『メンタリング・マネジメント』は、メンター(支援者)によって1人1人の可能性を引き出すマネジメント方法を紹介した本です。
”他人を変えるにはまず自分から変わる”という人間関係の原則を軸に、
テクニックや手法ではなく、メンターとしての姿勢・生き方がわかります。
上司やリーダー、後輩の教育担当者におすすめの1冊です。
★『メンタリング・マネジメント』の要約ポイント★
・メンタリング・マネジメントで自立型人間を育てる
・メンターの行動基準:見本/信頼/支援
・メンターの問題解決プロセスは常に自己責任の姿勢
そんな方法はない、というのがこの本のスタンスです。
この記事では『メンタリング・マネジメント』の要約を紹介します。
目次
要約①:メンタリング・マネジメントで自立型人間を育てる
メンタリング・マネジメントとは、メンター(支援者)が1人1人の可能性を引き出すことで、組織の生産性を最大限に高めるマネジメントです。
相手(メンティー)にどう働きかけるかよりも、メンター自身がどうあるべきかを重視します。
つまり、メンターが率先垂範して行動することで、メンティーに変化をもたらすのです。
だから、メンタリング・マネジメントがうまく機能するかは、
・メンターが日々の生活のなかで手本としての行動を実践できるか
・良きメンターでありたいとどのくらい強く思えるか
にかかっています。
メンタリング・マネジメントは自立型人間を育てます。
自立型人間:自分で考えて行動して、目標に向かって道を切り拓ける人
自立型人間の反対は依存型人間です。
依存型人間:楽することを重視し、他人や環境に期待する
管理型マネジメントによって依存型人間が育ちます。
【管理型マネジメントの例】
・とにかく言うとおりにやらせる
・「仕事だから」/「こういうやり方だから」とあきらめさせる
・「自分の仕事ではない」と線引きする
・責任を追及する
・賞罰でモチベーションを上げようとする など
管理型マネジメントをしていて自立型人間が育たないと嘆くのは間違いです。
自分の行動や態度が相手に反映されているので、相手を変えたいならまず自分を変えましょう。
要約②:メンターの行動基準:見本/信頼/支援
メンタリング・マネジメントを実践するためのメンターの行動基準が3つあります。
①見本
②信頼
③支援
1つずつ紹介します。
メンターの行動基準①:見本
3つの行動基準のなかでも最優先なのが、見本となることです。
自分の行動が自分の周りの人との関係性をつくっています。
自分が相手に求めていることは、まず自分から相手に与えることです。他人は鏡なのです。自分がやったことが自分に返ってくるだけなのですから。
具体的には、次のようにまず自分から始めます。
やる気にさせたい →まず自分がやる気になる
ビジョンを浸透させたい→まず自分がビジョンを最優先して行動する
チャレンジさせたい →まず自分が困難な課題にチャレンジする など
相手の態度や行動に対して、自分は何ができるか?と自己責任で考えるのがポイントです。
メンターの行動基準②:信頼
信頼とは、相手が思い通りにならなくてもそのまま受け止めること。
信頼とは根拠がなくても信じることです。
信頼:無条件に信じる
信用:根拠をもとに信じる(クレジットカードの信用調査など)
相手の視点に立って考え、相手の都合を優先することで信頼関係が築けます。
他人の気持ちや考えを100%理解することはできないのはもちろんですが、
それでもなお理解しようとする姿勢が伝わることで信頼につながります。
信頼関係を築くには、積極的に自分の欠点・弱みを自己開示しましょう。
自分の欠点・弱みを見せることで、相手に安心感を与えることができます。
メンターの行動基準③:支援
支援の仕方はいろいろありますが、一番重要なのはどのような気持ちで支援するかということ。
支援の形やテクニックを駆使するのではなく、
相手のためになることはなにか?と真剣に考える姿勢が相手にも伝わります。
具体的な支援の行動は次のようなものがあります。
・聞く :否定しない、関心を持つ、話してくれたことに感謝する
・一緒に考える:あくまで相手が主役、一方的なアドバイスをしない
・励ます :見返りを求めず、長期的な時間軸で成長を見守る など
相手の心に届く言葉は、相手の価値観によって変わります。
いろいろな言葉がけを試しながら、やる気が出る言葉を探してみましょう。
要約③:メンターの問題解決プロセス
メンターの問題解決プロセスは次のとおりです。
問題
⇓
プラス受信
⇓
自己責任による原因究明
⇓
見本/信頼/支援
⇓
率先垂範行動
問題が起きたら、まずはプラス思考で受け止めます。
具体的には、「この問題はなんのチャンスか?」と学びや改善の機会として捉えるのです。
そして、自分の何を変えればよいか?今までのどんな行動を改めるべきか?を振り返ります。
相手や環境のせいにするのではなく、自分が影響できることを考えましょう。
見本/信頼/支援の行動基準に則り、
どんな行動を取るか決めて、それを自分から率先して行動するのです。
このとき、見本が一番重要です。
見本になっていない上司は信頼できませんし、支援の働きかけも届きません。
メンタリング・マネジメントでは常に自己責任で考えます。
他責で考えるとそこで思考停止、自分にできることはないとなってしまいます。
『メンタリング・マネジメント』の次に読むなら?
『メンタリング・マネジメント』とあわせて読みたい3冊を紹介します。
①『自分の頭で考えて動く部下の育て方』
上司1年目の人に向けて自分で考えて動く部下の育成術がわかる本です。
指示待ち部下を嘆く前に、自分の指導方法を見直してみましょう。
どうやって仕事を教えればいいか悩める人に最適。具体的な会話例がわかります。
参考記事:『自分の頭で考えて動く部下の育て方』の要約:教えすぎると考えない【上司1年目の教科書】
②『動機づけのマネジメント』
メンバーに無理やりやる気を出させることはできません。
動機づけの環境を整えるのがリーダーの仕事です。
動機づけができるような接し方をしているか、自分自身を振り返りましょう。
参考記事:『動機づけのマネジメント』の要約まとめ:深くて強い動機が生まれる環境を整える
③『心理的安全性のつくり方』
どんな人間関係でも信頼関係が基本ですよね。
相手との信頼関係を築くには心理的安全性が大切です。
心理的安全性:積極的に人間関係のリスクが取れること
「嫌われたらどうしよう」、「間違ってたら評価が下がるかも」などと心配せずに意見を言える相手を目指しましょう。
参考記事:『心理的安全性のつくりかた』の要約:脱ぬるま湯職場!心理的安全性の4因子とは?
まとめ:まず自分から変わって見本になろう
・メンター(支援者)が1人1人の可能性を引き出すと自立型人間が育つ
・相手を変えたいならメンターが率先垂範して自分から変わることが重要
・メンターの行動基準:見本/信頼/支援
・相手や環境のせいにする前に「自分は何ができるか?」を考える
・弱みを自己開示することで信頼関係が築ける
・問題が起きたら「これは何のチャンスか?」とプラス思考で受け止める
マネジメント手法のテクニックではなく、人としてどうあるべきかという本でした。
「相手が変わらない」と悩んでいる人の視野を広げてくれる1冊です。
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