『「顧客消滅」時代のマーケティング』の要約まとめ:フローからストックへの転換

『「顧客消滅」時代のマーケティング』の要約まとめ:フローからストックへの転換

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『「顧客消滅」時代のマーケティング』は、フローからストックへ、ファンをつくるマーケティングの手法や事例がわかる本。

コロナによって、フロー(新規顧客、関係の薄い顧客)で成り立っていたのか・ストック(ファン)をつくれていたかで明暗がはっきりわかれました。

 

顧客がつぶさせない店・企業をつくるために必要なことがわかります。

★『「顧客消滅」時代のマーケティング』の要約ポイント★

 

・顧客リストをあたためてファンダム・コミュニティをつくる

 

・提供する価値と顧客を明確にする

 

・3段階組織変革でストック型に転換する

個人や中小企業は、コスパの良さでは大きな資本を持つ相手に敵いません。

価格で勝負せず、心の豊かさにどれだけ貢献するかを重要視する戦略です。

この記事では『「顧客消滅」時代のマーケティング』の要約を紹介します。

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要約①:ファンダム・コミュニティをつくる

 

ファンダムとは熱心なファンの集団のこと。

 

アーティストやスポーツ、アニメなどの熱狂的なファンを示す言葉でしたが、

ビジネスでもファンダムをつくる重要性が注目されています。

 

ファンダムがない店では、コロナで客足が遠のいた後に顧客が戻ってきません。

 

なぜなら、コロナをきっかけに「別に行く必要がない」と気づいたり、

もっと便利な手段(ECサイトなど)で十分だと思ったりするからです。

 

ファンダムが形成されている店は、その店に行かなければ得られない精神的な喜びや価値があります。

ちょっと価格が安いくらいでは他の店を選びません。

 

新潟のエスマートの事例が紹介されていました。

田舎のスーパーであるエスマートは、次のような声をもらうそうです。

 

「なにか温泉旅館に来たような気分になる」

 

「ディズニーランドより楽しいかも」

 

「おばあちゃんからあの楽しいところにまた連れていってとせがまれるんです」

 

「子どもがあの店にまた行こう、また行こうとうるさくって」

工夫をこらしたポップやこだわりの品ぞろえ、店員さんとのコミュニケーションが人気の理由。

楽しいかどうかを基準に改善しているそうです。

 

ファンができていれば、いくらECサイトが便利になっても顧客は奪われません。

 

ファンを作るためには顧客リストをつくり、関係性・絆をつくります。

 

いわゆるダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)ですが、

しかし、リストを取って終わりではなく、関係性をつくることが重要です。

本書では”顧客リストを温める”と表現されています。

 

具体的には、役立つ情報の提供・イベントの開催・自社のポリシーや歴史などを継続的に発信します。

リストがあるから収益が見込めるのではなく、その先の個人とどのくらい信頼関係ができているか、ファンになっているかに注意しましょう。

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要約②:提供する価値と顧客を明確にする

 

自分たちの提供する価値と顧客は誰なのか?を明確にすることで、ファンをつくるようなビジネスができあがります。

 

情報があふれて便利になった時代には、中途半端なものは選ばれません。

提供価値を大きく分類すると、心の豊かさかコスパの良さの2択です。

 

コスパの良さで勝負するには、大きな資本を持つ企業には敵いません。

個人や中小企業は心の豊かさの価値提供を考える必要があります。

 

誰の心をどんな風に豊かにするのか?を考え、それを実現する商品・届け方・場所つくりを行います。

価値を明確に伝えるため、商品数はしぼったほうが良いでしょう。

”なんでも揃う”で勝負するのは強者の戦略ですね。

 

提供する価値がビジネスのあらゆる場面で一貫性を持っていること、価値のパッケージ化が大事です。

 

それは”ラストワンマイルにこだわる”という発想にも表れています。

(前略)せっかく緻密に設計して価値のパッケージ化をしたとしても、それを運んでくるのがたまたま荒っぽいドライバーにあたってしまったら、価値の連鎖がそこで途切れてしまうからだ。

