『苦しかったときの話をしようか』の要約まとめ:就活・転職で悩む人におすすめ

『苦しかったときの話をしようか』の要約まとめ:就活・転職で悩む人におすすめ

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『苦しかったときの話をしようか』は、キャリア戦略の考え方がわかる本。


USJをV字回復させたことで有名な森岡毅さんが、就活を控えたお子さんのために書き溜めたものが元になっています。

 

キャリア戦略には自分の特徴を知り、その特徴が強みとなる文脈を探すことが大切。どんな仕事が自分に向いているのか、自分をどう成長させていけばよいのか、就活生だけでなく転職を考えている人やもう一度キャリアを振り返りたい人におすすめです。

★ 『苦しかったときの話をしようか』 の要約ポイント★

 

・自分の特徴が強みに変わる文脈を探す

 

・資本主義の本質を知る

 

・自分のブランドを設計する

仕事の醍醐味も厳しさも、親から子どもへの温かいメッセージとして伝えられていました。社会に出る前に子どもに読ませたい1冊です。

この記事では 『苦しかったときの話をしようか』 の要約を紹介します。

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要約①:自分の特徴が強みに変わる文脈を探す

 

就活・転職でぶつかる壁の1つに「やりたいことがわからない」という悩みがあります。「やりたいことがわからない」のは、自分の中に軸がないから。軸とは、自分にとって何が大切か、どんな人生を送りたいのかという価値観です。

軸を持つにはSelf Awareness(セルフアウェアネス:自分を知っている度合)が高い必要があります。

Self Awareness(セルフアウェアネス:自分を知っている度合)

 

・自分にとって何が大切か

 

・自分は何者か

 

・どんなときに幸せを感じるか

 

・自分にはどんな特徴があるか

 

・どんな人生を送りたいか など

特にキャリア戦略では、自分の特徴を知って強みになるまで磨くこと、強みとなる文脈をみつけることが大切です。

慎重に確実に仕事を遂行することが強みになる仕事もあれば、スピードが遅いとして弱みになる仕事もあります。自分の特徴が強みに変わるのはどういう環境で、その環境に行くにはどうしたらいいのかを考えるのがキャリア戦略です。

つまり、キャリア戦略とは、その人の目的達成のために、その人が持っている”特徴”を認識して、その特徴が強みに変わる文脈を探して泳いでいく、その勝ち筋を考えるということだ。

特徴はそのままだと、ただの特徴に過ぎません。相対的に秀でてこそ強みであり、強みになるまで必死に磨きます。

 

「人はみんな違って、極めて不平等」と著者は言います。外見も体質も知力も違い、生まれた家庭環境にも大きな差があるのは否定できません。一人ひとり違うからこと、自分の特徴を理解して磨けば、その人特有の価値を生むことができるのです。

キャリア戦略において、自分でコントロールできる変数は次の3つです。

①自分の特徴の理解

 

②特徴を磨く努力

 

③環境の選択

この3つに注力すべきであり、そのためにまず①の自分の特徴を理解することが重要です。

要約②:資本主義の本質を知る

 

これから資本主義社会で生きていくために、資本主義の本質を知っておく必要があります。

資本主義とは次のような社会です。

資本主義:人間の「欲」をエネルギー源にして人々を競争させることで社会を発展させる

競争させることが前提なので、チャンスがおおむね公平ならば勝者と敗者がいて良しとします。

 

勝者ー敗者の典型例は資本家ー会社員です。

資本家は会社員に働かせて資本を増やし、会社員は資本家のために働きます。資本があればあるほど資本家の影響力が大きいので、給与の税率と資本からの利益の税率にも表れているように社会も資本家に都合が良いように作られています。

資本主義とは、無知であることと、愚かであることに、罰金を科す社会のことである。

必ずしも資本家になることを勧めているわけではありません。会社員として会社に属さないと関われない仕事もあります。ただ、このような資本主義の現実を知ったうえで会社員を選んでいるのと、会社員しか見えていなくて選んでいるのは大きな違いです。

 

