『意思決定が9割よくなる 無意識の鍛え方』は、無意識に意識を向けて自分と向き合う必要性と方法がわかる本。
著者は脳科学者の茂木健一郎さんです。
人間の意思決定や感情は無意識によって影響を受けています。
確固たる存在であるはずの「自分」という認識は、実は極めて脆弱な基盤の上に成り立っている。だからこそ、脳内のビッグ・データとも言える「無意識」にフォーカスし、内なる自分と向き合う機会を設けていくことが必要になる。
無意識に意識を向けて自分を理解することで、より思い通りに生きることができます。
★ 『意思決定が9割よくなる 無意識の鍛え方』 の要約ポイント★
・日本的な無意識を知る
・内なるガラスの天井を壊す
・無意識を鍛える方法
この記事では 『意思決定が9割よくなる 無意識の鍛え方』 の要約を紹介します。
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目次
要約①:日本的な無意識を知る
日本人に共有されている文化的な感覚は、無意識に人の感覚に影響を与えています。
当たり前に感じていることも、他の国の人から見れば特殊な点が多いです。
たとえば、次のような例が紹介されています。
・ハイコンテクスト文化:「おまかせ」で通じる、言わなくてもわかる
・日本っぽい型に変えて取り入れる:仏教、食文化、文字
・金継ぎ:破損を隠さずに新たな調和をもたらす
・もののあはれ:ありのままを肯定
特に『源氏物語』に見る”もののあはれ”の感覚の話が興味深かったです。
もののあはれ:しみじみとした趣、無常、哀愁
『源氏物語』は光源氏のどろどろした恋愛模様が描かれていますが、その是非は問わず、「仕方ないよね~」「どうしようもないよね~」というスタンスが感じられます。
「もののあはれ」という概念は、人や自然、地球上のすべての物質が「ありのままである」ことを肯定している点において、個性や多様性を育む土台となっている。僕たちは本来、その人らしさを尊重する文化の中に生まれ、育っているのだ。
多様性という切り口で日本人を考えると、和を尊ぶがゆえの同調圧力や単一民族による排他的な面が語られがちですが、ありのままを受け入れるという文化的土台も持ち合わせていることがわかりました。
要約②:内なるガラスの天井を壊す
内なるガラスの天井は、無意識に設定している自分の限界のことです。
「どうせ無理だろう」と思っていると、自分で設定した限界を超えることはできません。
似たような概念で、心理学者のマズローのヨナ・コンプレックスがあります。
ヨナ・コンプレックス:自分の使命に挑戦せずにできない自分でいること
できない自分でいることは、挑戦しない分、傷つかないので安心です。
「どうせわたしにはできないし…」というヨナ・コンプレックスが出てきたら、その気持ちに意識を向けて、内なるガラスの天井を破るチャンスと考えましょう。
ヨナ・コンプレックスという自己防衛のメカニズムがあることを理解して、「本当はできるのではないか」と自己を疑ってみることは、変化の大きな第一歩になる。あなたの可能性を低く見積もっているのはあなた自身であり、それを解放できるのもまた、あなた自身なのだ。
他人に嫉妬したときこそ、自分の限界を疑うチャンス!
要約③:無意識を鍛える方法
無意識を鍛えることは、自分を知ることにつながります。
無意識に表れる自分の思考や行動は個性と言うこともでき、個性を伸ばすことでより自分らしく生きることもできるのではないでしょうか。
無意識を鍛える方法には次のようなものがあります。
・全体を柔らかく俯瞰する(短期的なto doリストに囚われない)
・感情のタグ付けとフォーカシング
・1日30分のデジタルデトックス
・マインドフルネス瞑想
・読書 など
感情のタグ付けとフォーカシングとは、心が動いたもの・なぜか気になったものをメモ(タグ付け)しておき、なぜあれが気になるのか?と無意識を掘り下げる(フォーカシング)ことです。
忙しいと「あれ?」という感覚を素通りしてしまいますが、自分の感じたことを立ち止まって考えてみましょう。
また、無意識に影響を及ぼすのは、思考だけでなく身体感覚もあります。
楽しいから笑うのか、笑ったから楽しくなったのかわからなくなることや、泣いたら気持ちが高ぶって、思ったより悲しくなってしまうこともありますよね。
これはジェームズ=ランゲ説と呼ばれます。
ジェームズ=ランゲ説:身体が反応し、その反応から感情が生まれる
呼吸が浅くなる、手に汗をかく、なんだか無性にドキドキする等、身体感覚が教えてくれるサインも軽視せず、耳を傾けてみましょう。
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『意思決定が9割よくなる 無意識の鍛え方』 の次に読むなら?
『意思決定が9割よくなる 無意識の鍛え方』 とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『選択の科学』
賢明な選択をするにはどうしたら良いのか、文化的な背景がどう選択に影響を与えるのかがわかります。
より自分らしい選択が思い通りに生きることにつながります。
参考記事:『選択の科学』の要約まとめ:選択は自分をつくる創造的な行動
②『joyful 感性を磨く本』
本能的に喜びを感じるものの共通法則をまとめた本。
頭で考えるより、感じることの大切さがわかります。
参考記事:『joyful 感性を磨く本』の感想と要約:喜びはどこにでもある
③『直感と論理をつなぐ思考法』
自分のワクワクする直感や妄想からアイディアを形にする思考法についての本。
自分の「やりたい!」という強い気持ちを出発点に、アイディアを形にしていきます。
たくさんのヒントが得られるはず!ワークもたくさん載っています。
参考記事:『直感と論理をつなぐ思考法』の要約まとめ:ビジョンドリブンとは自分モードで生きること
まとめ:無意識から自分を知る
・日本人に共有されている文化的な無意識がある
-もののあはれ、ハイコンテクスト文化など
・内なるガラスの天井=無意識に設定している自分の限界
・「どうせできない」と感じたら内なるガラスの天井を壊すチャンス
・感情のタグ付けとフォーカシングで無意識を鍛える
・身体感覚も無意識の重要なサイン
無意識に意識を向けることで、自分でも知らなかった自分に気づけるかもしれません。
人間の思考や影響は、見えない領域にたくさん影響を受けていることがわかりました。
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