『あたらしい問題解決』の要約:正解のない時代にセンスを磨く大切さ

『あたらしい問題解決』の要約:正解のない時代にセンスを磨く大切さ

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『あたらしい問題解決』は、状況に応じた最適解を見つけるための問題解決法がわかる本。

 

著者の長田英知さんは東大卒から就職して政治家に転身、

そこから戦略コンサルタントになるという変わった経歴の持ち主。

現在はAirbnbの執行役員を務めているそうです。

 

『あたらしい問題解決』では、問題解決に必要な3つのSが紹介されています。

問題解決の3つのS

Sense :問題を感じ取る直感

 

Segment:解決可能な課題に切り分ける

 

Story   :解決策を実行に移す

特にセンスの重要性と磨き方に重きが置かれていました。

 

課題に切り分けるときやストーリーを作るときにも、

何を重視するかというセンスが必要です。

この記事では『あたらしい問題解決』の要約を紹介します。

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『あたらしい問題解決』の要約:センスとは何か?

 

センスとはバランス感覚のこと

 

良い/悪い、おいしい/まずい、ステキ/ダサいなど、

言語化しにくい感覚で問題を感じ取ります。

 

なぜ問題を感じ取るセンスが必要かといえば、それがユニークな視点・アイディアになるからです。

客観的なデータを論理的思考で分析した場合、誰もが同じ問題に行き着きます。

 

唯一絶対の正解はなく状況によって最適解が変わるので、

そのときの状況の普通を基準にして、違和感があるか考えてみます。

 

悪い方にバランスが崩れているなら、そこを改善することが課題かもしれませんし、

逆にバランスを崩すことで新規開拓のチャンスがあるかもしれません。

 

普通の基準は2つあります。

平準点:一般的な人の普通の基準

 

合格点:その分野の専門家やプロが満足する基準

自分のビジネスは誰を満足させるのか?という視点で、

どちらの普通の基準と比べたらよいかが変わります。

 

たまたま手に取った、商品にこだわりがない一般的な人が評価するのと、発売を待ちに待っていたファンが評価するのは全然違いますよね。

 

品質は合格点を超えているのに値段は平準点と同じレベルが理想ですが、

限られたリソースで何に重点を置くか・どこが外せないのかを考える上でも

2つの普通のものさしを持っておくことが重要です。

『あたらしい問題解決』の要約:センスをどう磨くか?

 

『あたらしい問題解決』では、センスの磨き方が3つ紹介されています。

1:トレンドを知る  (平準点)

 

2:一流を知る    (合格点)

 

3:エコシステムを知る(社会とのかかわり)

 

トレンドを知る、とは、世の中の人がどう考えるか、世の中の流れを知ることです。

具体的にはtwitterトレンドを見ることがおすすめされています。

 

ビジネスにおける正解はタイミングによって変わるので、

今なにが起きているか、今どこに関心が集まっているかを知るのは

平準点の感覚を養う上で大切です。

 

 

一流を知るためには、自分の興味のあるものでできるだけ一流のものを購入してみます。

 

普通の品質のものなら100均でも購入できるものを、

あえて一流のものを選んでみるのです。

万年筆など文房具なら一流のものでも手が届きそうですね。

 

 

エコシステムを知るとは、社会のつながりを把握することです。

具体的には5フォース分析が紹介されていました。

【5フォース分析】

 

競争要因を5つの脅威(売り手・買い手・新規参入者・既存競合他社・代替品)に分けて分析する方法

自分のビジネスや興味のある分野を取り巻く状況を分析すると、

どのように影響し合っているかを知ることができます。

 

たとえば、旅行代理店が競合他社の旅行代理店をライバル視していても、

本当の脅威は競合他社ではなく、余暇の代替品のNetflixやYoutubeかもしれません。

(VRで旅行が体験できる、という新規参入者が現れる可能性もあるかも…)

 

社会のつながりの中で普通の基準は変わりますし、

どこかの要素の変化が思わぬ結果を生み出すこともあります。

 

そして、まったく関係のない業界のエコシステムで起きた事象が、

自分の業界のエコシステムでの対応に役立つこともあるでしょう。

 

ものの普通や良し悪しを感じるセンスは、特定の分野でしか通用しないものではなく、

一度身につけると応用が利くものなのです。

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『あたらしい問題解決』の要約:センスで問題を切り分ける・伝える

