『ザ・メンタルモデル』のまとめと感想:自分の思考・行動パターンに気づく

『ザ・メンタルモデル』のまとめと感想:自分の思考・行動パターンに気づく

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『ザ・メンタルモデル』は、自分の深いところにある信念を知ることで自己理解が深められる本。

著者の由佐さんが1000人以上の人の悩みを聞くなかで類型したものであり、科学的な裏付けはないのですが、自己理解の1つのモデルとしておもしろかったです。

この本における「メンタルモデル」は、人間が幼少期に体験した痛みを切り離すために「自分もしくは世界とはこういうものだ」と無意識に決定づけたその人固有の最も深いところにある信念という捉え方をしています。

メンタルモデルは「価値なし」モデル、「愛なし」モデル、「ひとりぼっち」モデル、「欠陥欠損」モデルの4つです。

★ 『ザ・メンタルモデル』 のまとめポイント★

 

・痛みを回避して生きるためのOSに適合して生きている

 

・4つのメンタルモデル

「価値なし」モデル/「愛なし」モデル/「ひとりぼっち」モデル/「欠陥欠損」モデル

ポイントをまとめてみたものの、要約だけ知ればOKというタイプの本ではありません。

人を選ぶ本なので、もし興味が持てたらぜひ読んでみてくださいね。

この記事では 『ザ・メンタルモデル』 のまとめと感想を紹介します。

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痛みを回避して生きるためのOSに適合して生きている

 

メンタルモデルは分離の深層構造を示したものです。幼少期の痛みを切り離すためにどれかのメンタルモデルを選びます。

幼少期に感じた”あるはずのものがない”という痛みを回避するために、メンタルモデルを選択し、それに沿って回避行動を取ります。しかし、回避行動を取っても痛みに向き合っていないので不本意な現実をつくるばかりで、痛みやメンタルモデルに気づいて統合することが必要です。

 

たとえば著者は、2歳のときに母親が入院するために祖父母の家に預けられたことで「ひとりぼっち」モデルのメンタルモデルを持った、と振り返っています。そして、ひとりでも生きていけるように仕事に打ち込むという、克服型の回避行動を取っていたそうです。

1人で生きられるようになればなるほど、ひとりぼっちであるという痛みは強まっていきます(痛みの再生産)。

 

回避行動には2つのパターンがあります。

克服型:痛みを回避しようと一生懸命努力する

 

逃避型:痛みを見ないようにする

”あるはずのものがない”という痛みは、何があってほしいか?自分が望む世界はどんなものか?の裏返しです。わたしは何のメンタルモデルを持ち、どんな回避行動をしているか?に気づくことで、人生の目的に沿って生きることができます。

4つのメンタルモデル

メンタルモデルには4つのタイプがあります。

「価値なし」モデル:自分には価値がない

 

「愛なし」モデル:自分は愛されない

 

「ひとりぼっち」モデル:所詮自分はひとりぼっち

 

「欠陥欠損」モデル:自分はダメだ、何かが欠けている

1つずつ特徴を紹介します。

「価値なし」モデル:自分には価値がない

「価値なし」モデルの人は、自分に価値があると認められるようにひたすらがんばりがち。

承認欲求が強いから他人の期待に応えようと頑張りすぎて体調をくずしたり、そのペースに周りがついて来られなくなったりする。

 

自分軸で生きること、自分を大切にしてときには他人より自分を優先するのが課題です。

「愛なし」モデル:自分は愛されない

「愛なし」モデルは寂しさから奉仕する人です。

自己犠牲的で、やったことに対して感謝されないとバランスが取れなくなります。愛を”やっただけ返ってくるはず”という取引の愛で捉えてしまっているので、愛=無条件の愛を信じることがチャレンジです。

何もしなくてもありのままの自分で愛されていいんだと許せたら、統合に進めるでしょう。

「ひとりぼっち」モデル:所詮自分はひとりぼっち

「ひとりぼっち」モデルの人は、所詮1人だという割り切った孤独感を持っています。

他人に入れ込まず、はじまるときから終わる準備をしているような人です。来るもの拒まず、去る者追わず、自分の道を行くタイプ。

 

でも本当は、ワンネス(oneness:すべてはつながっている)の感覚の中で誰もが生きる世界を望んでいます。

「欠陥欠損」モデル:自分はダメだ、何かが欠けている

「欠陥欠損」モデルの人は、存在として自分に何かが欠けている不安を抱えています。

ここにいてはいけないのではないか?と漠然と不安になるので、ありのままで安心してそこにいることを望んでいます。

 

「価値なし」モデルと似ていますが、「価値なし」モデルは克服型の回避行動でひたすら行動する、

「欠陥欠損」モデルは逃避型の回避行動で、あまり行動で埋めようとしないところに違いがあるそうです。

 

あなたはどのメンタルモデルに近いでしょうか?なにか思い出す記憶はありますか?

メンタルモデルを知ることで、いままでと違う視点で自分を見つめることができます。

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『ザ・メンタルモデル』の感想

 

それぞれの望むものは人間の集合的なテーマです。ユングの集合的無意識に似ていると思いました。

集合的無意識:全人類に共通する無意識

集合的無意識が望む世界が4つある、というようにわたしは理解しました。

 

「ひとりぼっち」モデルと「愛なし」モデルの人の愛情表現の違いがおもしろかったです。

「愛なし」モデルの人は奉仕の精神でなんでもやってあげようとします。「ひとりぼっち」モデルの人に何かしてあげると、「ひとりぼっち」モデルの人は「そんなことやらなくていいよ」と言います。「愛なし」モデルの人は傷つくでしょうね。

でも、「ひとりぼっち」モデルの人は、「そんなことやらなくていいよ」⇒自分のやりたいことだけやればいいよ、と相手のために言っているつもりなのです。

 

わたしはたぶん「ひとりぼっち」モデルなので、この「ひとりぼっち」モデルの人の気持ちがよくわかりました。きっと「愛なし」モデルの人を意図せず傷つけてしまったんだろうな~と反省します。

 

著者がTEDでスピーチしている動画も視聴しました。私たち1人ひとりが世界を良くできる、優しい世界にできる、と感じられるとても良いスピーチなのでぜひ見てみてくださいね。

『ザ・メンタルモデル』 の次に読むなら?

 

『ザ・メンタルモデル』 とあわせて読みたい2冊を紹介します。

①『無意識のすごい見える化』

 

意識には顕在意識と潜在意識があり、潜在意識で望んでいることが現実化すると言われています。

心の奥でどんなことを望んでいるかが現実に影響を与えるのです。

 

潜在意識の奥にある意識の器=メタ無意識のパターンは子どものころの記憶に影響を受けており、その記憶に向き合うことで、自分をいつの間にか縛っている思考パターンを書き換えることができます。

参考記事:『無意識のすごい見える化』の要約まとめ:他者基準から自由になる

②『無(最高の状態)』

 

過去や未来を想像して悩んでしまう、という人にぜひおすすめ。

脳がつくりだす物語に巻き込まれず、マインドフルネスの状態を保つヒントが見つかります。

 

紹介されているエピソードや研究結果も面白いので、心理学や脳科学の読み物としても楽しめます。

参考記事:『無(最高の状態)』の要約まとめ:自己を捨てれば苦しみから解放される

 

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