『幸せになる勇気』の要約まとめ:人間関係は無条件の尊敬から始める

『幸せになる勇気』の要約まとめ:人間関係は無条件の尊敬から始める

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『幸せになる勇気』は、ベストセラー『嫌われる勇気』の続編であり、

アドラー心理学の実践編とも言えます。

 

著者のインタビューによると、

『嫌われる勇気』はアドラー心理学の概要を理解するための地図、

『幸せになる勇気』はアドラー心理学の実践する上でのコンパス、

のような位置づけだそうです。

前作同様、哲人と青年の対話形式で成り立っています。

青年の言いまわし(ギリシャ哲学風の問答?)には好みが分かれるかもしれません。

 

『幸せになる勇気』の中から大切なポイントを2つ紹介します。

★『幸せになる勇気』の要約ポイント★

 

・人間関係は無条件の尊敬から始まる

尊敬=ありのままで唯一無二の存在だと認めること

 

・人生のタスクは仕事・交友・愛

人生の悩みも喜びもすべては人間関係から生まれる

親子関係、教師と生徒、恋愛・夫婦関係などさまざまなテーマが出てきますが、

一貫して人間関係、自分と他者との関わりについての熱い対話が繰り広げられます。

 

お子さんがいる人や教育関係のお仕事の人はもちろん、

つい他人を変えたいと思ってしまう人に特におすすめです!

この記事では『幸せになる勇気』の要約まとめと感想を紹介します。

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『幸せになる勇気』のあらすじ

『嫌われる勇気』でアドラー心理学に希望を見出した青年は、

3年間学校の教師をしているうちにアドラー心理学に失望してまた哲人の元を訪れます。

 

そのひと晩の対話の内容が本になっている、という構成です。

 

『嫌われる勇気』を読んでなくても理解はできますが、

アドラー心理学の前提知識がない状態だと難しく感じるかもしれません。

前作を読んでないと、青年の失礼さ・ひねくれさに耐性がないかも…

(青年はけっこう口が悪いです)

 

前作『嫌われる勇気』を先に読むか、

同じ著者の『アドラー心理学入門』を読むと理解しやすいです。

『アドラー心理学入門』は新書なのでサクッと読めます。

もしくはマンガでわかる系の入門書を1冊読んでおくと良いでしょう。

『幸せになる勇気』の要約

『幸せになる勇気』の要約ポイントは次のとおりです。

★『幸せになる勇気』の要約ポイント★

 

・人間関係は無条件の尊敬から始まる

尊敬=ありのままで唯一無二の存在だと認めること

 

・人生のタスクは仕事・交友・愛

人生の悩みも喜びもすべては人間関係から生まれる

1つずつ詳しく紹介します。

要約①:人間関係は無条件の尊敬から始まる

 

青年がアドラー心理学に失望したのは、

アドラー心理学を学校で実践したら生徒が言うことを聞かなくなってしまったからです。

 

具体的には、ほめない・叱らない、代わりに勇気づけるという教育方針です。

 

「アドラー心理学は机上の空論であり、実際の教育現場では役に立たない理論だ」

と青年は考えています。

 

哲人は、「どんな人間関係も尊敬から始まる」と説きます。

子どもに対して尊敬していないから、うまくいかないというのです。

 

哲人は社会心理学者エーリッヒ・フロムの言葉を引用しています。

尊敬とは、人間の姿をありのままで見て、その人が唯一無二の存在だと知ることである。(中略)尊敬とは、その人がその人らしく成長・発展していけるよう気遣うことである、と。

一般的にイメージする”尊敬”とは少し違いますね。

 

”あの人を尊敬する”というとき、特筆すべき能力や社会的な成功・ふるまいを見て評価をしている気がします。

アドラー心理学の”尊敬”とは、”〇〇だから尊敬に値する”といった評価がありません。

無条件に尊敬するところが人間関係の入口である、というのです。

 