問題解決の3つのSには、Sense以外にSegmentStoryもあります。

 

Segmentで問題を解決できる課題に切り分けるときも、

何を重視して切り分けるかにセンスが問われます。

 

また、Storyで解決策を実行段階に移すときも、多くの人の心を動かすためには、

多くの人が何に共感するか・どう伝えるかを見極めるセンスが重要です。

 

たくさんのフレームワークを知っていても、

状況に応じて最適なものを選びとる、ときにはアレンジする必要があります。

フレームワークを覚えただけで使い時がわからない人や、

ただの穴埋めになってしまっている人は多いのではないでしょうか。

 

そこには言語化が難しい何か(センス)がある気がします。

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『あたらしい問題解決』の感想:心に残ったポイント

 

『あたらしい問題解決』で個人的に心に残ったポイントを紹介します。

 

なぜなら、どんなに新しいビジネスや職務であっても、基本的にそれらは「人をいかに幸せにするか」という視点で設計されている共通点があります。人の行動パターンや思考、あるいは好悪の感情の根底が変わらない限り、過去に磨いた直感や視点が援用できる部分は必ずあります。 p.89

センスは未体験の事柄にも適用できる理由の部分です。

 

「このビジネスはどうやって人を幸せにしているか?」と考えることで、

提供する価値の本質が見えやすくなります。

 

いくらテクノロジーが進化しても人の欲求や心理はすぐに変わらないので、

時間をかけてセンスを磨く価値があるということですね。

 

(前略)「皆が正しいと思うが、誰もやりたがらない論理的な正解」よりも、「皆、少なからず不満を持っているかもしれないが、これなら前に進めても良いと思う社会的な最適解」のほうが結果的に問題解決へと近づいていくことを理解し、そのような解を模索していくことが大切になってきます。 p.208

論理的な正しさを追求するあまり、

伝え方をおろそかにすると実行段階で思わぬトラブルに見舞われます。

(解決策ではなく発案者が気に入らないなど…)

 

1人で実行して完結するなら別ですが、論理の正しさよりも実際に人が動くかが重要です。

ただ、妥協しても良いところと絶対妥協してはいけないところの見極めにもセンスが要りそうですね・・・
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『あたらしい問題解決』の次に読むなら?おすすめ本3選

 

『あたらしい問題解決』とあわせて読みたい3冊を紹介します。

①『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』

 

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』は、

アートや哲学に触れて美意識を鍛える必要性が書かれた本。

 

美意識を『あたらしい問題解決』でいうところのセンスと読み替えれば、

主張に共通するところが多かったです。

 

どちらかといえば、『あたらしい問題解決』は普遍的な美意識+トレンド

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』は普遍的な価値、自分の判断軸と受け止めました。

参考記事:『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』の要約まとめ:アートをビジネスに取り入れる

②『13歳からのアート思考』

 

『13歳からのアート思考』は、

アート作品を通じて自分だけのものの見方・自分なりの答えをつくる思考が体験できます。

 

答えのないものから自分が感じたものを素直に表現する大切さがわかる本です。

参考記事:『13歳からのアート思考』の要約:自分だけの答えをつくる思考法とは?

 

③『直感と論理をつなぐ思考法』

 

自分のワクワクする直感や妄想からアイディアを形にする思考法についての本。

自分の「やりたい!」という強い気持ちを出発点に、アイディアを形にしていきます。

直感力や感性を磨きたいけどどうしたらいいかわからない人は、

たくさんのヒントが得られるはず!ワークもたくさん載っています。

参考記事:『直感と論理をつなぐ思考法』の要約まとめ:ビジョンドリブンとは自分モードで生きること

まとめ:『あたらしい問題解決』にはセンスが必要

・唯一絶対の正解はない。状況に応じた最適解を見つける。

 

・問題を感じ取るセンスでユニークな気づきを得る

 

・普通の基準と比べて違和感があるか

 

・普通の基準には平準点と合格点がある

 

・センスを磨く方法

 -トレンドを知る/一流を知る/エコシステムを知る

 

・解決すべき課題の切り分けと実行段階の伝え方にもセンスが必要

全部で222ページとサラッと読めるボリュームですが、

論理的思考を偏重しがちな人には新しい視点が得られる本です。

 

政治家やコンサルタント経験のエピソードもユニークでした。

一流のものだけでなく、一流の人と接するのもセンスが磨かれるのかも。

 

★今回紹介した本★

 

 

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