著者の森岡さんは”Everything has cost.”(それぞれに特有の苦労がある)、という言葉が好きだそうです。資本家には資本家の、会社員には会社員の苦労があります。どんな仕事にも、それぞれの仕事特有の苦労があるでしょう。

どうせ何かの苦労を選ばなければならないなら、苦労だと感じにくい苦労、自分に合った苦労を選びたいですよね。そのためにはなるべく多くの選択肢のなかから選べるように認識できる世界を広げます。知らないものは選べません。

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要約③:自分のブランドを設計する

 

自分のブランドを設計することは、どんな行動を取れば良いかの指針になります。

商品・サービスには、どんな市場でどんなターゲットに向けて、どんな価値を提供するか、というブランド設計があります。それを個人にも当てはめて、個人のブランドをつくっていきましょう。

 

ブランド設計のフレームワークとして、ブランド・エクイティ・ピラミッドが紹介されています。

<ブランド・エクイティ・ピラミッド>

 

・攻略する市場

 

・ターゲット(who):リソースを割く人と特に集中する人

 

・便益(what)   :ターゲットにとっての価値、価値を信じる根拠

 

・便益をどう届けるか(how):便益を体現する方法、ふるまい

 

・ブランド・キャラクター  :ターゲットからどういう人と思われたいか

もし出世を目指す会社員ならターゲットは上司かもしれませんし、就職・転職活動中の人なら採用担当者かもしれません。

そのターゲットにどんな価値を感じてもらいたいか、そしてその価値を信じる根拠はなにかを考えます。根拠は経験、実績、資格などがあります。そして、その便益に矛盾しないふるまい、どんな人柄に思われたいか(誠実、アイディアが豊富、安心して任せられる等)も考えます。

 

ブランド設計で重要なポイントは次のとおりです。

・便益は強いか、信じられるか、際立っているか

 

・自分の本質と一致しているか

ありきたりな便益では選ぶ理由になりません。他と際立つ、ほしいと思われるような便益になっているか、そして信じられるだけの根拠があるかは重要です。

また、根拠に嘘がなく、本来自分が持つ特徴と大きくベクトルがズレていないことも確認しましょう。就活や転職活動ではつい自分をよく見せようと演じてしまいがちですよね。しかし、そのような装飾は面接官にはバレてしまいますし、見極められない面接官が採用している会社に入社するほうがリスクが高いでしょう。

ブランドが設計できたら、あとはブランドに沿った行動を取って結果を出すのみです。

君自身をブランディングするというのは、要するにシンプルなことだ。君の本質を誠実に射抜いたベクトルを、理想の方向にスピンして引きのばしてブランドを設計したら、精一杯努力して理想に近づくように行動を積み重ねていくしかない。その結果、現在の自分と理想の自分の間のどこかに、”近い未来の君”という新しいブランドができ上がるだろう。

『苦しかったときの話をしようか』 の次に読むなら?

 

『苦しかったときの話をしようか』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。

①『誰もが人を動かせる!』

 

こちらも森岡さんの著作です。自分を理解した上でリーダーシップを養うためにどこに身をおくかがわかります。

リーダーシップに必要なのは欲とリーダーシップ経験。リーダーシップ経験を積んだもの勝ちです。

参考記事:『誰もが人を動かせる!』の要約まとめ:リーダーシップの強さは欲の強さ

②『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』

 

本当にやりたいこと=好きなこと×得意なこと×大事なことを見つけるための本。

自分の価値観を明確にするための質問がたくさん載っています。

参考記事:『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』の要約まとめ【自己分析はこれ1冊でOK】

③『insight』

自己認識を高めることで、無意識の決めつけや他人への評価に気づくことができます。

自分で自分を知る内的自己認識他人から見た自分を知る外的自己認識を高めるのがポイント。

内的自己認識が深まれば、本来の自分の願いに沿った判断や意思決定ができます。良い人間関係を築くには、他人から見た外的自己認識も重要です。

参考記事:本『insight』の要約まとめ:自分を正しく知る自己認識(セルフ・アウェアネス)とは?

 

★今回紹介した本★


 

★転職・仕事選びのおすすめ本まとめ★

転職本・仕事選びの本のおすすめまとめ:自分に合う仕事を考えるヒント

 

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