無条件で尊敬しても相手が自分を尊敬してくれるかわからない、と不安に思いますが、

相手に尊敬を強要することはできません。尊敬と愛は強要できないのです。

 

相手が尊敬してくれるかどうかは相手の課題であり、

自分には関与できないことだと考えます(課題の分離)。

 

尊敬してくれないなら尊敬しない、というギブ&テイクの関係では、

どちらも「尊敬しろ」と言い合うだけで人間関係は築けません。

 

だからまず、”わたしから尊敬する”という態度が重要であり、

その勇気が幸せになる勇気です。

 

具体的に”尊敬する”とは、他者の関心事に関心を寄せることで実践します。

 

他者の関心事を自分の視点で判断するのではなく、

他者の目で・耳で・心で感じる態度を心がけるのです。

 

たとえば、下記のような行為は尊敬を欠いています。

・子どもが夢中になっている遊びを教育に悪いという親の判断でやめさせる

 

・他人の趣味を「つまらない」と言って非難する など

自分が同じように関心が持てなくても、

「それをやっているときは楽しいんだな~夢中になれるんだな~」と共感はできます。

 

最も尊敬を失う行為は暴力

暴力でコミュニケーションすれば尊敬は失われます。

物理的に暴力をふるうだけでなく、親や上司が権威を振りかざして言うことを聞かせるのも暴力です。

 

暴力は道徳的にも問題ですが、それ自体がかんたんに人を黙らせることができる未熟なコミュニケーションだとされています。

 

幸せになる勇気を出して、時間と労力がかかっても尊敬を土台とした人間関係を目指しましょう。

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要約②:人生のタスクは仕事・交友・愛

 

「尊敬を入口に人間関係を築くなんてめんどくさい」、

「人間関係を築かずに幸せになれないのかな?」と思う人もいるかもしれません。

 

アドラーは”すべての悩みは人間関係の悩みである”と述べています。

 

だったら人間関係がなければ悩みもなくなって幸せになれるか?というと、

そうではありません。

 

”すべての悩みは人間関係の悩みである”の真意は、

人生の悩みも喜びもすべては人間関係から生まれるということ。

 

人間関係を築くことは幸せになるために欠かせないのです。

 

幸せになるために向き合うべき、人間関係における人生のタスクが3つあります。

・仕事  :わたしの幸せ(信用)

 

・交友関係:あなたの幸せ(信頼)

 

・愛   :わたしたちの幸せ(愛)

人間は生物学的には弱い生き物であり、

生存戦略として集団で弱みを補う分業制を選択してきました。

 

分業制における仕事上の人間関係は、わたしが得意なことで他者に貢献し、わたしの苦手なことは他者に助けてもらうギブ&テイクの関係です。

相手のスキルを信用し、相手が好きか嫌いかに関わらず、協力的関係を築きます。

 

交友関係は信頼の上に成り立ちます。

信頼は信用と違い、信じるための担保や根拠を必要としません。

信用:財産など担保や条件つきで信じる

 

信頼:無条件で信じる

信頼に基づく交友の関係はまさに”与えよ、さらば与えられん”

与える人だけが築ける利他的な関係です。

 

最後の愛のタスクは、わたしたちの幸せをつくりあげることです。

 

主語を”わたしたち”に変えることで、利己的でも利他的でもなく、

”自己中心性からの脱却”ができます。

 

つまり、”自己中心性からの脱却”=自立=共同体感覚の始まりです。

 

愛されるかはわからない中で自分からまず他者を愛することによって幸せになる道が始まる、

とわたしは理解しました。

『幸せになる勇気』のオーディオブック

 

『幸せになる勇気』は耳で聴けるオーディオブックがあります。

 

『幸せになる勇気』は聞き放題対象外ですが、

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『幸せになる勇気』の感想

 

『幸せになる勇気』を読んで個人的に心に残ったポイントを紹介します。

 

