しめないという人は、仕事に対する見方が変わるかもしれません。
仕事でやりがいが見つからなくても問題ない、お金を稼ぐためだけに働いたって良い、仕事に貴賤・優劣はない。仕事に対する当たり前を考え直させてくれる本です。
★ 『やりがいのある仕事という幻想』 の要約ポイント★
・仕事は人間の本質ではない
・やりがいは見つけるのではなく自分でつくるもの
・仕事の悩みに答えると?
仕事は人生のすべてではない、と思わせてくれます。
この記事では 『やりがいのある仕事という幻想』 の要約を紹介します。
目次
要約①:仕事は人間の本質ではない
著者は一貫して、”仕事は人間の本質ではない”、”人は働くために生きているのではない”と言います。
著者の仕事の定義は、”したいという気持ちはそれほどないけれど、それをしないと困ったことになるからするもの”です。
スマホを見るのを仕事というにはちょっと違和感がありますよね。家事をするのは仕事と捉える人と捉えない人、どちらもいるかもしれません。仕事というか否かには、したいかどうかが関係ありそうです。
したいというわけではないけどしなければならないのが仕事とすると、どうせなら楽しくやりたいと思うのは理解できます。しかし、楽しくなければならない、というわけではありません。仕事に楽しさを見出してもいいし、仕事で稼いだお金で別のことに楽しさを見出しても良いのです。
仕事が社会的な立場と紐づきやすいのは歴史的背景があります。身分・階級によって就ける仕事が決まっている時代がありました。また、医者など不可欠な仕事は人々の尊敬を集めやすいという面もあります。
しかし、そのような仕事と社会的立場との紐づきは近年生まれたものであり、人間の本質ではありません。
巨大な橋の建設に関わった人は、大根を毎年収穫する人より偉いわけではない。そういうものに「未来」や「やりがい」があると感じさせるのは、明らかに言葉だけのイメージで錯覚を誘っている。ようするに「自慢できる仕事」みたいな他人の目を気にした浅ましさにすぎない。
要約②:やりがいは見つけるのではなく自分でつくるもの
やりがいがどこかにあると思うから、見つからないと悩んだり不安になったりします。
仕事とは本来、賃金と苦労のトレードオフであり、賃金の代わりに差し出す対価に納得できるかどうかです。しかし、賃金と苦労のバランスではなく、理想と現実のギャップを見るから悩みになってしまいます。
やりがいがある、楽しいなどの理想は幻想であり、現実も思いこみが含まれていて客観的に見えていないことが多いです。幻想と思いこみの悩みに出口はありません。
人生の生きがいを仕事の中に見つける必要はどこにもない。もちろん、仕事に見つけることもできるかもしれない。それと同じように、仕事以外にも見つけられる。好きなことをどこかで見つければ良い。
必ずしも仕事のなかで生きがいを見つける必要はなく、他の生きがいに没頭するために、仕事はお金を稼ぐ手段として割り切る考え方もあります。
つまりは、自分がどれだけ納得できるか、自分で自分をどこまで幸せにできるかということが、その人の価値だ。その価値というのは、自分で評価すれば良い。
仕事でのやりがいにこだわっているのは本当に自分のためなのか、他人の評価が気になるからではないか。やりがいは誰かに評価されるから価値があるのではなく、自分でつくって育てるもの。他人に理解されなくても自分のやりがいだと心から思えればそれで良いのです。
そう、やりがいとか楽しみというものは、えてしてこのように他者から妨害される(中略)。でも、自分はそれがやりたくてしかたがない。このときに受ける「抵抗感」こそが、「やりがい」である。その困難さを乗り越えることこそ、「楽しみ」の本質だと僕は思う。
要約③:仕事の悩みに答えると?
『やりがいのある仕事という幻想』には、著者が仕事の悩みに答える章があります。
印象に残った回答を紹介します。
やりたいことだけして生きていたいです。
やりたいことをするためにも準備は必要。たとえばスキーが好きな人はスキーで滑走するのが好きだとしても山を登ったり、荷造りしてスキー場まで行ったり準備が必要になる。
やりたいことをするためにお金が必要なら、そのお金を稼ぐ仕事もやりたいことの準備と言えるのではないか。
やりたいことがたくさんあるのに自由時間がない。
やりたいことなら、もうやっているはず。そうまでしてやりたくないことなのではないか。
当たり前だと思っている時間の使い方を考え直してみる。やるべきだと思っているけど本当に必要なのか?と見なおしていくと、やりたいことに使える時間が増えるかもしれない。
職場が殺伐としていてつらい…
それが職場の本来の姿、職場の雰囲気は本質ではない。楽しい職場が好きなのは個人の自由だが、組織として成果を出すという本質とはずれる。
ひまなとき、雰囲気が良くなることを職場の人と話してみてもいいかもしれない。
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