『When 完璧なタイミングを科学する』は、タイミングの重要性がわかる本。
どうやるか(how to)の本はたくさんありますが、この本ではいつやるか(when to)についての研究がまとめられています。
自分の最適なタイミングを知り、生産性を上げるのに役立ちます。
★『When 完璧なタイミングを科学する』の要約まとめ★
・クロノタイプと谷の時間を知る
・谷の時間に20分以下の昼寝をとる
・中間地点をモチベーションアップに使う
50歳前後で人生の幸福度は最も下がる(万国共通)、
15時前後は手術ミスや事故が多い、
新学期の始まりはジム通いを再開する学生が増えるなど、
いろいろな研究が紹介されていて楽しく読めました。
この記事では『When 完璧なタイミングを科学する』の要約を紹介します。
目次
要約①:クロノタイプと谷の時間を知る
ほとんどの生物は概日リズム(体内時計)のパターンを持っています。
それぞれのパターンをクロノタイプと言い、人間は大きく3パターンに分かれます。
・ヒバリ型(朝型):14%
・第3の鳥型(やや朝型):65%
・フクロウ型(夜型):21%
自分がどのクロノタイプかは、寝る時間と起きる時間の中間時刻で決まります。
・ヒバリ型(朝型):0~3時
・第3の鳥型(やや朝型):3時~5時30分
・フクロウ型(夜型):5時30分~0時
たとえば、夜10時に寝て朝7時に起きる人は、夜10時と朝7時の中間時刻が2時30分なのでヒバリ型です。
クロノタイプは遺伝の影響が大きいですが、年齢によって子どもの頃は朝型・思春期は夜型・年を重ねるごとにだんだん朝方になるという傾向があります。
高校生・大学生が夜更かししがちなイメージとも合致しますね。
人間の集中力はピークー谷ー回復というトレンドがあり、その時間帯に適した作業があります。
ピークの時間:分析的作業(論理的思考、意思決定、集中力が必要な作業)
谷の時間 :洞察的作業(ひらめき、アイディア出し、創造性が必要な作業)
谷の時間はどんな仕事も向いていないかと思いきや、創造性を発揮するには良い時間なのですね。
起きてから約7時間後が谷に当たります。
つまり、ヒバリ型や第3の鳥型の人は午前中に分析的作業、午後に洞察的作業を行うのが生産的です。
フクロウ型の人は、午後に分析的作業、夕方から夜にかけて洞察的作業を行うほうがはかどります。
要約②:谷の時間に20分以下の昼寝をとる
谷の時間には集中力が下がります。谷をゆるやかにするために、休憩が有効です。
リフレッシュできる休憩の条件は次のとおりです。
・体を動かす
・屋外、屋内でも緑の近く
・物理的にも心理的にも仕事から離れる
・どう過ごすか自由に決められる
お昼休憩はしっかりとったほうがいいですね。
特におすすめなのが、20分以下の昼寝です。
昼寝をすることで、学習能力や情報維持力がアップします。
20分以上寝てしまうと、睡眠慣性(しばらくほーっとする)が起きます。
カフェインは血流に乗るまで約25分かかるので、短時間の昼寝の目覚ましとして効果的です。
カフェインを摂取してから20分以内の昼寝をすることは、カフェインナップとも言われます。
また、20分の昼寝の時間が取れなくても、集中力が必要な仕事の前に短い休止を挟むことで集中力を上げることができます。病院の手術前などに取り入れられているそうです。
注意力を高める休止は致命的な過ちを防ぎ、リフレッシュ休憩はパフォーマンスを高める。昼食と昼寝は谷の時間帯の危険を避けるのに役立ち、量的にも質的にも午後に優れた仕事をこなすために役立つ。科学の進歩によって、休憩は怠惰のしるしではなく、強靭さのしるしであることが明らかになった。
休憩しない=仕事熱心な人、という捉え方はもう古いです。
to doリストに休憩をスケジュールしている人のほうが生産性が高いかもしれません。
要約③:中間地点をモチベーションアップに使う
人間は中だるみする生き物です。
個人ではどうしようもなく、自然の摂理として中盤で手を抜きやすいのだとか。
中だるみが起きることには逆らえないのですが、その影響を小さくすることができます。
それは、中間地点の「おっと大変だ効果」を有効活用することです。
「おっと大変だ効果」
半分が過ぎたと気づくことが適度なストレスとなり、モチベーションが上がる。
しかし、「おっと大変だ」ではなく、「もうダメだ…」になる可能性もあります。
遅れ具合が小さい、ほんの少し遅れ気味という状態が、「おっと大変だ効果」を引き起こします。
<ハーフタイムの点差が勝率にどう影響するか>
1万8000以上のバスケの試合で、ハーフタイムの点差と勝率を調べた調査が載っていました。
ハーフタイムでリードしているチームのほうが最終的な勝率が高いのは当然ですよね。
たとえば、ハーフタイムで6点差リードしているチームのほうが、勝率80%でした。
しかし、ハーフタイムで1点リードされているチームの勝率だけが50%を超えて逆転していました(勝率58%)。
1点リードされていると、2点リードしているチームと同じくらいの勝率になります。
スポーツの点差は明確ですが、仕事がどのくらい遅れているかは捉え方によって多少操作できます。
もしあなたがリーダーで「おっと大変だ効果」を発動させたいなら、予定より少しだけ遅れていることを強調すると良いでしょう。
「おっと大変だ効果」は、今が中間地点だと気づかないと発動しないので、中間地点で進捗確認のタイミングを設定しておきます。
そして、チームのコミットメントが高いときはまだ残っている仕事を、
コミットメントが低いときはすでにやった進歩を強調するほうが効果的です。
『When 完璧なタイミングを科学する』の次に読むなら?
『When 完璧なタイミングを科学する』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『時間術大全』
人生で大切なことに時間を使うためのコツが87個も紹介されています。
時間の使い方を徹底的に見直したい人におすすめです。
カフェインナップも紹介されていました。
参考記事:『時間術大全』の要約まとめ:自分の人生にとって大事なことをする時間を取り戻す
②『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』
先延ばしをしてしまうのは、始めるタイミングや実行する時間帯が悪いのかもしれません。
先延ばしには方程式があり、タイプ別に対策がわかります。
参考記事:『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』の要約まとめ:先延ばしの方程式と対処法
③『AI分析でわかったトップ5%社員の時間術』
仕事ができるトップ5%社員の時間の使い方がわかる本。
集中のスイッチの入れ方や休憩の取り方、仕事の計画など、参考になるコツが満載です。
参考記事:『AI分析でわかったトップ5%社員の時間術』の要約まとめ:89%が時短を実感した時間術とは?
まとめ:あなたに最適なタイミングはいつ?
・自分のクロノタイプを知り、集中力に合った仕事をする
・谷の時間は創造性を発揮する作業に向いている
・20分以下の休憩を取ると谷の落ち込みが軽減できる
・集中力が必要な仕事の前には短い休止を入れる
・人間は中間で手を抜く生き物である
・中間地点で僅差の遅れだと「おっと大変だ」効果が発動する
自分のクロノタイプに合った仕事のスケジュールを立てれば、仕事のミスが減って生産性が上がるかもしれません。
休憩を取らないのではなく、休憩を戦略的に取るのがハイパフォーマーなんですね。
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