そこで、関係に踏み出す勇気をくじかれた人はどうするか。運命という幻想にすがりつくのです。

幸せは向こうから訪れるものだと思っているのです。いまはまだ幸せが訪れていないが、運命の人に出会いさえすればすべてがうまくいくはずだ、と。

アドラーは、運命の存在をきっぱり否定しているそうです。

 

”運命の人に出会えない”と嘆く人は、今まで出会った人たちと関係を築くことから逃げている、

という厳しい見解。

 

運命は待っているもの・探すものではなく、パートナーとつくりあげるものです。

「この人と運命と言える関係を築ける」と信じることを決めるだけ。

 

自分の人生は自分で選べる・幸せになるかは自分で決められる

という考え方が根底にあります。

恋愛の”運命”だけでなく、仕事の”天職”も似ているかもしれません。

いつまでも天職を探すのは、これを天職にする!と決める勇気がないだけなのかも。

 

だとすれば、われわれにできることはひとつでしょう。すべての出会いとすべての対人関係において、ただひたすら最良の別れに向けた不断の努力を傾ける、それだけです。

人生は有限であり、いつ終わるかもわかりません。

 

「この人と出会い、この人と過ごした時間は間違いではなかった」

と思える関係を築くことが今を精いっぱい生きることになります。

わたしが喜びを分かち合える人間関係を築くと決めて、

自分から始めれば良いのですね。

 

他者の気持ちや行動には関与できないけれど、

不断の努力をしている間の自分のことは好きになれそうです。

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『幸せになる勇気』の次に読むなら?おすすめ本3選

 

『幸せになる勇気』とあわせて読みたい3冊を紹介します。

 

①『嫌われる勇気』

 

前作『嫌われる勇気』をまだ読んでいない人はぜひおすすめです。

 

幸せになる勇気と同様、哲人と青年の対話形式で、

アドラー心理学の基本的な考え方がわかります。

 

②『アドラー心理学入門』

 

アドラー心理学の基本理論がわかる本です。

『幸せになる勇気』の著者の1人である岸見一郎さんの著書。

 

新書サイズで読みやすく、特にアドラー心理学を子育てにどう活用するかがわかります。

参考記事:『アドラー心理学入門』の要約:アドラー心理学の基本理論がわかる【はじめの1冊に最適】

 

③『アルフレッド・アドラー人生に革命が起きる100の言葉』

 

「『幸せになる勇気』がちょっと難しかった…」という人におすすめ。

アドラーやその弟子の言葉を紹介しながら、現代風にアドラー心理学の考え方がわかります。

自己決定性、ライフスタイル、課題の分離、子どもの教育など、

アドラー心理学でよく扱われるテーマをさらっと知りたい人向けです。

参考記事:アドラーの名言がいっぱい!入門におすすめの『アルフレッド・アドラー人生に革命が起きる100の言葉』

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まとめ:『幸せになる勇気』を持って尊敬と愛を与えよう

・『幸せになる勇気』は『嫌われる勇気』の続編で哲人と青年の対話形式の物語

 

・人間関係は尊敬から始まる

 

・尊敬しても尊敬してくれるかは相手の課題であり、関与できない。

 

・尊敬=他者をありのままに見て、関心事に関心を寄せること

 

・人間の喜びも悩みも人間関係から生まれる

 

・人生の3つのタスク=仕事/交友/愛から逃げない

 

・わたしたちの幸せをつくりあげることで自己中心性から脱却できる

すぐに実践できるノウハウ的な内容ではありませんが、

人間関係の在り方について大きな影響を与える本でした。

 

相手に変化や見返りを求めず、

自分が他者とどう向き合うかを決めるだけで幸せになれる。

 

たくさんの人にとって、生きる態度を考えさせられる本になると思います。

ぜひ読んでみてくださいね!

 

★今回紹介した本★

 

★前作『嫌われる勇気』★

 

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