UberEatsを使って宅配をする場合、ドライバーは選べません。

顧客の体験価値がネガティブなものにならないように、最後までこだわる姿勢が価値提供へのこだわりにつながるのでしょう。

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要約③:3段階組織変革でストック型に転換する

 

ストック型に転換することは、従来の考え方を変える必要があるかもしれません。

組織変革のヒントとして、組織変革の3段階が紹介されていました。

①解凍 :思い込みを溶かす

 

②変革 :新しいことを学習する

 

③再凍結:新しいやり方を習慣化

他人の解凍を助けるには、愚痴と不安を徹底的に空っぽになるまで聞き、

なぜやるのか?を何度も繰り返し伝えるのが効果的。

 

また、最初の一歩を小さく・わかりやすく伝えると動きやすくなります。

 

変化はすぐに表れないので、個人を見ずに組織全体が変化に向かって動いているかを確認しましょう。

(個人を見ると不満が溜まります…)

 

組織は2割が動けばあとは自然と動いていくものです。(イノベーター理論)

★イノベーター理論★

商品やサービスが市場に受け入れられるまでの過程を示した理論

 

・イノベーター(2.5%)     :最先端のものをとりあえず買う

 

・アーリーアダプター(13.5%):最先端のものに興味がある

 

・アーリーマジョリティ(34%):流行ってきたら買う

 

・レイトマジョリティ(34%) :慎重に選んで買う

 

・ラガード(16%)      :買わない

組織変革にもイノベーター理論が当てはまります。

変換点(ティッピングポイント)はイノベーター+アーリーアダプター(16%)です。

 

最初のコア集団形成がカギであり、いかにコア集団に刺さるビジョン・why(なぜやるのか)を伝えられるかにかかっています。

全体の流れを見ながら、焦らず解凍していきましょう!
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『「顧客消滅」時代のマーケティング』の次に読むなら?

 

『「顧客消滅」時代のマーケティング』とあわせて読みたい3冊を紹介します。

①『プロセスエコノミー』

 

商品やサービスの物質的なクオリティが変わらなくなるにつれて、

人間理解や共感をベースに経験価値が選ばれるようになります。

 

レストランで完成した料理を食べるより、バーベキューで一緒につくりたい!

そんな時代の変化が感じられる1冊です。

参考記事:『プロセスエコノミー』の要約まとめ:自分のこだわりを持って共感する理由をつくる

②『whyから始めよ』

 

提供価値を明確にするとは、組織の存在理由=whyを考えることです。

アップル社やライト兄弟、キング牧師など、whyで人を惹きつけた例がたくさん載っています。

数々のビジネス書に引用されているので、

1度は読んでおきたい本です。

参考記事:『whyから始めよ』の要約と感想:インスパイア型リーダーは内から外へ一貫性がある

③『人は感情でモノを買う』

 

『人は感情でモノを買う』は、ストーリー性のあるメッセージをつくるときに役立ちます。

相手の立場に立ってどのくらい感情を引き出し、共感を得られるかがポイント。

 

なぜ自分の商品を買ってくれるのか、サービスを利用してくれるのかを理解することが重要です。

参考記事:『人は感情でモノを買う』の要約!共感されるストーリーフォーミュラとは?

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まとめ:ファンがいる店・企業は状況変化に強い

・ファンダム(熱心なファンの集団)は店や企業を支えてくれる

 

・顧客リストを作って関係性を強くしていくことでファンダムをつくる

 

・自分たちの提供価値と顧客を明確にする

 

・コスパの良さでは大資本に勝てない。心を豊かにするサービスを提供する

 

・商品を売るのではなく体験価値を提供する(価値のパッケージ化)

 

・組織変革を起こすにはなぜやるのか?を繰り返し伝える

コロナウイルスの影響が大きかった実店舗経営での事例が多く、それまでの顧客との関係づくりが明暗を分けたことがはっきりわかりました。

顧客と継続的なつき合いがどのくらいできるか、どのくらい愛される店舗・企業になるかが重要です。

 

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