『こうして社員は、やる気を失っていく』の要約まとめ:組織心理に基づくマネジメント

『こうして社員は、やる気を失っていく』の要約まとめ:組織心理に基づくマネジメント

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『こうして社員は、やる気を失っていく』は、組織心理に基づくマネジメントがわかる本。

やる気を失わせる上司の言動や会社のシステムが、実例とともに紹介されています。思わず「あるある」と苦笑してしまう人も多いかもしれません。

 

どうすればモチベーションを下げる要因を取り除けるのか、主体性を持たせることができるのかを知りたい人におすすめです。

★ 『こうして社員は、やる気を失っていく』 の要約ポイント★

 

・心理的安全性の高さが重要

 

・自己効力感と結果期待が行動を促す

 

・使っている言葉が文化をつくる

一人の人間として気にかける、言葉選びに気を付けるなど、地道な取り組みが必要です。

この記事では 『こうして社員は、やる気を失っていく』 の要約を紹介します。

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要約①:心理的安全性の高さが重要

 

やる気があり、主体的に行動する組織をつくるには、心理的安全性の高さが重要です。

心理的安全性:安心して自分の気持ちや考えを話せること

心理的安全性が高い職場では、ちょっとした気がかりや思い付きを積極的に話せるので、ミスを未然に防げたりアイディアが出やすかったりします。

反対に、心理的安全性が低いと、怒られるから余計なことは言わない、確実なこと・安全なことしか発言しないという後ろ向きな態度になるでしょう。

 

いつ自分の居場所がなくなるかわからない状態では、仕事のブラックボックス化が起こります。

仕事を抱えることで、居場所を死守し、承認欲求を満たそうとしているのです。

 

仕事を抱えて離さない人がいるなら、その人を責めるのは逆効果かもしれません。その人が心理的安全性を感じられるような関わり方をしているのか、今一度振り返ってみましょう。

 

カウンセリング的な関わり方がヒントになります。カウンセラーで知らない人はいないくらい有名なカール・ロジャースの3原則が紹介されていました。

カール・ロジャースはクライエント中心療法を提唱した心理療法家です。

①無条件の肯定的配慮:どんなことでも温かく聴いてくれる

 

②共感的理解:わたしの身になって聴いてくれる

 

③自己一致:言っていることとやっていることが一致している

部下を1人の人間として尊重すれば、自然と心理的安全性は高まるのかもしれません。

要約②:自己効力感と結果期待が行動を促す

 

主体的な行動を促すには、自己効力感と結果期待が重要です。

自己効力感:「わたしならできる」

 

結果期待:「うまくできそう」

自己効力感の反対は「どうせやっても無理」という学習性無力感です。

 

「わたしならできる」という自己効力感で行動を促し、「うまくできそう」という結果期待が望ましい結果を得る確率を高めます。

 

自己効力感を得る方法は次のようなものがあります。

・成功体験:小さなことでも良いので成功した体験をする

 

・代理体験:成功する過程を観察して疑似体験する(モデリング)

 

・言語体験:同じ時間、同じ空間を共有した人からの励まし

自己効力感を増すような体験をデザインできているか、結果期待ができるように具体的なプロセスを示せているかを見直してみましょう。

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要約③:使っている言葉が文化をつくる

 

どんな組織文化なのかは、使っている言葉を観察するとわかります。

社会構成主義という考え方によると、文化をつくり出しているのは言葉です。

社会構成主義:

「社会に存在するさまざまな事象は、人が対話を通して、頭の中でつくり上げたものである」

 

あなたのチームではどんな言葉が飛び交っていますか?なぜその発言をしているのでしょうか?

(例)

「あの部署はいつも協力しないよね」⇒部署間に壁があるんだ…

「まずは売上を上げてこい」⇒うちの会社はお客さんを大切にしないんだ…

リーダーの言葉が変われば社員の認知が変わります。

リーダーは良くも悪くも組織への影響力が大きいです。

 

つくりたいチームに合った言葉を使っているか、メンバーにしてほしい行動とリーダーの日頃の口ぐせが一致しているかを振り返ってみましょう。

使っている言葉が文化をつくります。

『こうして社員は、やる気を失っていく』 の次に読むなら?

 

『こうして社員は、やる気を失っていく』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。

①『コーチングよりも大切なカウンセリングの技術』

 

ビジネスの場面で使えるカウンセリング技術がわかる本。

コーチング的なコミュニケーションがダメなわけではなく、コーチングが機能するためにはカウンセリング的な関わりでまずエネルギーを充電しよう!という内容です。

参考記事:『コーチングよりも大切なカウンセリングの技術』の要約まとめ【徹底的に受容・共感】

②『チームが自然に生まれ変わる』

 

心から望むゴールとそれに対するエフィカシー(やれる気しかしない!という自信)があれば、自然とやる気が湧いてきます。

 

「チームのモチベーションが低い、どうやってやる気を出したらいいのか」と悩むリーダーに刺さる本です。

参考記事:『チームが自然に生まれ変わる』の要約まとめ:認知科学に基づくリーダーシップとは?

③『だから僕たちは、組織を変えていける』

 

やる気に満ちたやさしいチームのつくり方がわかる本です。

組織の人間関係の質を改善するポイントがよくわかります。

参考記事:『だから僕たちは、組織を変えていける』の要約まとめ:関係の質を高めるには?

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まとめ:やる気を下げる原因を取り除こう

・心理的安全性が高いと安心して自分の気持ちや考えが話せる

 

・居場所がないと仕事のブラックボックス化が起きる

 

・カール・ロジャースの3原則

 ①無条件の肯定的配慮:どんなことでも温かく聴いてくれる

 ②共感的理解:わたしの身になって聴いてくれる

 ③自己一致:言っていることとやっていることが一致している

 

・「わたしならできる」という自己効力感+「うまくできそう」という結果期待

 

・使っている言葉が文化をつくる

自分がやる気を下げる環境をつくっていないか、チェックするのにぴったりな本でした。

 

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